« 手づくり味噌 | トップページ | お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(2) »

2010年1月24日 (日)

お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(1)

お米の自由化が議論されていますが、お米の自由化に関して個人的に確かめておきたいことがいくつかあるので、雑感も交えながら、それらをまとめておきたいと思います。途中わからないことが出てくると思いますが、わからない点はわからないので、そういった部分についてはわからないと書きます。少し長くなりそうなので、何回かに分けて掲載する予定です。途中で予定の項目や順番を若干変更するかもしれません。その場合はご容赦ください。

自由化には輸入と輸出の2つの側面がありますが、僕が確かめておきたいこととは以下のような事柄です。

1. 基本の確認:各国とも自国のコメが好き、なぜならそれがおいしいから
2. 世界のコメの値段をおおまかにグルーピングすると・・
3. 自由化になった場合、日本は魅力的な輸出ターゲット国なのか
4. その場合、どんな国が日本にコメを輸出してくるのか
5. 寄り道して、カリフォルニア産コシヒカリのアメリカ国内での消費者価格は?国産コシヒカリの日本での消費者価格と比べて、本当に安いのか?
6. その時の、それらの国からの輸出価格(日本にとっては輸入価格)はどれくらい?
7. 自由化するときの国産米の価格?いくつかのオプション
8. どういう環境になれば、日本から、たとえば中国に、コメの輸出ができるのか

ここで使うコメ関連のマクロな統計数字は米国農務省発表のものです。米農務省発表のコメの生産量や輸入量は、FAOSTATと違っているし、また日本の場合、農林水産省発表の数字よりも8~9%少ないのですが、ここでは米国農務省の数字を使います。

1. 基本の確認:各国とも自国のコメが好き、なぜならそれがおいしいから

おコメは主食として食べられるか、野菜の延長として食べられるかは別にして、各国・各地の風土と適合的な料理のなかでその役割を演じてきましたし、演じています。アルデンテなリゾットを好むイタリア人たちは、ジャポニカ米のリゾットを食べようとは決して思わないでしょうし、バンコクで食べるタイ料理にはやはりインディカ米だし、インドで好まれるのはカレーによく合う長粒種だし、香港で広東料理の最後に食べるチャーハンはパサパサしたお米に限ります。しかし、日本では、干物と納豆と味噌汁とふっくらとしたご飯の朝食です。僕たちのDNAには、1500年をかけて改良を重ねたジャポニカ米のおいしさが刷り込まれています。ひょっとして、唯一の例外は、そもそもコメを輸出用作物として生産し始めたアメリカかなとも思いますが、生産地域ではやはり地域のコメが一番おいしいのでしょう。

2.世界のコメの値段をおおまかにグルーピングすると・・・

結構、大雑把ですが、世界で生産量・流通量の多いコメ(インディカ種とジャポニカ種)の値段をグルーピングすると以下のようになります。価格は比較のために、日本で一般的に使われる60kg(1俵)あたりの円価格(卸売価格、1ドル=90円)で表示しました。

なお、日本のお米はジャポニカ種でこれは世界では少数派でその生産量シェアは15~16%くらい。圧倒的な多数派はインディカ種で世界の生産量シェアは80%。また、インドネシアのジャワやイタリアでは、最も少数派のジャバニカ種と呼ばれるコメが生産されています。イタリア料理のリゾットはこれを使います。

最も値段の高いグループが、「日本のお米」と「カリフォルニア産のコシヒカリ」で、15,000円ぐらい。(カリフォルニア産コシヒカリのアメリカでの消費者価格・店頭価格については後述します。)

どれくらいの市場規模かわからないので、グループとして取り上げるのは乱暴なのですが、上海のような都市部の中国人富裕層が買い求める良質米が、これは店頭価格ですが、60kg換算で8,100円(1kgあたり価格が10元という現地レポート、1元=13.5円で60kg換算)。乱暴ついでに、このグループの市場規模を推定してみると、中国のコメ年間消費量は1億3413万トンなので、富裕層がその0.5%を買うとすると、市場規模は67万トンで、これは日本人全体の1か月分のコメ消費量とほぼ同じです。大間の本マグロも大分の原木栽培シイタケも中国の富裕層向けに買い占められる時代なので、8,100円は特に驚く価格ではありません。

無理やり荒縄でひとつのグループにしばったという感じもありますが、その次のというか第3グループには「アメリカ産の中粒種ジャポニカ米」と「パキスタンのバスマティーとよばれる香り米」と「タイのホムマリとよばれる香り米(ジャスミンライスのこと)」が入り、これらはそれぞれに輸出量の多い輸出指向のコメですが、このグループの価格帯が5,500円~6,500円くらい。

4番目のグループが、世界のコメ価格といった場合によく引き合いに出される ”Thai White Rice 100% Grade B, FOB” で、タイ産のインディカ米です。これは白米ですが、値段はタイでの引き渡し価格で、3,250~3,350円。輸入価格はこれにパッケージング費用や輸送費や輸出諸掛などを加えたものになりますが、僕は面倒なので10%上乗せして計算しています。こういった世界の主流コメ価格は騰勢傾向なので、もっと高くなると思われます。

(続く)

□□□

有機野菜・低農薬野菜宅配のらでぃっしゅぼーや。自然の恵みをうけて育った野菜や果物をお届け。 素材本来の味を食卓に。まずは安心食材を試してみませんか?

人気ブログランキングへ

|

« 手づくり味噌 | トップページ | お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(2) »

米と麦」カテゴリの記事

経営とマーケティング」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/33110366

この記事へのトラックバック一覧です: お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(1):

« 手づくり味噌 | トップページ | お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(2) »