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2010年5月28日 (金)

割り箸の産地

かつて北海道は白樺やエゾ松を使った割り箸の一大産地でした。北海道の割り箸は中国物に押されてごく一部を除き壊滅状態で、残ったのは奈良吉野杉の高級品のみ、というのが大雑把な僕の理解ですが、もっと正確に状況を調べてみることにしました。

平成20年の日本での割り箸消費量は227億膳なので、ひとりあたり年間200膳程度を使っていることになります。227億膳のうち輸入品が221億膳(97.4%)、日本製が6億膳(2.6%)で、輸入品の99%が中国製です。国産品の都道府県割合は、奈良県が70%、石川県が15%、北海道が10%、その他5%という状況です(日本林業調査会、林野庁)。ちなみに、北海道のある割り箸製造会社では「白樺」や「しなの木」の間伐材を使って割り箸を製造しており、その年間製造膳数は、会社概要によれば、6900万膳となっています。

国産杉の21cmの元禄箸は店頭価格が1膳あたり5円から9円くらいで、吉野杉の高級な26cmの利休箸の店頭価格は30円から40円、逆に輸入物の元禄箸は2円から3円くらいなので、割り箸の現在の市場サイズは、消費者価格でみると、ざっくりと500億円から600億円。

国産の割り箸は、丸太から建築用材などを切り取ったときにできる端材や残材、間伐材を使ってつくられ、割り箸をつくる目的で伐採される木はありませんが、海外(ほとんど中国)では、木材価格が非常に安いため原木を伐採・加工して割り箸にします。

中国の状況に注目すれば、作った割り箸の需要国(輸出国)は日本なので、その目的で伐採される中国の木がもったいないということになりますが、日本の状況を観察すれば、割り箸にでもしないと処分に困る廃材部分や間伐材を割り箸や合板などとして利用しているのですが、その利用量が非常に少ないので、その利用量の少ない状態を継続する方が、日本の木や木材の資源循環という観点からは、もっともったいないということになります。だから、僕は、自分の箸を持ち歩いて例えば外食時に割り箸を使わないという意味での「マイ箸」という考えには与(くみ)しません。

国産品の割り箸と輸入品では値段の差がありますが、消費者が野菜などについて「地産地消」を好むのであれば、木の端材や残材、間伐材からの産物である割り箸についても、同じように、「地産地消」を選ぶ方が考え方に矛盾がありません。

山林や森林保護のためには間伐という作業が不可欠ですが、その作業のための費用が割り箸などの売り上げから資金循環していくことを考えるとそのためにも、国産割り箸の使用・買い支えといった行為が必要だと思っています。そうなれば、中国からの割り箸の輸入は大幅に減少し、したがってそのための中国での原木伐採も大幅に縮小します。平成元年、つまり20年ほど前には、国産割り箸の占める割合は47.5%もありました。

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