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2010年7月 9日 (金)

お米の売れ筋価格が二極化(その2)

お米の売れ筋価格の二極化も進行中です。お米は今年は消費が停滞しており、とくに家庭用の需要が伸び悩んでいる様子です。首都圏とその近隣では、新潟コシヒカリなどの高級ブランド米は固定ファンも多く売れ行きは安定しており、また同時に低価格銘柄の人気も根強い一方、人気薄なのが5kgで2,000円くらいの中価格帯のお米。札幌のスーパーマーケットでも2,100~2,200円前後の5kg袋は棚占有率がいちばん高く各種銘柄がそろっていますが、どうも正規分布のまん中あたりの商品が消費減少の影響をもろに受けていることになります。あるいは、もともと高価格帯選好母集団・中価格帯選好母集団・低価格帯選好母集団と母集団が3つあり、中価格帯母集団にいた顧客の一部が不景気のせいで低価格母集団へと移動をはじめたのかもしれません。

ここで、高価格帯選好母集団とは有機米やブランド産地米や良食味米にプレミアム価格を払うひとたち、中価格帯選好母集団とはお米はおいしさと値段のバランスが取れていたらそれで良いとする人たち、そして低価格帯選考母集団とは国産米であれば味は二の次で値段の安いものに限るという人たちを指しています。

では、高級品ブランド米にお金を使う人たちはどれほどいるのか、少し範囲を広げて一般化すれば、お米を一部とする農産物や食べものには高品質商品・高付加価値商品を求めてお金を使うが、その他の商品は最小機能・一般品質さえあればよくてそれが廉価ならさらに望ましいという人たちはどれほどいるのでしょうか。

ここで「食費は切り詰めるが、ファッションには最もお金をかける」という二極化傾向を持つ人を「着る人」と名づけ、「被服費は切り詰めるが、おいしくて安心な食材には惜しみなくお金を使う」という逆の二極化傾向を持つ人を「食べる人」と名づけてみます。

あるものへの出費を切り詰めるという場合、その方法は(1)「購入商品単価を下げる、つまりより安いものを買う」、(2)「買う量を減らす」、そして(3)「両者の組み合わせ」で、「着るもの」の場合はどの方法も可能ですが、「食べるもの」の場合は、意識的なダイエットのような場合を除き、食べる量の削減は普通は不可能です。

「食べる人」がとりあえずスーツを必要とする職業についている場合は量販店の特売で買った2着のスーツを季節ごとに着まわせば「着るもの」についてはなんとかなります。可処分所得の相当部分を「食べるもの」につぎ込めます。「着る人」が食費を切り詰めようとしてお昼ご飯を「コンビニ弁当」「牛丼」そして「手づくり弁当」と変化させても、食べる量は減りません。「手づくり弁当」のコストを、たとえばより安いお米を使って下げていくか、あるいはお米以外の食材を主食にするか、といったことしか切り詰めの方法はなさそうです。

お米の売れ筋価格が二極化という現象の場合、「お米」を「食べる人」は価格変動や可処分所得変動と関係なくお気に入りのお米を食べ続けるのでこの人たちの数や消費行動に変化はありません。

有機・無農薬米を栽培し、それを家庭やレストランに直接販売しているある農家は「食べる人」ないしは「高価格帯米選好母集団」の割合を自身のビジネス経験から10%と推定しているようです。アンケート結果には一般によそ行きの性格が見られますが、とくに食べもの関連のアンケートは「見栄」と「たてまえ」が跳梁(ちょうりょう)する世界なので信頼できそうなものに依拠すると、「食べる人」の割合はぎゅっと絞り込むと5%、絞込みと程度をすこしゆるやかにすると20%くらいです。食べ物に関しては、その人たちが二極のひとつを安定的に作り、もうひとつの極は、景気の停滞とライフスタイルの変化(たとえば、他の人はどうか知らないが、私は興味のないものにはお金を使わない、など)に応じて高くなったり低くなったりしているようです。

(「お米の売れ筋価格が二極化」の終わり)

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