« お米の価格と都道府県別の需要実績(その1) | トップページ | 梅干しと天気予報 »

2010年8月 6日 (金)

お米の価格と都道府県別の需要実績(その2)

さて、前述のように主食米の需要は金額的にも数量的にも全体としては落ちていますが、これを都道府県別に見ると少し違った光景が、といっても金額ではなく数量的な視点での光景ですが、見えてきます。

「都道府県別の需要実績」(農林水産省)とは、各都道府県で生産された米が、家庭用か業務用かを問わず全国でどれほど量的に食べられているのかを示すもので、全体的には米の需要は落ち込んでいるけれども数量的な売上を伸ばしている生産地もあるということがわかります。デフレの景気後退期で同一カテゴリーのたいていのものが売上を落としている中で、逆に売上を伸ばしている商品やサービスがありますが、そういった現象と似ています。

東京や沖縄でもわずかに米が生産されているので、各都道府県はすべて米の生産地ですが、2009年(平成21年)7月から2010年(平成22年)6月までの1年間の主食米の需要実績は全国で8,095,702トン、1年前の同じ期間の需要実績が8,235,513トンだったので需要量は1.7%減っています。

年間需要実績が20万トン以上の地域は11で、多い順に並べると

新潟、北海道、福島、秋田、茨城、山形、栃木、宮城、千葉、岩手、青森

となります。

各地域は代表的な銘柄米を抱えていますが(例えば新潟だと「魚沼産コシヒカリ」やその他の生産地の「コシヒカリ」、北海道だと「きらら397」や「ななつぼし」、福島だと「会津のコシヒカリ」やその他の生産地の「コシヒカリ」および「ひとめぼれ」、秋田は「あきたこまち」など)、銘柄ごとに結構な価格差(ここでは「その1」で触れた相対取引価格)がついてしまいます。

まず、玄米60kgあたりの値段を以下のように区分してみます。

A+++ :2万円以上
A++   :1万8000円以上、2万円未満 (該当なし)
A+    :1万6000円以上、1万8000円未満
A      :1万5000円以上、1万6000円未満 (該当なし)
B+     :1万4500円以上、1万5000円未満
B      :1万4000円以上、1万4500円未満 (全銘柄平均は1万4120円)
C+    :1万3500円以上、1万4000円未満
C      :1万3000円以上、1万3500円以下
C-    :1万3000円以下(該当なし)

該当なしとは、現在はその価格帯の米が存在しないということで、全体の状況はAクラスは1番と3番がいて2番は不在、あとはBクラスとCクラスで競合中。Aクラスはすべて「新潟県のコシヒカリ」、Cクラスの下の方でかわいそうなのは北海道の「きらら397」と「ななつぼし」、佐賀県の「夢しずく」、青森県の「つがるロマン」など。

以上を表にすると以下のようになります。

  主食米の都道府県別需要実績     (農水省)  
順位 都道府県 2009/07から 2010/06の1年間(単位:t) 2008/07から2009/06の1年間(単位:t) 前年比 (%) 代表的な地元米の価格
1  新潟 602,982 566,010 106.5%  A+++, A+
2  北海道 522,995 583,816 89.6%  C
3  福島 451,301 411,824 109.6%  B+, B, C
4  秋田 445,391 473,064 94.2%  B+
5  茨城 397,884 400,063 99.5%  B
6  山形 363,443 342,852 106.0%  B
7  栃木 337,841 316,686 106.7%  B
8  宮城 340,982 351,989 96.9%  B+, B
9  千葉 320,705 338,763 94.7%  B
10  岩手 272,830 278,347 98.0%  C+, C
11  青森 244,144 286,661 85.2%  C
   ・・・        
   全国 8,095,702 8,235,513 98.3%  

表から読み取れることは、大げさに言えば各地域の米(コメ)戦略ですが、新潟米はあいかわらず「おいしいご飯の好きな人や高級店」に強くて、北海道米は「ともかくたくさんのご飯を食べたい人、チェーン店や業務米飯」に強い。しかし他の地域の良食味米が値下がりしてきたので、北海道米はシェアを落としている。福島米は強いのと弱いのが混在していて、だからスーパーの目玉商品に福島産コシヒカリが登場したりするのでしょう。

<「お米の価格と都道府県別の需要実績」の終わり>

□□□

人気ブログランキングへ

|

« お米の価格と都道府県別の需要実績(その1) | トップページ | 梅干しと天気予報 »

米と麦」カテゴリの記事

経営とマーケティング」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1317632/36037757

この記事へのトラックバック一覧です: お米の価格と都道府県別の需要実績(その2):

« お米の価格と都道府県別の需要実績(その1) | トップページ | 梅干しと天気予報 »