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2010年6月 1日 (火)

「スープ付きの生ラーメン」と「スープ無しの生ラーメン」

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難しげな表現をあえて使えば「訴求する付加価値とそうではない付加価値」を考えるいい材料かもしれません。

札幌に住んでいると北海道小麦を使ったおいしい生ラーメンが簡単に手に入るので、月に1回から2回くらいは休日のお昼ご飯にラーメンを作りますが、野菜をいっぱいいれて、スープは自家製です。うどんは最近は自家製を楽しむようになってきましたが、生ラーメンはもっぱら札幌のある製麺業者のものを贔屓(ひいき)にしています。残念なのは、北海道小麦100%で一番おいしそうな麺は、バラ売りはされておらず、スープと一緒になったパッケージ商品でしか購入できないことです。

札幌から千歳空港へ行く途中にある町があり、首都圏のビジネスマンには梅雨時の本州ではできない6月の爽快なゴルフの記憶が強い場所かもしれませんが、そこの市民グループが規格外で流通に乗らないニンジンを練りこんだラーメンやうどんを販売しているそうです。札幌はラーメン競合地域なのでここの生ラーメンもコシの強さや食感などは基準をしっかりとクリアしているものと考え、一度、味を試してみたいと思いましたが、残念なことに、近くでは麺だけを手に入れるのは難しそうです。

ラーメンは、麺だけだと付加価値というか利益を出しにくいので、スープやタレとパッケージングして高付加価値商品にしますが、そういうことかもしれません。「スープ付きの生ラーメン」と「スープ無しの生ラーメン」の割合は、デパ地下食品売り場やスーパーの生ラーメンコーナーを見渡したときの感じでも、スープ付きが85%~90%、スープ無しが10%~15%なので、大多数の消費者が好むスープ付パッケージに商品を絞ったのでしょう。

ところで、世界即席麺協会(World Instant Noodles Association)という協会が世界のインスタントラーメン(カップ麺を含む)の消費量をまとめていますが、2010年4月発表データだと2009年の世界の即席麺の消費量は915億食、単純に2009年の世界人口(68億3000万人)で割り算をすると、1人あたりの年間消費量は13.4食ということになります。日本の即席麺の消費量は当協会のデータによれば、53億4000万食。全員が即席麺を食べるわけではないので日本人の約半分の5000万人が食べていると考えると、1人あたりの消費量は年間100食強、つまり1週間に2回はインスタントラーメンやカップ麺を食べている勘定になります。即席麺なので当然スープ付、あるいは具入りで味のついたパッケージ化された加工食品です。

麺だけをほしがる一般家庭消費者市場は、ラーメン売り場の商品構成からもわかるように、ニッチです。そのニンジン練りこみラーメンがもともとどんな顧客をターゲットに想定したのかはわかりませんし、商品開発の経緯も、ニンジンのような野菜の入った麺をたとえば野菜嫌いな子ども向けに求める消費者の存在と規模を想定して商品化に進んだのか、それともそこがニンジンの産地で規格外ニンジンの処理に困って札幌近辺だと商品化しやすいうどんやラーメンというものにたまたま行き着いたのか、その違いによって付加価値の出し方も変わってきます。付加価値の出し方を間違えると、ある顧客層にとって「訴求力のある付加価値」も、別の顧客層にとっては「そうではない付加価値」になってしまいます。

その市民グループに電話してみたところ、麺だけというのは人気がなく、売れ筋はスープ付きの方だそうです。

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