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2010年2月19日 (金)

米とパンとうどん

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総務省では、毎月継続して家計調査を実施していますが、毎年2月中旬に、前年の家計支出合計を発表しています。2009年の数字が、2月16日に発表されました。

ご飯(お米)とパンと麺類(うどんやラーメンやパスタなど)は一般の日本人にとっては代替食品ですし、それらの消費量や消費金額の変化は穀物自給率にも深い関係があるので興味の湧く主題です。食べ物に関するその他の事柄にも興味があったので、2009年と2008年の品目別家計支出を比べてみました。

◇ (食料消費支出の)エンゲル係数は2008年の25.4%から、2009年には25.6%へとわずかに上昇しています。世帯あたりの食料消費額も切り詰めようとしていますが、不況のためそれ以上に世帯あたりの消費支出額全体の減少幅が大きくなっています。

◇ コメの消費量は2009年に4%減少し(消費金額は2.5%減少)、パンと麺類はそれを相殺する形で、それぞれ2%ずつ消費量も消費金額も増加しました。穀類全体への消費支出金額は、2008年から2009年にかけて少し増加しています。つまり、穀物自給率は、少し低下しました。

◇ 2009年の世帯あたりのコメ年間購入量は85.1kgですが、家庭内消費比率は46.6%で(53.4%は外食ないし加工食経由の米消費)、世帯人員数は3.11人なので、一人あたりのコメの年間消費量を計算すると58.7kgとなります。ちなみに2008年は60.7kgなので、2kgの減少です。

◇ 外食支出比率は18.4%から18.0%に減少しました。外食を控え「自家製弁当」を持参する人たちの影響もあると思われます。

以上の事実を、別の事実や推測を付け加えて次のように説明することもできます。

◇ コメの1人あたりの消費量は、1960年代後半から徐々に低下し、2006年に最低水準に達したが、2007~2008年にかけて、その大部分を輸入している小麦の価格高騰でパンや麺類の価格が上昇し、その結果、パンや麺類の消費が抑えられ価格変動のなかったコメの消費量が4%伸びました。世界の穀物価格は、コメも小麦も大豆もトウモロコシも軒並み急上昇しましたが(2008年は2006年の2倍から3倍)、コメは国内自給率が100%であり、日本のコメは、国際コメ市況の中心であるインディカ米とは仕様の違ういわば別商品なので、国際市場での価格変動の影響を受けませんでした。

◇ 2009年には穀物価格は下落しましたが、それでも2006年と比較すれば、現在はそれぞれ、その1.7~1.9倍くらいで高止まりしており、この高止まり傾向は世界の穀物需給が逼迫気味なので今後も続きそうです。しかし、日本国内のコメ価格は、上述の理由により、今後もこの影響を受けない、ないし非常に受けにくいと考えられます。

◇ コメは2009年に消費量が4%、消費金額は2.5%減少し、消費量は2006年の消費水準まで低下しましたが、パンと麺類はそれを相殺する形で、それぞれ2%ずつ消費量も消費金額も増加しました。これは、2009年で相対的に下落した小麦価格によりパンや麺類の価格も低下し、ここに流通のさらなる価格プロモーション効果が組み合わさって、「パンが食べたい、うどんが食べたいという欲求をこの2年間幾分なりとも押さえ込んできた人たち」の消費欲求が解放されたのかもしれません。

◇ 代替食品であるところのコメとパンと麺類が、穀類全体の支出金額に対してそれぞれ占める比率を見ると、2008年ではコメが37.8%、パンが34.2%、そして麺類が21.8%、残りの6.2%は餅などその他穀類、2009年では、コメが36.7%、パンが34.9%、そして麺類が22.2%、残りの6.2%は餅などその他穀類となっています。現在の各家庭の食事を穀類を中心に乱暴に眺めると、朝はパン、お昼は麺類、夜はお米のご飯、途中おなかがすいたらお餅といった流れで住み分けされているようです。穀物自給率を確実に高める方法のひとつはお米をもっと食べることですが、晩御飯にもう一膳はなかなかにつらいので、お昼や朝にご飯を食べる回数を増やすことがとっかかりにはよさそうです。「ご飯」は安い食べものです。

ところで、日本の家庭が2009年に一番お金を使った「魚」と「野菜」と「果物」はいったい何かに好奇心がわくのでそれを確かめることにしました。上位4~5位はそれぞれ以下のようになりましたが(順位は左から右へ)、何かあたりまえのことを確認するだけに終わったようです。

◇ 魚:   まぐろ、さけ、えび、ぶり
◇ 野菜:  トマト、きゅうり、たまねぎ、ねぎ、じゃがいも
◇ 果物:  バナナ、りんご、みかん、いちご

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