« 原木栽培の生シイタケ | トップページ | 昆布は表の砂利庭で天日干し »

2010年7月22日 (木)

牧草地の「だるま落し」

人気ブログランキングへ

お茶の葉を入れる筒というか円筒形の缶の先を少し丸くとんがらせるとサイロの形になります。サイロ(Silo)とは、農産物や家畜の飼料を収蔵するタワー型の倉庫や容器のことで、だんだんと少なくなってきましたが、北海道の牧畜農家でまだ少しは見かけます。下の「だるま落し」の姿はサイロの形にいくぶん似ているかもしれません。

余談ですが情報処理の世界では、サイロという言葉は、サイロは孤立してそびえ立っており窓もないということから、情報が縦割りに管理されて他との情報共有のない世界や会社を指すのに使われていたこともあります。

Photo_3

上の写真は、「手作り民芸工芸品 駿河屋」さまからお借りしました。

 

夏の北海道を走っていると、夏の時期にもよりますが、牧畜地域や麦畑の多い地域で「だるま落し」の段のひとつのような形をしたものがいっぱい、たいていは無造作に、しかし結果としては感心するようなレイアウトで、牧草地や収穫後の麦畑に置かれているのを見かけます。ひとつひとつは厚めに切ったお菓子のバウムクーヘンの一切れといっていいかもしれません。大きさは直径が小柄な女性の背丈くらい。

薄茶色の厚切りバウムクーヘンがそのままばらばらと置かれているところと、白や黒、白と黒の縞模様や黒とグレーの縞模様、ごくまれにうす緑のビニール状のものできれいにラッピングされた「だるま落し」の一段が点在、あるいはそれなりに整理されて並べられているところの2種類の草地や畑地の広がりが目に入ります。

厚切りバウムクーヘンは麦わらを専用の機械で巻き固めたもので「麦わらロール」、難しい用語だと「麦稈(ばっかん)ロール」。用途は牛の寝床の敷物など。一方、白や黒のだるま落しは、同様の機械を使って牧草を短い円筒形に巻いたあと、それをラッピングしたもので「牧草ロール」。サイロという言葉を使って言い換えるとポリエチレンでラップされている(ギュッと包まれている)ので「ラップサイロ」。「サイロ」の目的のひとつは牧草の発酵および貯蔵ですが、「ラップサイロ」はラップ状態にされた牧草がその中で勝手に発酵するのでタワー型サイロの経済的なそして安全な代替案です。つまり、「牧草ロール」は発酵した牧草なので、牛のおいしいエサ(飼料)になります。

北海道の西北部の日本海沿いの一帯や北端の宗谷岬、北の内陸部も牧畜が盛んな地域ですが、とくに日本海沿いや宗谷の牧草地は海のすぐそばに広がっており、海岸線がもっと厳しく切り立った状態だと雨の多い季節のイギリスやスコットランドの牧草地帯と錯覚するかもしれません。そこに白や黒の「牧草ロール」、つまり「だるま落とし」のひとかけらが非調和の調和をおもわせる形で数多く点在していて、見る人にとっては夏の楽しい3次元の抽象絵画です。

人気ブログランキングへ

|

« 原木栽培の生シイタケ | トップページ | 昆布は表の砂利庭で天日干し »

季節と時節」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/35757900

この記事へのトラックバック一覧です: 牧草地の「だるま落し」:

« 原木栽培の生シイタケ | トップページ | 昆布は表の砂利庭で天日干し »