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2010年9月15日 (水)

農業のGDP、および農業と食べ物関連産業のGDP

農林水産省から「平成20年度農業・食料関連産業の経済計算(速報)」が発表されましたが、これは農業を含む食べもの関連産業に対応する国内総生産のことです。この報告書をもとに、この10年余りでその数値がどのように推移してきたかをメモ代わりにちょっと整理してみます。

農業・食料関連産業(食べものに関連した産業全体)の構成要素は以下の通りですが、括弧内の%は、農業・食料関連産業全体のGDPを100%とした時のそれぞれの割合です(ただし、平成20年度の数字)。

◇ 農業(9.9%)(狭義の農業GDP)
◇ 漁業と特用林産物(きのこなど)(1.9%)
◇ 食品工業(パッケージ資材を含む)(28.7%)
◇ 飲食店(レストランや居酒屋など)(20.6%)
◇ 流通業(スーパーマーケットなど)(36.7%)
◇ その他(2.2%)

農業セグメントや食べもの関連産業までを含めた農業・食料関連セグメントの動きは、日本全体の動き(日本の産業全体のGDP)との対比でみた方がわかりやすいので、1996年から、飛び飛びに2008年まで眺めてみると次のようになります。なお、国内総生産は国内生産額から中間投入(生産に要した財やサービスの費用)を引いた額です。

(単位:兆円) 平成8年 平成9年 平成10年 平成17年 平成18年 平成20年
  1996年 1997年 1998年 2005年 2006年 2008年
農業・食料関連産業GDP 55.8 55.9 55.8 48.5 48.5 44.8
農業GDP 6.5 6.1 6.3 4.9 4.7 4.4
農業・食料関連産業GDPの全産業GDPに占める割合 10.8% 10.8% 10.9% 9.6% 9.5% 9.1%
農業GDPの全産業GDPに占める割合 1.3% 1.2% 1.2% 1.0% 0.9% 0.9%
農業・食料に占める農業の割合 11.6% 10.9% 11.3% 10.1% 9.7% 9.8%

食べもの関連のGDPは全体の1割なのでひとつの大きな産業分野といえますが、その割合は徐々に減ってきており、農業・食料関連産業GDPに占める農業GDPの割合も減少傾向です。

農林水産省は食料自給率として、一般によく引用されるカロリーベースの食料自給率以外に生産額ベースの自給率の2種類を発表していますが、今回のようなGDP(国内総生産という金額表示の指標)の推移と見比べるためには生産額ベースが便利だと思います。以下の表がGDPと同じ年の生産額ベースの自給率ですが、両者は同じ傾向にあるようです。

  平成8年 平成9年 平成10年 平成17年 平成18年 平成20年
  1996年 1997年 1998年 2005年 2006年 2008年
生産額ベースの食料自給率 71% 71% 70% 69% 68% 65%

もっとも「おなかがすいた、腹いっぱい食べたい」という状態と適合的なのはカロリーベースの自給率の方で、生産額ベースの方は適合度が劣ります。たとえば高価なメロンやイチゴや高級野菜は、そうした品目を栽培している農家の競合優位性と所得を高め、全国的には生産額ベースの自給率を高めますが、そしてそれはいいことなのですが、「腹減った」状態の改善にはあまり役に立たない。そのうち日本にも、経済のうまい舵取りができないと、腹減った状態がやってくるかもしれないので、カロリーベースの食料自給率や穀物自給率も重要なパラメーターです。

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