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2010年5月 7日 (金)

田植えの季節

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北海道は、広大な畑のイメージが標準で、美瑛(びえい)のような場所を引き合いに出さずとも、そのイメージはいろいろな場所で確かめられますし、楽しめます。とくに、東北に位置する知床にいたるあたりまでを含んだ北海道の東半分はジャガイモや玉ネギや小麦やビート(てんさい)の主要な産地なので、区画の大きい、機械を使った耕作にむいた畑が一面に広がります。

札幌の東北には石狩川とその支流に沿って「川」や「沢」のつく地名が連なります。「岩見沢」「砂川」「心十津川(しんとつがわ)」「滝川」「深川」「旭川」「上川」。札幌から旭川まで特急列車に乗ると川のつく停車駅の名が多いので最初はびっくりします。「川」や「沢」は「水」なので農産物だと稲作が連想されますが、実際にこの一帯は、北海道のお米の主要生産地となっています。

昨年の5月16日に、知床から、網走と北見と旭川を経由して、札幌までバスに乗る機会がありましたが、網走から北見盆地を抜け、峠を越え、雪の消えない大雪山を左に見ながら、「川」のつく地名をもつ地域に近づくにつれ農作地の雰囲気が徐々に変わってきます。

最初の「川」は上川、次に旭川、深川、滝川、砂川、そして「沢」の岩見沢にいたる一帯には、懐かしいような田園風景が連なっていました。田植え前の、水がはられた状態の田がどこまでも広がっています。田んぼの各区画は比較的小さくて、大雪山を左にしてカーブとは思えないほどとてもゆるやかな左カーブを走っていくバスから目にする光景は、大雪山と富士山を取り替えると、東海道新幹線から見る田園風景を思わせます。茨城県(龍ケ崎市)だと田植え開始は4月の終わり頃、新潟(上越市)だと5月10日あたりが田植えの作業開始日のようなので、茨城や新潟との緯度の差を感じます。

岩見沢から南下して江別に入ると、江別は小麦の産地で、風景はまた畑へと戻ります。

その岩見沢で4月27日にお米(水稲)の直播(じかまき)を開始した農家のことが、あるメディアで紹介されていました。乾田(かんでん:水をはる前の田んぼ)に種もみを直接まくのだそうです。日本の稲作は、普通は苗を育てその苗を、代掻き(しろかき)して水の満ちた田んぼに田植えするというプロセスですが、とくに北海道の一部では、機械化や規模の拡大に対応しやすいため、また将来の田畑輪換(たはたりんかん:水田を、数年単位で水田状態と畑状態とに交互に利用する方法)も視野に入れて、こうした方式を採用しているようです。乾田直播とはいっても水稲なので、苗立ちしたあとで田んぼに水をはって育てます。北海道ではゴールデンウィークの直前から直後までが乾田直播の時期だそうです。

北海道のお米には「きらら397」や「おぼろづき」、新潟産のコシヒカリに匹敵する良食味で将来の全国制覇が期待されている「ゆめぴりか」などいくつかの品種がありますが、この農家の直播対象品種は「大地の星」。「大地の星」は粘り気の少ないパラパラとした性質で、チャーハンやピラフ、冷凍米飯などの加工食品向けのお米です。耐冷性が非常に強く、そして多収。お米の品種特性と乾田直播という生産方式特性が合致しているのでしょう。

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