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2010年1月25日 (月)

お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(2)

3.自由化になった場合、日本は魅力的な輸出ターゲット国なのか

日本は、他のコメ生産国にとって魅力的なコメ輸出市場か、というのがここでのテーマです。

コメはトウモロコシなどと違って、バイオ燃料などには使われないので、生産量=消費量と考えられます。各国の備蓄分がありますが、話の基本に影響を与えることはないのでここでは考慮しません。

米国農務省データによれば、2008年の日本の年間コメ生産量は800万トンで、これは世界のコメ生産量が4億4000万トンなので、その1.8%です。つまり、日本のコメ市場は、世界コメ市場という大きなパイの小さいひとかけらです。日本のコメ市場は米粉の活用などによってゆるやかな成長は期待できますが、今後の大きな成長は見込まれません。おそらく他の国もそう見ているでしょう。

つまり、日本はコメ需要に関しては大きな伸びが期待できないので、日本以外のコメ生産国が現地生産の良質ジャポニカ米を日本に輸出しようと作戦を練ることは、経済が急成長し都市化が進み人口が増加する中国市場やインド市場をターゲットに、工業先進国が、それらの国の消費者ニーズに合わせた簡易仕様と低価格で自動車や家電やハイテク製品を現地生産ないし輸出することとは、相当に違います。

上述したように、日本のお米はジャポニカ種でこれは世界では少数派でその生産量シェアは15%くらいです。圧倒的な多数派はインディカ種で世界の生産量シェアは80%なので、日本は市場サイズや商品仕様(種類)から見てニッチマーケットということになります。そういう観点からは、日本は魅力的な市場ではありません。

しかし、コメの国内価格が世界で最も高い日本のコメ市場とその規模を、世界のコメの貿易量という観点から眺めるとまったく違った光景が見えてきます。穀物は、家電や自動車と違って基本は地産地消商品なので、輸出比率ないしは海外販売比率は高くありません。コメの場合だと総生産量のうち、海外輸出に回される割合はわずか5.1%です(世界のコメ総生産量は4億4000万トンで、コメの年間輸出量は2950万トンなので5.1%)。日本のコメ市場は800万トンなので、日本がコメを自由化すれば、既存の世界貿易市場の27%という規模で「新しい潜在市場」が急に現われることになります。これは輸出指向のコメ農業立国にとっては魅力的な話です。ただし、これが成立するのは、日本人が好む仕様(品質とおいしさ)のジャポニカ米を、国産米よりも納得のできるほど安い値段で継続して提供できる場合に限られますが。

(続く)

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