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2010年8月30日 (月)

穀物自給率がとても低い国の「農産物」輸出(その1)

1ヶ月半ほど前に書かれたある韓国の新聞記事の日本語訳に出会いました(韓国「毎日新聞」)。ちょっと刺激的なタイトルがついています。中の数字は一部を農水省データと照合してみましたが正しそうです。その記事の骨子は、「韓国の農産物輸出が好調で、とうとう2009年に日本の農産物輸出額を超えた。アセアン地域など輸出対象地域が多角化するので今後も輸出見通しは明るい。2012年は100億ドルが目標。とくに韓国産イチゴがシンガポール市場を席捲していて、米国産イチゴはシンガポールから消えつつある。香港・マレーシアなど他の地域も含んだイチゴ輸出は2009年に0.1億ドルに達した。」

その記事による韓国の農産物輸出額と日本の農産物輸出額は2006年から2009年にかけて以下のように推移しています。(単位は米ドル)

      2006年    2007年     2008年   2009年
日本  38.6億ドル→43.8億ドル→49.1億ドル→47.7億ドル
韓国  33.9億ドル→37.6億ドル→45.0億ドル→48.1億ドル

ある日本の経済新聞にもほぼ同じような論調の特集記事の一節がありました。曰く、『(韓国は)自由貿易協定(FTA)の促進を掲げ、農業の保護から輸出強化に戦略を転換した。農産物輸出額(09年)は48億ドル余りと3年間で42%増えた。12年には100億ドルを目指す』。

韓国のなかで農業が今後どう位置づけられようとしているかについて、以前に調べ考えたこと(「古くて新しい農業経済の本(その2)」)との間に少なからぬ違和感があったので、では、韓国や日本が輸出している農産物とはいったいどんなものなのかを確認してみたくなりました。韓国からアジア市場にイチゴが輸出されているように、日本からはリンゴや長芋(ながいも)が台湾などに輸出されています。韓国のイチゴ輸出が0.1億ドルなら残りの48.0億ドル(48.1億ドルマイナス0.1億ドル)はなにか。

「古くて新しい農業経済の本(その2)」から関連部分を一部抜き出してみます。(以下の『・・・』部分)

『その韓国が、農畜産物の輸出競争力の非常に強い米国と2007年4月に、FTA (Free Trade Agreement) の政府間合意に達しましたが、どういう背景でそうなったのかが気になります(現在は、大統領はそれぞれ変わったが、両国とも議会の批准待ちの状態)。韓国は日本よりもはるかに経済の対外依存度・貿易依存度が高く、いくぶん古い教科書風表現を使えば製造業中心のとんがった「加工貿易国」なので、この韓米FTAという方向は、国の将来を製造業(工業)に託して農業を捨てた・犠牲にしたということだと解釈できそうです。「国際分業論」「比較生産費説」の極端な形での採用ともいえます。』

(その2)に続く

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