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2010年5月

2010年5月31日 (月)

日本酒再発見のその後

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酔っ払うのが目的ならウイスキーや焼酎などの強いお酒が最高のコストパフォーマンスを発揮すると思いますが、味わいと静かな酔いを比較の中心に据える場合には、世界で一番コストパフォーマンスのよいお酒は日本酒だというのが現在の感想です。世界中のお酒を飲み歩いたわけではないので「世界で一番」という表現は不適当ですが、今まで飲んだことのある世界のお酒の中では、どうも、この10年から20年くらいの間に登場してきた日本酒のおいしさが際立っているようです。

お酒という人間の文化のうちで最も古い歴史を持つもののひとつとしては不思議なことですが、稲作の定着とともに生まれたと考えて差し支えない日本酒が21世紀になっても相変わらず進化を続けているようです。僕たちの形而上学的な智恵は、2500年ほど前の「老子」やその少しあとの「荘子」、1500年ほど前の仏教哲学者の「真諦(しんだい)」(「大乗起信論」の訳者ないし著者)、800年近く前の鎌倉初期の「道元」といった先達の霊性・知性からほとんど深まっていませんが、というか、逆にものごとの奥と我々の日常との関係が見えなくなっていますが、日本酒だけが進化しているということは一体にどういうことなのか。お米の隠れた霊性・潜在性を十全に引き出すことに、日本人は今まで長い間遠慮があったのか。それとも、お米そのものも味の進化を続けているのか。

ここ2~3ヶ月は、数種類の銘柄の日本酒以外のお酒はほとんど口にしていません。日本酒以外を飲んでみたいという気分にならないのです。酸化防止剤の入った種類の醸造酒と違って濁ったような酔いもありません。現在僕の気に入っている銘柄からは、雄町の複雑な余韻、山田錦のすっきりした透明さなどが伝わってきます。

好みの日本酒はお酒をとても丁寧に扱っているある地酒専門の小売店から買っていますが、この小売店の値段のつけ方がすばらしい。通常、価格は価値、食べものであればおいしさを反映していますが、これほど小売価格に見事に味を反映させている例を他にはあまり知りません。一升が3,500円のお酒は一升が3,000円のお酒より500円分おいしく、4,000円のお酒は3,000円のお酒より1,000円分味わいが深い。有名、無名は無関係。お米の種類も無関係。消費者に納得できる範囲でできるだけ高価格をつけ、もっとよい日本酒開発のためにその酒蔵にできるだけ多くの利益を還元しているという風に僕の眼には映ります。そういうところにも日本酒の進化の一因があるのかもしれません。

大乗起信論―現代語釈読

大乗起信論―現代語釈読

著者:堀口 東四郎

酒育のススメ

酒育のススメ

著者:魚柄 仁之助

酒育のススメ

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2010年5月28日 (金)

割り箸の産地

かつて北海道は白樺やエゾ松を使った割り箸の一大産地でした。北海道の割り箸は中国物に押されてごく一部を除き壊滅状態で、残ったのは奈良吉野杉の高級品のみ、というのが大雑把な僕の理解ですが、もっと正確に状況を調べてみることにしました。

平成20年の日本での割り箸消費量は227億膳なので、ひとりあたり年間200膳程度を使っていることになります。227億膳のうち輸入品が221億膳(97.4%)、日本製が6億膳(2.6%)で、輸入品の99%が中国製です。国産品の都道府県割合は、奈良県が70%、石川県が15%、北海道が10%、その他5%という状況です(日本林業調査会、林野庁)。ちなみに、北海道のある割り箸製造会社では「白樺」や「しなの木」の間伐材を使って割り箸を製造しており、その年間製造膳数は、会社概要によれば、6900万膳となっています。

国産杉の21cmの元禄箸は店頭価格が1膳あたり5円から9円くらいで、吉野杉の高級な26cmの利休箸の店頭価格は30円から40円、逆に輸入物の元禄箸は2円から3円くらいなので、割り箸の現在の市場サイズは、消費者価格でみると、ざっくりと500億円から600億円。

国産の割り箸は、丸太から建築用材などを切り取ったときにできる端材や残材、間伐材を使ってつくられ、割り箸をつくる目的で伐採される木はありませんが、海外(ほとんど中国)では、木材価格が非常に安いため原木を伐採・加工して割り箸にします。

中国の状況に注目すれば、作った割り箸の需要国(輸出国)は日本なので、その目的で伐採される中国の木がもったいないということになりますが、日本の状況を観察すれば、割り箸にでもしないと処分に困る廃材部分や間伐材を割り箸や合板などとして利用しているのですが、その利用量が非常に少ないので、その利用量の少ない状態を継続する方が、日本の木や木材の資源循環という観点からは、もっともったいないということになります。だから、僕は、自分の箸を持ち歩いて例えば外食時に割り箸を使わないという意味での「マイ箸」という考えには与(くみ)しません。

国産品の割り箸と輸入品では値段の差がありますが、消費者が野菜などについて「地産地消」を好むのであれば、木の端材や残材、間伐材からの産物である割り箸についても、同じように、「地産地消」を選ぶ方が考え方に矛盾がありません。

山林や森林保護のためには間伐という作業が不可欠ですが、その作業のための費用が割り箸などの売り上げから資金循環していくことを考えるとそのためにも、国産割り箸の使用・買い支えといった行為が必要だと思っています。そうなれば、中国からの割り箸の輸入は大幅に減少し、したがってそのための中国での原木伐採も大幅に縮小します。平成元年、つまり20年ほど前には、国産割り箸の占める割合は47.5%もありました。

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2010年5月27日 (木)

間伐材の割り箸

陽気のよい休日の夕方などは散歩をすると気持ちがいいので、スニーカーを履いて配偶者とぶらぶらと1時間半ほど歩きますが、途中でスーパーマーケットなどがあると気まぐれに立ち寄ってみることもあります。

この前の日曜の夕方にもぶらぶら歩きをしましたが、お弁当用の割り箸のストックが底をつきかけ始めていたので、途中の適当なスーパーに適当な袋入りの割り箸があれば40膳ほど買い求めるつもりです。我が家では自宅の外に自分専用の箸を持って出るなどといった習慣はなく、外で食べるお弁当などに使う箸は、国内産の間伐材を使った安い割り箸と決めてあります。

その夕方に立ち寄ったスーパーで、お弁当向きの21cm強の長さの元禄箸を売っていたので20膳セットを2つ買い求めました。国内産の杉の間伐材を利用した割り箸です。自宅でうどんやそばやラーメンを食べる場合には、使い捨てにはしないので、柾目の吉野杉を使った26cmの利休箸のお世話になります。

植物でも樹木でも、とくに人間の手が最初から入ったものは、間引きや間伐という作業をしてやらないと植物や樹木の集合体である山林は元気がなくなりそのうち荒廃してしまうので、どうしても間引きや間伐という作業が必要です。樹木の場合はその作業で出てくる副産物が間伐材で、それを利用して割り箸が作られます。間伐材の売上で得られた利益が間伐作業の費用に充当されます。だから、我が家では国内産間伐材を使った使い捨ての割り箸をお弁当などには好んで使っています。

我が家でも元禄箸と利休箸の両方を使っていますが、割り箸にも種類があって「ハレの箸」と「ケの箸」に分かれているようです。お祭りとかお祝いといった特別の日が「ハレの日」でそのときに使う割り箸が「ハレの箸」、それ以外の普段の日が「ケの日」で日常向けの割り箸が「ケの箸」。両者には形の差があって、「ハレの箸」は神様と人(ヒト)が同じ箸を使うので利休箸のように両端が細い両口に、「ケの箸」とは人しか使わないので元禄箸のように片方だけが細い片口になっています。

配偶者と年に2回ほど札幌ドームに自家製の太巻きや細巻きのお弁当を持って応援に出かけますが、年に2回の「ハレの日」にもかかわらず、その巻き寿司は「ケの箸」であるところの片口の元禄箸を使って食べるという不思議を我が家では演じています。

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2010年5月26日 (水)

露地と路地

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露地もの・ハウスものという区分があり、寒い地域でのハウス栽培というのは当然の手段ですが、季節変動はあるにせよ、野菜のもともとの旬の時期以外にも最近は結構な需要があるので、そうした需要に見合う生産量を確保するためには両方が必要なのでしょう。ただ、一人の野菜消費者としては露地ものが好きで、理由は、そういうふうに育てられた野菜にはその味わいに土と太陽が感じられるからだ、ということに尽きると思います。今年は季節外れの寒さが5月なかばまで続いたので、露地もの野菜の生育状態が気になります。

露地とは「屋根などのおおいがなく、露出した地面。『露地栽培』」(広辞苑)という意味ですが、同じ発音で路地という別の言葉があり、主に「人家の間の狭い通路」(広辞苑)という意味で用いられます。だから、路地裏とは「路地の中。表通りに面していない所。」(広辞苑)ということになります。(実際には露地と路地はどちらを使っても大丈夫のようですが、僕の中では両者の指し示すものは違っています。)

したがって、ロジものと聞くと、露地の土と太陽とわたる風の匂いだけでなく、同時に薄暗いせまい通路のイメージが湧いてきます。ただ、歴史のある街の路地裏を歩いていると、そこには花が咲いていたり、見上げると切り取られた細長い空間から大きな青い空が広がっていたりするので、不思議な解放感も感じられます。

トマトには露地栽培や土を使ったハウス栽培、オランダなどで盛んな土を使わない養液栽培、養液土耕栽培といったその中間的なハイブリッド型があるようです。トマトは光合成に適した環境が必要なので、養液土耕栽培といっても、光のいっぱい入る軒の高いハウスが基本環境になります。

僕の中では、露地栽培のトマトが「屋根などのおおいがなく、露出した地面」としての露地のイメージにつながり、軒高の高いハウスで育てられている養液栽培のトマトの栽培環境は、ハウスの中の狭い一直線の通路の印象もあって、そこに座り込むと、切り取られたしかし高く広がる空を「路地裏」から見上げている光景と重なります。

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2010年5月25日 (火)

アイコと凛々子(りりこ)

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北海道のお米の名前は星や月に関係したものが多いように、日本の種苗メーカーやトマトジュース・メーカーはトマトの名前に男の子や女の子の名前をつけるのがお好きなようです。たとえば「桃太郎」、たとえば「アイコ」。女の子の名前ではありませんが「きれい」を難しく表現した「麗」という漢字を含んだ名前のトマトもあり、「きれい」なのでこれは女の子の名前を好むメーカーが使っています。

配偶者があるトマトジュースのメーカーから消費者抽選というおまけでトマトの苗を送ってもらったのですが、そのトマトの名前が凛々子(りりこ)。

トマトには大雑把な分類だと赤系とピンク系がありますが、赤系はヨーロッパに多く主にソースやピューレやドライトマトなどの加工用で、ピンク系(桃色系)は日本で人気のある種類で主にサラダなどの生食用。「桃太郎」や「麗容」「麗夏」は大き目のピンク系トマトで、「アイコ」は人気が拡大中のミニトマトです。

我が家ではというか、我が配偶者は、晩春から夏にかけて、バジルやローズマリーや紫蘇(しそ)などのハーブ系の植物を育てるのを通例としてきました。当然、食べるため、料理に使うためですが、今年は配偶者の気持ちが変わったらしく、バジルなども気候が夏めくと育て始めるかもしれませんが、現在は、「アイコ」(赤いミニトマト)と「イエローアイコ」(黄色いアイコで甘い)とおまけでもらった「凛々子」の苗が大きめのプランターに3本ずつ植わっています。ただし「凛々子」は加工用(トマトジュース用)なので、パスタのソースにでも使うことを提案してみるつもりです。

本当においしい「アイコ」や「イエローアイコ」は野菜専門の農家のものを買い求めますが、我が家のミニトマトの味もそのおいしさの半分くらいになってくれたらと思っています。

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2010年5月24日 (月)

お米の直播(じかまき)

田植えの季節」という少し前のブログ記事で、札幌の東北近郊にある岩見沢市で開始されたお米の直播(じかまき)のことに触れましたが、北海道では他の地域でも直播の実験が進んでいるようです。お米の直播(じかまき)は、正確には「水稲直播」(すいとうちょくはん)とむつかしく読むようです。

水稲の種を乾いた田んぼに蒔いてあとで水を引き入れるのを「乾田(かんでん)直播」、水田に種を直接蒔きあとで苗の様子を見て水を足すのを「湛水(たんすい)直播」といいますが、岩見沢で行われていたのは乾田直播でした。

札幌の東北に位置し、岩見沢よりは西よりに新篠津(しんしのつ)という村があります。そこでは無農薬野菜や低農薬野菜を栽培する農家も多く、そうした野菜が札幌のデパートやスーパーの無農薬野菜コーナーによく並べられています。新篠津村では「大地の星」というチャーハンやピラフ、冷凍米飯など加工食品に向いた粘り気の少ないお米を対象に、乾田直播と湛水直播の両方の実証試験・実証栽培に取り組んでいます。

函館のすぐ北側に北斗(ほくと)市というところがありますが、ここでは「ななつぼし」というふっくらとした食感と粘りを持つ低タンパクのお米が対象で、ここでの実証試験方式は湛水直播です。

北海道のお米の名前(ブランド)のつけ方には特徴があって、多くが星と月に関連しています。北海道のお米は、モノの本によるとかつて「ネコまたぎ」(ネコが食べずにまたいで行ってしまう)といわれていたそうですが、北海道のお米もおいしいではないかという評価のきっかけになったのが「きらら397」、そのあとに続いたのが「ほしのゆめ」と「ななつぼし」、ピラフやチャーハンなど業務用・加工食品用で重宝されている「大地の星」、最近の良食味米として評判の「おぼろづき」、それから、今後、「新潟コシヒカリ」に匹敵するおいしさで日本のお米をリードしていくことが期待されている「ゆめぴりか」などです(ただし、「ゆめぴりか」という名前は、「ゆめ(夢)」とアイヌ語で美しいを意味する「ピリカ」をあわせてつくられた名前だそうです。)

例外もあって、たとえば北海道の南の地域で栽培されている良食味米は「ふっくりんこ」、新十津川(しんとつがわ)という札幌と旭川の中間あたりの地域で育てられている日本酒用のお米は「吟風(ぎんぷう)」といった具合です。北海道では、「川」のつく地域が、たいていはお米の生産地です。

僕はまだ「吟風」を使った日本酒を飲んだことがありませんが、僕のお気に入りのひとつが山形県(酒田)の酒屋が醸している雄町の純米吟醸で、そこが吟風をつかった強めに香る日本酒を造っているそうなので、機会があれば冷で味わってみたいと思っています。

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2010年5月21日 (金)

いちごとケーキ

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いちごを使ったケーキはあいかわらず人気が高いみたいで、たいていはすり抜けていく通路としてしか認識しないデパートなどの洋菓子売り場でも、いちごを載せたケーキが否応なく目につきます。中には、おいおいと思うくらいの数のいちごが飾られた種類のケーキもあって、それは多分そういうものに対する強い需要があってのことだと思われますが、しかしそうなると、お菓子の景色が僕には上品さの反対側の趣になってしまうように感じられます。

3年ほど前の2007年3月にNHKが実施した「日本人の好きなもの調査」(全国の16歳以上の国民3600人が対象)によれば、日本人の圧倒的に好きな果物は「いちご」だそうです(75%の老若男女がいちごが好き、という結果)。

もう10年近く前になりますが、北海道ではない場所で、農業従事者と非農業従事者がたまたま一緒に集まる機会がありました。和の食事があり、デザートにいちごが出たのですが、非農業従事者は迷うことなくいちごを食べましたが、農業従事者は一人の例外もなくいちごには手をつけませんでした。僕はそれほどいちごに執着がないので、食べる前に、その違いに気がついたのですが、「やはり」「なるほど」「さすがに」といったあいまいな感嘆詞の集まりが頭の中を通過していくのを感じながら、供されたいちごを食べた記憶があります。その光景は結構強い印象として残り、それ以降は珍しい大きないちごに出会った際の気まぐれなボーケン行為として以外にはいちごを食べていません。最近のいちごがどういう方法で見目麗(うるわ)しく育てられているのか知りませんが、いちごが好きというわけでもないので、野菜やお米とは違って特には気にしていません。

お世話になった専門職の女性にはクッキーを差し上げることが多いのですが、その創作クッキーを作っている近所の洋菓子屋さんにも、定番商品としていちごを使った大人向きの色合いのドルチェも置いてあります。いちごとそのドルチェデザイナーにとっては無念でしょうが、僕の関心はいちごのお菓子には向かわないみたいです。

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2010年5月20日 (木)

女性へのお礼にクッキー

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配偶者が作るリンゴやユズやハスカップなど季節の果物を使ったパイや草もちのような季節の和菓子、そして時折のパウンドケーキや知り合いからときどきいただく懐かしい味のかりんとう以外には、甘いものやお菓子類を食べることがほとんどないので、甘いものについては語彙も少ないし観察も冷ややかになります。

日本三大がっかりというのがあって、札幌の時計台もどうもそのひとつのようですが、その見解に特に反対する理由はありません。かつて2度目の札幌出張の折に、初めて札幌の時計台のそばを歩く機会があったのですが、「なるほど、これがアレですか」という感想以上のものはありませんでした。隣や周囲に背の高いビルがあり、足早に歩いていると、ついその存在を見逃してしまうような白い木造の建物です。

配偶者が一度見てみたいというので所用のついでにそこに一緒に行ってみました。「大通り」にできたばかりの高い大きな建物の1階部分にあるスウィーツの新しい人気スポットだそうです。札幌はスウィーツ・プロモーションに力を入れていますが、甘いものにさして興味のない僕には、そこはお菓子やケーキやその他の甘いもののいくつかの売り場に取り囲まれた明るい簡易喫茶店以上の存在ではありませんでした。そこでお金と時間を費やすなどということは考えられません。しかし、おおぜいの熟年女性や若い女性で混雑していましたし、隅の方ではスーツ姿の中年男性客も見かけたので、甘いものが好きな方にとっては楽しいところなのでしょう。

自分のためではなく、おみやげやお礼に甘いものを買い求めることはあります。近所にオリジナルのケーキやクッキーを創作・製造・販売している小さな洋菓子屋さんがあり、雰囲気がよさそうなので少量だけ買い求めてどういう味かを一応自分の舌で確かめてあります。オーナーとおぼしき女性の菓子職人が売り場からガラスを通して見える作業場でスイーツ類を制作・製造しています。売り場担当は若い女性です。

お世話になった女性専門職や専門的な職業に従事している女性には、お礼としてもっぱらこのお店のクッキーの詰め合わせを差し上げることにしています。「とてもおいしいクッキーです。どうぞ。」

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2010年5月19日 (水)

有機中濃ソース

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野菜や果実などのジュースやピューレに食塩、砂糖、酢、香辛料を加えて作った液体調味料のことをウスターソースと呼んでおり、ウスターソースはもともとは19世紀のイギリスで生まれたようですが、僕たちの回りでよくみられる市販のソースは、ラーメンと同じで、すでに日本の調味料になっています。

その日本のソースは、ねばねばの度合いによって、さらっとしたウスターソース、中濃(ちゅうのう)ソース、濃厚ソースと分かれおり、ソース専業メーカーの商品案内などを見ると、濃厚ソースは、とんかつ用、お好み焼き用、たこ焼き用、焼きそば用、もんじゃ焼き用などと用途別にさらに細かく分かれています。

我が家では、少し前からうどんは自分で作り始め、何回かやっているとうどんもそれなりの姿かたちに整ってきます。国産の中力粉を家庭用のパン焼き器にこねさせ、パスタ用に買ってあった大き目の麺棒で伸ばし、軽くたたんで、適度な太さと長さに切りそろえるとうどんの出来上がり。当初は姿かたちが焼きうどんにしか向いていなかったのですが、今ではわずかですが洗練の度が増したので、焼きうどんでも、出汁(だし)に気をつかった汁うどんでも大丈夫です。

焼きうどんの場合には、たっぷりの野菜と、それからいわゆるソース味がほしい場合には、四国(徳島)生まれの「有機中濃ソース」を使います。ラベルに「職人の夢、こんなソースが造りたかった」とあり、その隣の説明は「砂糖は使用せず、有機野菜・果実を原材料の約90%贅沢に使用し、野菜・果実の甘みを引き出した有機中濃ソースです。」となっています。原材料名欄に記載されているのは「有機野菜・果実(りんご、にんじん、トマト、その他)、有機醸造酢(リンゴ酢)、食塩、香辛料、有機醤油(大豆、小麦を含む)、コンニャク粉、しいたけ、麦芽水飴」。

こういうものには、ためらうことなくプレミアム価格を支払います。

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2010年5月18日 (火)

農業保護率指標について

交渉を有利に進める重要な要素のひとつがルール作りですが、国際交渉の場合、自国に都合のよいルールを設定できたら、なかば勝ったようなものです。僕たちに身近なところではスポーツの世界でそういうことがしばしば起こりますし、ITの世界でよく見られるデファクトスタンダード(シェアの大きさによる実質的な標準化)も、いわば、その親類です。

多くの人にとって心地よい表層の動きの底で別の実利的な活動が進行することがよくあります。あるいは別の実利的な活動を推進するための手段として表層のもっともらしい動きを作り出しているのかもしれません。たとえば、温暖化抑制・二酸化炭素削減、クリーンなエネルギーという動きの底に原子力発電ビジネス関連の利害が当初から潜んでいたり、核兵器縮減という大向こうをうならす演説やそれに関連した動きや交渉の実質的な狙いが、核超大国への核兵器の集中(これを現代版の「刀狩り」と呼んでもいいと思いますが)と古くなった不良核兵器在庫の処分であったりします。

農業保護率(PSE%: Agricultural Producer Support Estimate %、そのまま訳せば農産物生産者への支援評価額の比率)というOECDの指標があります。PSEは「農産物の関税や管理価格によってできる内外の農産物価格差に生産量を乗じたもの」と「政府の補助金等の財政支持額」を「合計」したもので、PSE%はその国のPSEをその国の農業総生産額で割ったものです。こういう指標ができた背景は、PSE%の定義に現われていますが、内外の農産物価格差等は、消費者や納税者が農産物生産者に対して余分に払っている値段なので、少ない方がよいというものです。そしてそこからはそういう方向の国際政治圧力が普通は生まれます。

OECD FACTBOOK 2009によれば、2007年のPSE%は、低い国だとオーストラリアが5.5%で米国が9.9%、高い国はノルウェイが53.3%でスイスが49.8%、韓国が59.8%で日本が45.5%、まん中くらいの国(と地域)はカナダやEUで、カナダが15.4%でEU27ヶ国平均が25.7%。OECD平均は22.5%。ちなみにOECDに属していない中国は8.6%、ブラジルが5.0%。

つまり、農産物輸出国の農業保護率は低く、農産物輸入国の農業保護率は高いという関係になっています。農産物輸入国ということは、農産物輸入が農産物輸出よりも多くて消費農産物の無視できない割合を輸入にたよっているということなので、別の言葉を使えば食料自給率や穀物自給率の低い国ということになります。対象が食べものという生活に直結する農産物なのでそういう相関関係でいいと僕は思っていますが、農産物輸出国であるEUの比率が妙に高いのが気になりますし、それ以外の国の中にも、政府の補助金等の財政支持額が意識的に複雑な制度の運用で透明でない国もあり、そういう国ではPSE% が実態よりも低くなっているようです。

それから、僕は日本の45.5%という数字が高く出すぎているのではないかと思っています。日本の場合、農産物の「関税や管理価格によってできる内外価格差」(ある農産物の国内価格と、それと同等あるいは同質的な外国の農産物の価格との差)がPSE%の90%を占めるとされていますが、内外価格差は別に関税や管理価格だけでできるわけではありません。それ以外の要因も働きます。

無農薬栽培の農産物はそうでない(慣行栽培の)農産物より高いのはあたりまえだし、おいしい野菜は普通の味の野菜より値段が高いのもあたりまえ、魚沼産のコシヒカリが一般のその他の地域の一般国内米よりも高いのも当然と認識されています。この価格差を付加価値に対するプレミアム価格といいますが、そういうものを好む消費者は躊躇なく追加分の価格(プレミアム価格)を支払います。それと同じことが国産農産物と輸入農産物にも当てはまります。

味がよく安全・安心な国産農産物に対して50%や100%のプレミアム価格を支払う消費者は珍しくありません。100円の輸入品に対して150円~200円の国産農産物、250円の輸入品に対して375円~500円の国内物。しかし、すべての国産農産物がそういうものでもないし、またすべての日本の消費者がそういう消費行動をとるわけでもありません。ここでは、控えめな数字を援用します。

「福岡市民の食生活に関するアンケート」(福岡都市科学研究所、2003年)における「農産物消費者の4分類」を付加価値に対してお金を払うかどうかという切り口で2分すると、

【農産物の付加価値に対してお金を払う層】
【A】 農業の価値がわかり、その付加価値に対してお金を支払う消費者層
【B】 食の安全性に強い関心を持ち、安全性に対してお金を支払う消費者層

【農産物の付加価値にはお金を払わない層】
【C】食べ物に関する意識と行動が分離している消費者層、あるいは実際には価格以外は無関心な消費者層(アンケート調査などでは「食の安全が一番」「地産地消が大切」と答えるが、実際の消費行動ではスーパーの外国産特売品に飛びつく層)
【D】食に対してまったく無関心な消費者層

となり【A】と【B】の比率がそれぞれ5.4%と16.5%で合計21.9%なので、21.9%の消費者は、農産物の付加価値によってできた内外価格差には喜んでお金を払う、つまりこの価格差は関税や管理価格とは無関係と考えると、45.5%の90%(内外価格差影響分)である40.95%を21.9%分割り引いて考えた方が適正数字だとことになります。40.95%*0.219は8.97%、それを45.5%から引くと36.5%。9ポイント分、日本の農業保護率は低くなり、それなりにEUに接近します。OECDはこういうパラメーターも国別に取り入れたらどうかと思いますが、統計に恣意が働く世界でもあるので難しいかもしれません。

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2010年5月17日 (月)

とても甘い梅干し

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梅干しの入ったおにぎりを海苔で巻いたのが好きで、時間に押されてバタバタすることがわかっている翌朝の朝ごはんや、旅行初日の便待ちを利用したお昼ご飯などには、梅干しのおにぎりを配偶者に用意してもらいます。朝ごはんの場合には曲げわっぱに入れて痛まないようにしますが、旅のおにぎりはあとの片付けも楽なので竹の皮に包んだのを持って出ます。

紀州の南高梅(なんこうばい)を使った高級梅干しを、さるところからいただきました。「塩分約6%の梅干しです」とラベルに書いてあります。梅干しなどの塩漬けの塩分量は普通は15%くらいですが、減塩ものは、伝統的な保存方式が必要とする量の塩を使わないということなので、商品の保存のために、それが梅干しなのかイカやカツオの塩辛(しおから)なのかは別にして、あまりやってほしくない種類の加工と味付けをたいていはしてあるので、食欲が湧いてきません。しかし、いただきものなので失礼にならないように一粒は味わうつもりです。

裏面を見ると名称欄は正直に「梅干し」ではなく「調理梅干し」となっており、原材料名欄には「梅と紫蘇(しそ)と塩」以外に、さまざまなものが記載されています。容器から大きな一粒を小皿に取り出すと様子が少し水っぽい感じで、その大きな梅干しの赤い果肉を少し齧り口に含んで噛んでみると、甘くてほとんど梅のシロップ漬けです。いただいた方には申し訳ないですが、残りは、といってもほとんど全部ですが、そのままゴミ箱に向かうことになります。

甘い梅干しというのは、本来塩辛い梅干しが甘いということなのでまったくもって自家撞着なのですが、そういう自家撞着を減塩という名目で日常生活に持ち込んでいると、そのうち生来の味覚を確実に失ってしまうと思われます。僕はミネラルをたくさん含んだおいしい塩が好きで、塩辛いものはそれなりに食べる量の調整をすればいいので、だから僕には減塩加工品ということの存在意義がよくわかりません。

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2010年5月14日 (金)

ひと口サイズ、食べきりサイズ

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独身か結婚しているかは関係なさそうですが、女性の間で強いニーズのひとつに、お菓子やケーキはすこしずつたくさんの種類を食べたいので、何種類かを連続して食べたとしても決して食べ残すことのない程度の個別のパッケージ量がのぞましいというのがあります。多品種少量消費、多品種ひとり分消費ということですが、多品種に重みがかかるとたくさんの種類を買いすぎて結局は全部を食べきれずに過剰在庫が出るのではないかと心配になります。しかし、甘いものに対しては女性の胃はとても柔軟に対応するのかもしれません。

食べきりサイズというニーズに対応するために野菜売り場でも大根半分とかキャベツ4分の1とかカボチャ4分の1とかのカット野菜をよく見かけますが、そういう完成品を切り分けたものでなく完成品そのもののサイズが小さい野菜が最近は人気を博しているようです。たとえばミニトマトやミディトマト、あるいは手のひらサイズの坊ちゃんカボチャ。味も通常サイズのものと違った特徴を持っていますが(たとえば、イエローアイコという黄色いミニトマトは甘く、坊ちゃんカボチャはホクホクしていて栗やさつまいもの味わい)、ひと口サイズ・食べきりサイズといったニーズに合っているのでしょう。ミニトマトなら切らずにそのままでサラダの一部にできるし、お弁当のおかずのすきまを埋められるし、普通サイズのカボチャは普通の包丁で2つに割ろうとすれば「このやろう」といった覚悟をもって臨む必要がありますが、坊ちゃんカボチャならまるごと調理が可能です。

ひと口サイズや食べきりサイズの小型野菜や惣菜などは、素材を食べる量に応じて切り分けたり、素材を無駄にしないために食べきれない部分を別に調理して貯蔵するといったことが必要ないので、時間のない結婚前の一人暮らしや結婚後の一人暮らし、歳をとってからの一人暮らしには便利だと思いますが、そういう環境とは縁のない普通の主婦のなかには全く違った目的で惣菜の類(たぐい)を利用している人たちもいらっしゃるようです。

60歳前後とおぼしき女性が数人、僕の後ろの席で、会話をしています。聞くともなく聞いていると、「私は、お魚のぬるぬるが嫌いで、まるものは絶対に買わないし、出来合いのお刺身もさわるのがいやなので、トレーのまま食卓に出すわ。」「私は魚は平気だけれど、お肉のべとべとが苦手。自分では生肉の料理はしない。」20歳代前半の女の子の会話ではありません。後期熟年女性の会話です。うーんとうなって、世界の広さに改めて気付きました。彼女らがいる限りおそらく惣菜市場は安泰でしょうし、彼女らが一人暮らしを始めたら、ひと口サイズ・食べきりサイズの惣菜市場はさらに活況を呈することでしょう。

もっとも、仮に鮭がまるごと2~3尾どこからかから自宅に送られてきたとしたら、僕もその扱いに右往左往するに違いないので、そういう点では彼女たちと同じようなものかもしれませんが。

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2010年5月13日 (木)

お米のおいしさ度

日本のお米はおいしいですが、それでも非常においしいお米とそうでないお米があるのは致し方ないことです。コシヒカリは各地で栽培されていますが、同じコシヒカリでも産地によっておいしさにそれなりの開きがあります。これは実際に家庭で炊いて食べたらわかることですが、炊いたご飯の食べ較べを組織的にやっている機関(日本穀物検定協会)があり、その結果は毎年「米の食味ランキング」として「特A、A、A’、B、B’」の5段階評価で公表されています。

「米の食味ランキング」は、「炊飯した白飯を実際に試食して評価する食味官能試験」(当協会ホームページより)ですが、「食味値」(しょくみち)という数値化された指標でお米のおいしさの度合いを表示する方法もあります。これは「アミロース」「タンパク質」「水分」「脂肪の酸化度」という4つのお米の成分の含有量に基づきお米のおいしさを計算するもので、満点は100点です。日本産のお米は標準値が60~65点ですが、点数が70点以上だと70~80%の人がおいしいと認めるそうです。おいしいと評判のお米は80点台から90点台前半。点数のいいものがそうでないものよりもおいしいというおおまかな比例関係は見られますが、88点と91点はどちらがおいしいかは食べてみないとわからない。

市場(店頭)価格はそうした点数以上にシビアで、味わいそのものは当然ですがお米の品種やそのお米がどこで栽培されたのかという産地のブランド力も価格形成に影響するので、食味値91点のお米の値段が88点のお米の値段の3分の2に達しないといった事態も実際に生じます。

おおざっぱにまとめると、アミロース含有量が少ないほど粘りがあっておいしく、またタンパク質が少ないお米は吸水がよいので炊き上がりがふっくらとしておいしくなります。つまり僕たち好みの白いご飯というわけです。たとえば、コシヒカリを目標に全国的なシェアの確保をめざして力を入れている「ゆめぴりか」という北海道産のお米の新品種がありますが、その品質管理基準のひとつがタンパク質含有量で、それがある基準値(%)以下でないものはブランド構築のために「ゆめぴりか」であっても「ゆめぴりか」とは認定されません。それから、純米吟醸の日本酒ではありませんが、お米も家庭で低温貯蔵した方がおいしさが保たれるようです。

もっともこのおいしさは、ふっくらとほかほかした粘りのあるジャポニカ米の好きな日本人にとってのおいしさなので、細長いパサパサしたインディカ米をおいしいと感じる他の国の人たちは別のお米のおいしさの基準を持っています。短粒種のジャポニカ米も長粒種のインディカ米も同じコメ(Rice)という名称を持っているので、両者を同質的な財と考えて日本のコメの国際価格競争力のなさを論じる方もいますが、マーケティング的な競合分析の観点からそれぞれ違った顧客層を持った別々の商品と考えると違った競争力の光景が見えてきます。

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2010年5月12日 (水)

魚の惣菜(そうざい)や味付けの切り身

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最近、といっても半年くらい前からだと思いますが、地元(北海道)のコンビニチェーンが盛んに100円惣菜(そうざい)のテレビコマーシャルを流しており、初老の男性が、サバの塩焼きなどの2~3種類の100円惣菜を肴に焼酎を飲むという場面などがよく現われます。

日本経済新聞の消費面に、「味付けがされ焼くだけでいい魚や、煮魚などの魚総菜の人気が(スーパーやコンビニで)高まっている」という趣旨の記事があり、取材場所は横浜や立川(東京都)など首都圏が中心ですが、主婦にも独身男性にも人気の秘密は、生の魚と違って調理が簡単で食べきりサイズだということと、生の魚よりも値段が安いということにあるようです。「漬け魚は1枚100円程度で1枚単位で買える」し、加工品だと値段の安い大きさが不ぞろいな端物(はもの)の魚を利用できるし、安い時期に多く仕入れるといった需給調整も可能なので、生ものよりも価格を安く設定できるそうです。

端物は一般流通での取り扱いがむつかしいのは野菜も同じで、だからバラバラサイズのおいしい、しかし相対的に値段の安い野菜に関して、気のきいた消費者や食べもの屋と気のきいた野菜の生産者は直接売買といった種類のコラボレーションをすることになります。

記事の中にも、サバの塩焼きが105円、シシャモ焼き(5尾)が248円、とありますが、コンビニではどんな魚の切り身が並んでいるのかその種類、魚は国産物か輸入物か、などに興味が湧き、札幌駅から徒歩10分くらいまでのナショナルブランドとローカルブランドのコンビニを何軒かのぞいて見ることにしました。

海の魚は別に国境や国籍を意識して泳ぎ回っているわけではないので、水揚げされた漁港がその魚の産地ということになっていますが、食べものの自給率を意識するとやはり国産物の方が望ましい。ただ、北海道に住んでいると、たとえば鵡川(むかわ)や釧路で獲れる道産シシャモというのは漁獲量も漁期も限られ値段も高いということがよくわかるので、安い価格で全国流通しているシシャモはまずアラスカやカナダからの輸入物(アラスカシシャモ)だと思われます。そういうこともあって、念のためコンビニで棚に並んでいる魚の切り身などの生産地を、それが表示してあるかどうかわかりませんが、調べてみるかというわけです。

ガラスの両開きドアを開けたのは3種類のナショナルブランドのコンビニが3店、ローカルブランドが1店。スーパーでなくコンビニだったせいか、味付け魚の切り身はどこにもおいてありません。しかし、魚惣菜は、とくにローカルコンビニでは豊富にそろっていて、サバ(塩焼きと竜田揚げ)に始まり、北海道らしく、サンマ、ニシン、シシャモ、タコ、コマイ(タラの一種)などの100円の塩焼きや煮つけが、100円の各種サラダや漬物といっしょに並んでいました。シシャモの塩焼きに関してはさすが北海道で、材料欄には「アラスカシシャモ」と輸入物であることを明記してあります。しかし、サバに関してはどこのものかはわかりません。そのローカルコンビニでは生野菜を小口で並べてある棚もあり、こうなると魚の味付け切り身もまもなくかなと思わせます。早めの夕方に入ったのですが、お年をめしたご婦人の姿もちらほら目につきました。

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2010年5月11日 (火)

食のアンケートとその解釈

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アンケートというのはたいていそういう傾向を示すと思いますが、その傾向とはとくに家庭での食べ物や食事に関する一般的な調査の場合に顕著な様子です。そういう傾向とは「たてまえ」や「そうすべき、そうあるべき」と考えていることに丸をつけてしまう心理の傾斜のことです。「べき」に丸をつけるので、答えは当然、「毎日の実態」からは、他者の眼を意識したより格好のいい方向に乖離(かいり)することになります。だから、アンケート結果だけに基づくと意識と実態が奇妙に組み合わさった家庭像が浮かび上がることもありそうです。

ベテラン調査専門家の意見に耳を傾けると、「生活者がアンケートやインタビューに回答する『言っていること』と実際に生活場面で『やっていること』との間には無視できないほどの乖離があり、それが年々大きくなってきているという事実がある。『日頃どうしているか』『どう思っているか』を尋ねたら、『日頃どうすべきだと考えているか』『日頃どうすべきだと思っているか』の建前を回答されてしまうと考えた方がいいだろう。」(岩村暢子著「変わる家族 変わる食卓」)。

あるいは「私たちは1週間(食卓調査の)データをとるが、前半3日目くらいまでは、眉に唾しながら見る。なぜなら、長年調査をしてきて、1週間の前半と後半では大きな差があることを知っているからだ。同じ主婦の作る食卓とは思えないこともある。」(岩村暢子著「家族の勝手でしょ!」)つまり、1日や2日ではなく1週間続けて調査をすると、調査期間の前半は「べき」料理と「べき」食卓が登場しますが、後半は疲れてきて地が出るので、そこから初めて「日々の実態」を反映した料理と食卓の光景が見えてくるということのようです。

アンケート調査はたいていは一過性、その場限りのことが多いので、「実態」と「たてまえ」が混在し、したがって現実にはない不思議な食卓や家計のプロフィールできあがることも多いと思いますが、定期的に同じ調査を継続する場合は「たてまえ」ないしは「べき」は価値の方向なので定性的な傾向変化は捉えられます。

「-東京近郊の子どもを持つ母親400人に聞く- 食生活の実態と“食”への意識」と題された主婦意識調査報告者が農林中央金庫から発表されています(農林中央金庫ホームページ)。説明に「首都圏の子どもを持つ30~50代の主婦400名を対象に実施した、家庭における「食」の実態・意識調査です」とあり、調査対象が上記の「家族の勝手でしょ!」と地域的にも年齢的にも重なるので興味を持ちました。(当該調査の調査期間は2010年2月~3月で、同じ調査が2003年に最初に実施されているので今回は2回目)

調査内容は「食生活の実態」「“食”に関する意識」「“食育”に関する意識と実態」「“日本の農業”に関する意識と実態」の4つから構成されています。

「実態」に関する質問には正直に回答し、「意識」に関する質問には「たてまえ」「べき」で答えていると考えて、特性のはっきりしている項目や共有度の高い(おおぜいの主婦がそうだと思う)項目を中心に全体を眺めた場合にどんな平均的な主婦像(大雑把に平均年齢40歳台前半)が浮かんでくるか興味があります。こういうやり方は現実をいくぶん戯画化することになりますが、そこはご容赦ください。

◆ 『生鮮食品』や『加工食品』を選ぶときには75%~80%の主婦が『賞味期限・消費期限』を非常に気にしていますが、『生鮮食品』購入時は『原産地』にはそれなりに気をつけているものの(61%の主婦)、価格に対する配慮が高い主婦の方が多く(62%)、『加工食品』購入時にも、『添加物』や『材料の原産地』については価格ほどは気にしていないようです(価格を気にする主婦の割合は51%、添加物と材料の原産地を気にする主婦はそれぞれ43%と36%)(一応「実態」を表しているようですが、こういう項目には「たてまえ」「べき」が当然忍び込みます。どれだけ「たてまえ」「べき」に傾斜しているかはここだけではわかりません。)。

◆ しかし、食に関する「意識」アンケートでは、95%の主婦が『食の安全』に関心があり、食の安全の具体的な側面としては『食品添加物』に84%の方が、『輸入食品』に73%の方が関心を持っています(「意識」「たてまえ」)。

◆ 『だし』や『ドレッシング』など味の基礎部分は市販品を『購入』(「実態」)。そして、自分で作ることの多い料理は『みそ汁』『きんぴらごぼう』『おにぎり』など(「実態」)。つまり『みそ汁』の『だし』はほかの誰かの作った出来合いのものを利用、ということになります。『我が家の味』として自慢できる料理のトップが『餃子』(「実態」)。皮から作っているのでしょうか?僕の家庭でもときどき餃子を作りますが、たいていは水餃子で、海鮮材料と相性がいいのがその理由ですが、どんな種類の『我が家の味』の『餃子』なのか興味が湧きます。

◆ 70%の主婦が、購入して使い切れなかったり食べ残したりして、食材や食品を捨てており(「実態」)、そしてほぼ全員が『もったいない』と感じています(「意識」「たてまえ」)。ある食関係の本に「永久凍土と化した冷凍庫」という一節がありましたが、そういう不良在庫のいっぱい詰まった冷蔵庫の状況を思い浮かべてしまいます。

◆ 『出来合いの惣菜』は80%の人が『すぐ食べられて便利』なので購入すると答えています(「実態」)。これは80%の主婦が『出来合いの惣菜』を買っているということではないのですが、上記の捨てる実態を考慮すると、そう考えてもおかしくないのかもしれません。

◆ 農林水産省の発表する日本の『食料自給率』(カロリーベース)は40%ですが、これを知っている主婦は4人に1人、つまり4人に3人はこのことをよく知らない。しかし、その同じ主婦の多くが、望ましい『食料自給率』として『3分の2くらい』を選択しているのは、こういうことは他でもよく見かけますが、やはり奇妙な光景です。

福岡都市科学研究所の「農産物消費者の4類型」(「福岡市民の食生活に関するアンケート」2003年)によれば、「分裂型消費者層」、つまり「意識と行動が分離しており、アンケート調査等では「食の安全が一番」「地産地消が大切」と答えるが、実際の消費行動ではスーパーの外国産特売品に飛びつく層」が全体の半数以上を占めています。

この調査の第1回目が実施されたのが上記の「4類型」と同じ2003年、それ以降に食の安全に関する国内外の事件があったので、2003年の結果と2010年の結果を比べてみると、安全面重視のシフトが当然見られますが、「言っていること」と「やっていること」との距離はあいかわらず大きいようです。

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2010年5月10日 (月)

巨大な棚田と早乙女(さおとめ)

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田植えの風景のことを考えていたら、連想が二つの違った方向に動きました。違った方向といっても両方とも水田の光景なので、根は同じです。ひとつはアメリカ(米国)の巨大な棚田(たなだ)、もうひとつは日本の早乙女(さおとめ)です。

以前、NHKの「コメを食らう人々」というシリーズ番組のひとつにアメリカでのコメつくりを取り上げたものがあり、その中で記憶に残っているのが、アーカンソー州(アーカンソー州はカリフォルニア州と並ぶアメリカのコメ生産の中心地)での巨大棚田(たなだ)です。大きすぎて、日本やアジアの棚田の光景とは全く違いますが、原理は同じです。

水田はきれいに水平です。そうでないと水は低い方に流れるので水田に水が保てません。我々に写真などでも馴染み深い棚田を思い起こすとわかりますが、小さな水平の田んぼが棚のように、段々状に下に広がりながら重なっています。

そのアーカンソー州の農地は広大で、しかし全体が軽く傾斜しているので、そのままでは水がたまらず水田にはなりません。水平な水田を作るためには巨大な棚田仕立てにする必要があります。手作業で畦(あぜ)など作れないので、ハイテク機器が登場します。レーザー標高計測を利用し、ある機械が(確か6センチメートル単位だったと思いますが)等高線を刻み、そのあとに別の機械が畦をつくっていき、そうすることによって大きな棚田構造ができ上がります。そして、水を棚田とため池との間で循環させます。

北海道(岩見沢)で水稲を乾田に直播き(じかまき)するときには播種機というタイヤで進む乗り物を使っていましたが、アーカンソーの農場では飛行機を使って水田に種を直播きする方法です。

「田植えは女の仕事」といわれ、だから田植えをする女性・田植えに従事する女性を意味する「早乙女」(さおとめ)といった言葉があるのでしょうが、アジアの国々でももっぱら女性が田植えをする写真をよくみかけるので、これはコメ文化圏の元型みたいなものかもしれません。

広い意味での田植え作業は男も女も子供も家族総出の一大イベントで、田植えには「苗を田に植えるという狭義の田植え作業」以外にいろいろな準備作業が含まれますが、例外はそれなりにあるにせよ、準備作業は男や子供の仕事、苗を田に植えるというまさにそのプロセスは女の仕事と理解すると「田植えは女の仕事」ということの意味が腑に落ちます。

昭和20年代~40年代の早乙女やその他の田植え風景の写真や絵が秋田県のホームページで見られます。ご参考まで。

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2010年5月 7日 (金)

田植えの季節

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北海道は、広大な畑のイメージが標準で、美瑛(びえい)のような場所を引き合いに出さずとも、そのイメージはいろいろな場所で確かめられますし、楽しめます。とくに、東北に位置する知床にいたるあたりまでを含んだ北海道の東半分はジャガイモや玉ネギや小麦やビート(てんさい)の主要な産地なので、区画の大きい、機械を使った耕作にむいた畑が一面に広がります。

札幌の東北には石狩川とその支流に沿って「川」や「沢」のつく地名が連なります。「岩見沢」「砂川」「心十津川(しんとつがわ)」「滝川」「深川」「旭川」「上川」。札幌から旭川まで特急列車に乗ると川のつく停車駅の名が多いので最初はびっくりします。「川」や「沢」は「水」なので農産物だと稲作が連想されますが、実際にこの一帯は、北海道のお米の主要生産地となっています。

昨年の5月16日に、知床から、網走と北見と旭川を経由して、札幌までバスに乗る機会がありましたが、網走から北見盆地を抜け、峠を越え、雪の消えない大雪山を左に見ながら、「川」のつく地名をもつ地域に近づくにつれ農作地の雰囲気が徐々に変わってきます。

最初の「川」は上川、次に旭川、深川、滝川、砂川、そして「沢」の岩見沢にいたる一帯には、懐かしいような田園風景が連なっていました。田植え前の、水がはられた状態の田がどこまでも広がっています。田んぼの各区画は比較的小さくて、大雪山を左にしてカーブとは思えないほどとてもゆるやかな左カーブを走っていくバスから目にする光景は、大雪山と富士山を取り替えると、東海道新幹線から見る田園風景を思わせます。茨城県(龍ケ崎市)だと田植え開始は4月の終わり頃、新潟(上越市)だと5月10日あたりが田植えの作業開始日のようなので、茨城や新潟との緯度の差を感じます。

岩見沢から南下して江別に入ると、江別は小麦の産地で、風景はまた畑へと戻ります。

その岩見沢で4月27日にお米(水稲)の直播(じかまき)を開始した農家のことが、あるメディアで紹介されていました。乾田(かんでん:水をはる前の田んぼ)に種もみを直接まくのだそうです。日本の稲作は、普通は苗を育てその苗を、代掻き(しろかき)して水の満ちた田んぼに田植えするというプロセスですが、とくに北海道の一部では、機械化や規模の拡大に対応しやすいため、また将来の田畑輪換(たはたりんかん:水田を、数年単位で水田状態と畑状態とに交互に利用する方法)も視野に入れて、こうした方式を採用しているようです。乾田直播とはいっても水稲なので、苗立ちしたあとで田んぼに水をはって育てます。北海道ではゴールデンウィークの直前から直後までが乾田直播の時期だそうです。

北海道のお米には「きらら397」や「おぼろづき」、新潟産のコシヒカリに匹敵する良食味で将来の全国制覇が期待されている「ゆめぴりか」などいくつかの品種がありますが、この農家の直播対象品種は「大地の星」。「大地の星」は粘り気の少ないパラパラとした性質で、チャーハンやピラフ、冷凍米飯などの加工食品向けのお米です。耐冷性が非常に強く、そして多収。お米の品種特性と乾田直播という生産方式特性が合致しているのでしょう。

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2010年5月 6日 (木)

桜餅(さくらもち)

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すぐ近所にあわただしく咲く桜の樹が2本あります。他の桜よりも4~5日は早く咲き始めるようです。札幌も5月3日からは連続して春の陽気で、昼間の気温はからっとした19度から20度くらい、その時間帯だとシャツの上に綿のベストあたりが適切な服装で、風が心地よく渡っていきます。肌感覚の記憶によると、これはどうも20~30年くらい前の東京の5月上旬の空気です。気のきいた通勤電車の車掌さんが「車内が混雑して来ました。窓を開けて5月の緑の風を入れましょう」と車内放送していたのをふと思い出します。しかし、今の東京は5月にはエアコンが毎日ではありませんが必需品です。

近所のあわただしい桜ですが、ひとつはソメイヨシノやエゾ桜に似た淡いピンクの花を咲かせ、もうひとつは花が小ぶりで色は濃い目のピンク。種類は違うのですが、それぞれの個性なのか、北海道の南端の松前でソメイヨシノの開花が宣言された直後の5月5日の朝には、淡い方が5分咲き、濃い方が3分咲きでした。ということは、札幌では9日から10日あたりに近所を2~3時間かけて散策するといろいろな種類の桜や桃や梅が楽しめるはずです。

桜と米粉といえば、桜餅です。

桜餅には2種類あって、ひとつは桜色のおはぎ風、もうひとつは桜色のクレープ風、ともに塩漬けした桜の葉っぱで包んであります。おはぎ風は、もち米から作られた道明寺粉(どうみょうじこ)というつぶつぶ状の粉を使うのでそういう見かけと食感が楽しめます。クレープ風は米粉ではなく小麦粉(あるいは米粉と小麦粉を混ぜたもの)からできており、クレープ風の食感。僕は、それぞれ1個ずつ食べるが好きですが、配偶者は道明寺の「もちもちつぶつぶ」がお好みのようです。ところで、僕が桜餅でひそかに好きな部分は塩漬けにした桜の葉で、その塩味と香りと葉脈の軽い歯ごたえがたまりません。

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