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2010年8月11日 (水)

今年の秋刀魚(さんま)と、佐藤春夫の「秋刀魚の歌」

詩人の佐藤春夫が食べたのがまるまると脂ののった釧路の秋刀魚(さんま)だったら、詩の表現が一部変わったかもしれません。

佐藤春夫の「秋刀魚の歌」という詩の最後の方に「さんま苦いか塩(しょ)っぱいか」という有名な一行があります。

この詩には、結構ややこしい風景が漂います。友人の作家のもとを去った奥さんとその小さな女の子が、離婚したらしい主人公の家で、焼いたサンマに青いみかんを搾って一緒に食べる光景があり、そのあと、その奥さんと女の子がそういう流れだったのか友人の元に戻ってしまい、しかたなく一人で焼きサンマに、青いみかんではなく涙を搾って食べる景色が続きます。で、一人で涙で、「さんま苦いか塩っぱいか」となります。

さて急に、「さんま苦いか塩(しよ)つぱいか」の詩の世界から物理的な世界に移動しますが、「秋刀魚の歌」のサンマは結構スリムなサンマだったかもしれません。2年前は、そういうことはまったく関心の対象外でした。

佐藤春夫は和歌山の方ですから、青いみかんを搾ってサンマを食べるのは「その男がふる里のならひなり」ですが、この詩に登場するサンマはどの辺りで獲れたサンマなのかが最近は気になります。この詩が書かれたのがどこかは調べたらわかるでしょうが、ちょっと面倒なのでその場所は東京ということにします。従って、主人公やその友人の奥さんやその女の子が楽しんだサンマは千葉で獲れたものでしょうか。

我が家の今日の晩御飯のおかずは釧路のサンマです。それなりにまるまるしていますが、夏の北海道の「まるまるサンマ」もおしまいで、サンマの漁場は太平洋側を三陸、千葉、静岡、和歌山へと南下していきます。南下するに連れて「まるまる」サンマが段々と 「スリム」サンマへと変わっていきます。

「秋刀魚の歌」の三人がいっしょに楽しんだのが、釧路の旬のまるまるサンマだったら、詩の一部の表現は少しは変わったでしょうか。

今年は秋刀魚が不漁と聞いていましたが、実際に、対面販売の魚売り場に出向いてみると確かにその通りで、売り場のおばさんも季節の華が少ないので残念そうです。値段も不漁を反映してかちょっとびっくりするようなものになっています。去年なら400円前後の大きさでそれなりに脂ののった感じのものが今年は700円。釧路など北海道の秋刀魚は、今のところ、佐藤春夫に自慢できる状況にはないようです。

2週間ほど前に急な用事で出かけた東京でついでに立ち寄ったデパートの地下食品売り場の魚コーナーに丁寧に並べてあった細い秋刀魚の値段が580円。いつもの旬の時期なら200円で買えるはずのサイズです。

「今年で最初、そして今年で最後の秋刀魚かも」といいながら配偶者と僕の晩ご飯のおかずに2尾購入しました。早速その夜塩焼きにして食べたのですが、そして味はそれなりに結構でしたが、値段がしっかりと高級魚なので、このままの値段だと今年は食べる回数がとても減るかもしれません。

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