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2010年1月27日 (水)

お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(4)

5.寄り道して、カリフォルニア産コシヒカリのアメリカ国内での消費者価格は? 国産コシヒカリの日本での消費者価格と比べて、本当に安いのか?

2000年3月発表の調査研究報告書に「世界のジャポニカ米 -現状と潜在的生産能力- 国際情勢の変化と日本のコメ輸入」と題するものがあり、その中の論文のひとつにアメリカ主要各地での1999年現在のジャポニカ米の消費者価格(日系スーパー、中国人系スーパー、地元スーパーなどの店頭価格)が記載されています。主要各地とはサンフランシスコ、ワシントンD.C.、ヒューストン、シカゴ、ロスアンゼルスで、調査対象のジャポニカ米は、Aランク米としては「カリフォルニア産コシヒカリ」や「田牧米」(「田牧米」はもともとは中粒種の改良版、その後、「田牧米クラシック」と「田牧米ゴールド」に展開。「田牧米クラシック」は良質カリフォルニア産アキタコマチをパッケージングしたもの、「田牧米ゴールド」は良質カリフォルニア産コシヒカリをパッケージングしたもの)などで、また、Bランク米としては「国宝ローズ」(一般用、中粒種改良版)や「錦」(中粒種改良版)という日本人の舌にはあまり訴えかけてこない銘柄がとりあげられています。

最近はブログが盛んなので、最新のカリフォルニア産コシヒカリやカリフォルニア産ジャポニカ米のアメリカでの最新(2009年10月現在)の消費者価格(店頭価格)がアメリカ(フィラデルフィア)在住の日本人主婦によってきちんと書き込まれていたりします(「アメリカでおいしいお米」「田牧米ゴールドの値段」)。僕も1990年代前半にコンピュータ関連の仕事でカリフォルニアに赴任していたので、我が家では「国宝ローズ」は一度で卒業しましたが「田牧米」にはある程度お世話になりました。ブログ主婦さんの感想(『やはり値段が割高でも田牧米ゴールドがおいいしいです!田牧米ゴールド食べちゃうと国宝ライスには戻れないので余ったお米の使い道を考え中です。。。』)はよく理解できます。

さて、カリフォルニア産コシヒカリなどが今のアメリカではどのくらいの値段で消費者に販売されているかを、上述ブログ主婦さんが地元の日系食品スーパーで購入した「田牧米ゴールド」(カリフォルニア産コシヒカリ)と「かがやき」(田牧米ゴールドよりはいくぶん価格の安いカリフォルニア産コシヒカリ)、および中国人系スーパーで買った「国宝ライス」(国宝ローズ Kokuho Rose Riceのことだと思いますが、これはカリフォルニアやテキサス、アーカンソーでも生産されている中粒種改良版の代表的な品種)の値段で見てみたいのですが、1999年の調査報告での店頭価格も眺めることによって、価格変化も同時に見ることにします。そして、それを2009年11月現在の日本産コシヒカリやその他の日本米の日本のスーパーでの店頭価格と比較したらどんな結果になるでしょうか。

なお、アメリカは広いので、ブログ主婦さんのフィラデルフィアと比較的近い場所という意味で、1999年調査からはシカゴとワシントンD.C.の店頭価格を選びました。また、10キロ入りのお米は5キロ入りのものよりも普通はキロ当たり単価が少し安くなっていますが、そのための調整係数は当該論文記載のものを援用して、20ポンドに統一しパッケージサイズの差から来る価格誤差を除いています(10ポンド袋のポンド単価を1.000とすると、5ポンド袋ではポンド単価が1.070、20ポンド袋では0.855)。20ポンドに統一したのは20ポンドは9.07キログラムなので、日本でもスーパーなどでよく見かける10キログラム袋と価格比較をしやすくするためです。為替レートは、1ドル=90円です。

「田牧米ゴールド」(カリフォルニア産コシヒカリ)、「かがやき」(カリフォルニア産コシヒカリ)、「国宝ローズ」(中粒種改良版)のそれぞれの店頭価格(フィラデルフィア、日系食品スーパー、2009年10月)を20ポンド袋換算するとそれぞれ以下のようになります。

なお、その右に1999年当時の同じ銘柄ないし同じ種類のコメの店頭価格、および10年前の何倍になっているかも併記します。

田牧米ゴールド: $44.43 (コシヒカリ:    $16.50)(2.7倍) 
かがやき:      $36.84 (コシヒカリ:    $16.50)(2.2倍)
国宝ローズ:      $18.79  (国宝ローズ: $10.38)(1.8倍)

世界のコメの値段は、2009年秋頃は、今もそうですが、1999年の約2倍になっているので、上の数字はマクロの価格傾向値と合っています。おいしいものは平均以上に高く、そうでないものは平均を下回る倍数で、ということのようです。

ここで、この3つの商品を2009年11月の国産米の日本での店頭価格と比べてみます。札幌にある、ナショナルブランドのスーパーでの10kg袋の店頭価格です。上記の「田牧米ゴールド」「かがやき」などは20ポンド袋(9.07kg)での価格なので、以下はそれを、1ドル=90円で、10kg袋に円換算した値段です。

田牧米ゴールド(コシヒカリ) :\4,409 vs. 新潟産コシヒカリ:    \4,380
かがやき(コシヒカリ)       :\3,656 vs. 茨城産コシヒカリ:    \3,980
かがやき(コシヒカリ)       :\3,656 vs. 北海道産ほしのゆめ:\3,250
国宝ローズ(中粒種改良米):\1,864 vs. 比較対象となる中粒種無し

「田牧米ゴールド」や「かがやき」といったカリフォルニア産のコメの値段は、フィラデルフィアでの消費者価格(店頭価格)です。日本に持ってくる場合には、運送費や輸出諸掛や日本での流通費などが余分に必要なので、生産者マージンや流通業者マージンをバサッと切り詰めない限りは上記価格より高くなることは確かです。

日本人においしいと評価されるアメリカ産のジャポニカ米の値段は、消費者価格で見る限り、日本のおいしいおコメの値段とほぼ同じです。

(続く)

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