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2010年1月18日 (月)

野菜ときのこと陽の光

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植物工場というものがあり、レタスやサラダ菜のような葉菜類を中心に、一部トマト苗のようなものも交えて実験的な生産が進行中ですが、そうした工場の標準的なイメージはLEDなどの人工灯が輝く閉鎖された建物の中での水耕栽培環境です。先月、札幌中心部で展示された野菜工場のデモブースもそのような環境をコンパクトにまとめたものでした。現在僕たちがよく目にする野菜の温室栽培・ハウス栽培とは別のものです。

こういった環境にいくぶん似た環境で既に成功しているのは、きのこの生産工場です。冷暖房の空調設備が整った施設環境で菌床栽培を行います。菌床とは細かく砕いた「おがくず」に「米ぬか」などの栄養材をまぜたもの。えのきたけ、しいたけ、たもぎだけ、なめこ、ぶなしめじ、まいたけなどがおもな生産対象品目で、北海道だと苫小牧(製紙で有名)や愛別町(旭川の近所)や白老町(登別温泉の近所)が有力産地です。きのこなので太陽光は特には関係ありません、空調設備がしっかりしていれば1年中栽培できます。

しいたけの場合は、人工栽培といっても、上述の菌床栽培と原木栽培の2種類があり、日本全体だと菌床栽培の生産量比率が76%、北海道では菌床の比率が89%とより高くなっています。(林野庁や北海道水産林務部の統計)

原木栽培は、ミズナラなどの広葉樹の原木を使って木の養分と水だけで育てるので天然栽培に近い方法です。手間がかかるので、その分値段も張りますが、しいたけそのものの味や香りや食感を楽しもうと思ったら、原木栽培に限ります。生しいたけの場合だと、傘を下にした状態で切り取った軸の上にミネラルいっぱいの自然塩を乗せて蒸し焼きにし、蒸しあがったあとの傘の中にスダチやレモンやユズを絞ってパクリと食べると、とても幸せな気分になれます。しいたけの味、再発見という感じです。

しかし、トマトだセロリだナスだキュウリだピーマンだということになると、それらと工場の組み合わせにとたんに違和感を湧いてきます。陽の光を好むものを、陽の光を遮断した状態で育てるということ対する違和感です。感覚的な違和感ですが、しかし、違和感というのは僕たちの感覚が発する「変だなあ、ちょっとどうもおかしいぞ」という知らせや警告が本来的な姿だと思うので、それを捨てさせる理由が出てこない限りは、それをずっと持ち続けたいなと考えています。

きのこ類と違って、植物工場の野菜生産は特定の葉もの野菜に関してだけはビジネスとして成り立ちそうなので、実際の商品の様子を見ながら、上述の「違和感」との折り合いのつけ方を徐々に考えることにします。

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コメント

 菌床栽培と原木栽培のシイタケは味、香りがぜんぜん違いますね。
 味や香りがないシイタケは、それって価値があるのかな?と疑問を感じる事があります。
 
 
 

投稿: スニフ | 2010年1月18日 (月) 17時18分

僕たちはお金に余裕があるわけではないので、丁寧に作られたもの・無農薬のもの・味がよいもの(ここでは、原木栽培のしいたけ)などの付加価値商品に出費するときは、他への消費欲求を押さえ込むようにしています。

投稿: 高いお米、安いご飯 | 2010年1月18日 (月) 20時43分

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