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2010年7月21日 (水)

原木栽培の生シイタケ

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自分の好きなものに対する人気が世間で衰えてきたときに、僕たちは2種類の反応を示すようです。自分の好きなものとは、食べものかもしれないし、小説や美術品かもしれないし、着るものや履くものでも何でも結構です。反応のひとつは、おいしいものやいいものを独り占めできる確率が高くなるのでその傾向を歓迎するというもので、もうひとつは、そうしたおいしいもの、いいものが世の中からなくなって手に入らなくなる可能性があるのでその傾向を厭(いと)うというものです。

2008年から2009年にかけて、生シイタケの消費量が6%増え、この数年間だんだんと増加していた生シイタケの国内生産量もさらに増え(7%増)、同時に中国からの輸入が減ってきたので、2009年の生シイタケの自給率は94%です(消費量が79,684㌧、国内生産量が74,962㌧)。しかし、生産が増えているのは菌床栽培もので、原木栽培の生シイタケの生産量比率は、残念なことに2009年には18.2%と20%を割りこんでしまいました。(林野庁統計より)

残留農薬問題などで中国からの輸入が減った分が国産菌床栽培もので補完されているだけでなく、原木栽培そのものの国内生産量がこの数年少しずつ減って、その分だけ菌床栽培がシェアを伸ばしています。この状況に対する僕の反応は、「いいものが世の中からなくなって手に入らなくなる可能性があるのでその傾向を厭(いと)うというものです」。

菌床栽培と原木栽培の香りや味わいの違いに関してですが、控えめな言い方をすると、菌床栽培ものとは僕の舌はうまくなじめません。控えめでない言い方をすると、菌床栽培ものはおいしいとは思えないのでそんなものにはお金を払わないということになります。原木栽培と記載してあるものの中にも、「本当に?」といった程度のものがあるので、原木栽培なら何でもおいしいとはいえませんが、その違いを納得しようと思ったら、半日ほど天日干しした生しいたけの軸をカットし、短くなった軸の部分を上にした状態 (upside-down) で軸に塩をのせて蒸し焼きにし、じわっとなった傘の内側にスダチかユズをかけて召し上がることをお勧めします。そのとき陶然とした気持ちにしてくれるシイタケとそうでないシイタケがあり、原木ものと菌床ものの差があきらかになります。

このまま原木栽培の生産量が減り続けると困ってしまいますが、生産量シェアは18%程度あるのでまだ大丈夫。高付加価値食材を好む消費者の割合は、10%~20%と考えられるので(「魅力的な農家(その2)」参照)、しばらくして底を打ったらまた生産量が増えるかあるいは横ばいで推移するかもしれません。そう期待しています。

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