2合と2kg (その1)

家庭でのお米の消費量が伸び悩んでいる、というよりお米の消費量がどうも穏やかな減少傾向にあるのは、どちらにするか迷ったときに、お米よりもその代替品(パンやパスタ・うどん・ラーメンなどの小麦加工食品)を消費者が選んでいるからですが、その理由としては、どういう種類の食べものを好むかという食の指向の変化や価格の問題以外に、広い意味での、調理者への利便性の配慮が関係しているように見受けられます。調理者とは、家庭の専業主婦、働いている主婦、独身の働く女性・男性、料理の好きなオトーサンなどです。
陽気のいい日曜の夕方などの散歩の途中で、食品売り場をうろうろするのが割りに好きですが、今回は、なぜお米の需要がフラフラと減っているのかを穀物加工品の価格と調理利便性という二つの「?」を頭の中にふわふわさせながらうろついてみました。
穀物加工食品という表現を使いましたが、対象は穀物からできた食材と穀物素材を加工食品にしたものです。両者の境界線はきっちりとしているわけではなく、日常生活の利用面ではそれなりに重なるところがありますが、ここでいう穀物加工食品とは、お米(白米)、パックご飯、スパゲティー、乾麺、ゆでうどん、生ラーメン、食パン、フランスパンなどをさしています。これらは食べるためには、炊いたりゆでたり電子レンジでチンしたりトースターで焼いたりといった作業が必要ですが、パンのようにそのままムシャムシャと食べられるものもあります。
まず価格ですが、ここでは準備の敷居が低いものだけで比較してみます。それぞれ、おかずを用意したり、出汁(だし)や具の準備や味付けが必要ですが、その準備時間の差によって価格差が影響を受けることはないものとします。
◇ パックご飯(180g~200g)1個: 98円から198円
◇ ゆでうどん(3玉入り): 98円から188円
◇ 生ラーメン(3人前): 118円
◇ 食パン(1斤、6~8枚): 98円から158円
お米は自分で炊くと、適度な大きさの丼一杯のご飯の値段が30円から45円(100gの白米を炊くと210~220gのご飯になる)なので代替品や競合品よりも安いのですが、あとはチンするだけの段階まで調理をすませたお米(パックご飯)は、逆に値段が高い商品になっており、価格競合力に翳りがみられます。
【2合と2kg (その2)に続く】
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