« 田植えの季節 | トップページ | 食のアンケートとその解釈 »

2010年5月10日 (月)

巨大な棚田と早乙女(さおとめ)

人気ブログランキングへ

田植えの風景のことを考えていたら、連想が二つの違った方向に動きました。違った方向といっても両方とも水田の光景なので、根は同じです。ひとつはアメリカ(米国)の巨大な棚田(たなだ)、もうひとつは日本の早乙女(さおとめ)です。

以前、NHKの「コメを食らう人々」というシリーズ番組のひとつにアメリカでのコメつくりを取り上げたものがあり、その中で記憶に残っているのが、アーカンソー州(アーカンソー州はカリフォルニア州と並ぶアメリカのコメ生産の中心地)での巨大棚田(たなだ)です。大きすぎて、日本やアジアの棚田の光景とは全く違いますが、原理は同じです。

水田はきれいに水平です。そうでないと水は低い方に流れるので水田に水が保てません。我々に写真などでも馴染み深い棚田を思い起こすとわかりますが、小さな水平の田んぼが棚のように、段々状に下に広がりながら重なっています。

そのアーカンソー州の農地は広大で、しかし全体が軽く傾斜しているので、そのままでは水がたまらず水田にはなりません。水平な水田を作るためには巨大な棚田仕立てにする必要があります。手作業で畦(あぜ)など作れないので、ハイテク機器が登場します。レーザー標高計測を利用し、ある機械が(確か6センチメートル単位だったと思いますが)等高線を刻み、そのあとに別の機械が畦をつくっていき、そうすることによって大きな棚田構造ができ上がります。そして、水を棚田とため池との間で循環させます。

北海道(岩見沢)で水稲を乾田に直播き(じかまき)するときには播種機というタイヤで進む乗り物を使っていましたが、アーカンソーの農場では飛行機を使って水田に種を直播きする方法です。

「田植えは女の仕事」といわれ、だから田植えをする女性・田植えに従事する女性を意味する「早乙女」(さおとめ)といった言葉があるのでしょうが、アジアの国々でももっぱら女性が田植えをする写真をよくみかけるので、これはコメ文化圏の元型みたいなものかもしれません。

広い意味での田植え作業は男も女も子供も家族総出の一大イベントで、田植えには「苗を田に植えるという狭義の田植え作業」以外にいろいろな準備作業が含まれますが、例外はそれなりにあるにせよ、準備作業は男や子供の仕事、苗を田に植えるというまさにそのプロセスは女の仕事と理解すると「田植えは女の仕事」ということの意味が腑に落ちます。

昭和20年代~40年代の早乙女やその他の田植え風景の写真や絵が秋田県のホームページで見られます。ご参考まで。

人気ブログランキングへ

|

« 田植えの季節 | トップページ | 食のアンケートとその解釈 »

米と麦」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/34584756

この記事へのトラックバック一覧です: 巨大な棚田と早乙女(さおとめ):

« 田植えの季節 | トップページ | 食のアンケートとその解釈 »