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2010年10月19日 (火)

ふたたび、「ゆめぴりか」

最初に買ったタンパク質含有率6.8%の2010年産「ゆめぴりか」には噛んだ時の甘さがなかったので、今の在庫がなくなったらもう「ゆめぴりか」に手を出すのをやめようと思っていましたが、先週末の夕方に、「お米3合パックとお米6合パック」を売っているので気になっていた老舗米穀店の出店に立ち寄ったら「上川産」と明記した2㎏袋が目につきました。その精米したばかりの上川産「ゆめぴりか」は2㎏で1,575円。最初に別の経路で買った別の産地の「ゆめぴりか」は2㎏で1365円だったので、今回の方が15%ほど高い店頭価格です。お店の責任者に聞くと、今は、3合のような小口パックは用意できないとのことなので、その場で2㎏袋を購入しました。

最初に買った「ゆめぴりか」と今回の「ゆめぴりか」のスペック(仕様)や環境の違いは以下の通り。

(1) 今回の「ゆめぴりか」の産地は、「ゆめぴりか」の生まれ故郷である上川(かみかわ)(上川は旭川のすぐ東北方面に位置する農作地帯ですが、「ゆめぴりか」はそこの上川農業試験場で育成された品種なので、生まれ故郷という言い方で正しいと思います)。最初に食べた「ゆめぴりか」は上川からはけっこう離れた場所で収穫されたもの(けっこう離れた場所といっても、当然、北海道で、そこもおいしい北海道米の産地です)。

以下(『・・・』)は以前別のところに書いた2009年5月半ばの上川などの風景。

『網走から北見盆地を抜け、峠を越え、雪の消えない大雪山を左に見ながら、「川」のつく地名をもつ地域に近づく辺りから農作地の雰囲気が徐々に変わってきます。

最初の「川」は上川、次に旭川、深川、滝川、砂川、そして、川ではありませんが、岩見「沢」にいたる一帯には、懐かしいような田園風景が連なります。田植え直前の、水がはられた状態の田がどこまでも広がっています。田んぼの各区画は小さくて、大雪山を左にしてとてもゆるやかな、カーブとは意識できないほどの大きさの左カーブで走っていくバスの窓から目にする光景は、東海道新幹線から見る田園風景を思わせます。ちょっと強引ですが、大雪山が富士山です。

江別に入ると、また畑の光景へと変化します。』

(2) 今回の「ゆめぴりか」のタンパク質含有率は、6.8%を超えて7.9%以下のものをブレンドしたもの、つまり改定基準値というかゆるやかな基準値に適合しているもので、くどくなりますが、6.8%以下というオリジナル基準には適合していない。最初の「ゆめぴりか」は、6.8%以下というオリジナル基準値をクリアしたもの。

(3) 今回の「ゆめぴりか」は、最初の「ゆめぴりか」が特定単一農家の生産米だったのに対して、上川という地域の、つまり複数農家が作ったお米を混ぜ合わせたもの。

(4) 流通経路も、最初の「ゆめぴりか」が生産農家で精米されたあとデパートの売り場に入り、その後我が家へ。今回の「ゆめぴりか」は、生産農家から地元の農協とホクレン農業協同組合連合会を経由して米穀店へ販売され、そこで精米されたものが我が家へ。

さっそく、翌日の朝ごはんで食べてみました。新米なので当然のことながら水の量をけっこう控えめにしますが、今回は最初に買い求めたものを炊いたときよりもこころもち、さらに少なくしてみました。

噛んでいる時に甘さが少し出ました。が、難しげな言葉をわざと使うと、有意の差は感じられません。つまり、甘さに関しては、最初の「ゆぺぴりか」と上川産「ゆめぴりか」との甘さの違いはわずかだが、最初の「ゆめぴりか」と新潟産「コシヒカリ」との甘さの違いは大きいということです。

つややかで白く粘りがあって粒立ちがいいところは最初のと同じ、蒸らしている段階でその場に漂うお米の香りがひかえめなところも似ています。ただ、冷えても味が落ちない雰囲気なので、弁当やおにぎりには向いているかもしれません。となると、業務用途で売れ筋の今までの北海道のお米と基本の性格が変わらないことになります。

ホクレン農業協同組合連合会が、たんぱく質含有率7.9%以下は味にたいして変わりはないのですべてを「ゆめぴりか」だとすると決定したことは、その限りにおいては正しかったようです。ただ、その場合には、もっと基本的な、「新潟産コシヒカリ」「魚沼産コシヒカリ」の市場シェアをどう奪うかという商品戦略・ブランド戦略にかかわる問題があいかわらず、しかし、7.9%へと基準をゆるめる前よりも難しくなって、残ります。

消費者に「ゆめぴりか」のおいしさを訴求する、その訴求の仕方が難しくなりました。味を説明する客観的な基準が動いているので、「ともかく新潟のコシヒカリよりもおいしいので一度召し上がってください」というしかありません。「おいしい理由は?」「ともかく全体のバランスがいいのでおいしいのです。」

生産者に対しては、来年以降、タンパク質6.8%以下を目標にとするのか、それとも複合要素からなるゆるめの新基準を設定するのかわかりませんが、「ゆめぴりか」農家はホクレンの柔軟性を学習したわけで、来年以降もホクレンの柔軟な政策対応を前提としたコメ作りに取り組むだろうことが予想できます。

我が家では、玄米や3部搗き(つき)が好みで、現在の銘柄の有機玄米で満足していますが、北海道の戦略米である「ゆめぴりか」はやはり応援したいのでこの3週間で2種類を意識して味わってみました。炊きあがった米の粘りの具合と噛んでいる時の甘さについての好みの違いもあり、「ゆめぴりか」への切り替えは有機玄米が手に入るようになってからの検討課題です。

ものによっては、「続」「続々」とあとが続く場合もありますが、「ゆめぴりか」の食味に関しては「また、ふたたび『ゆめぴりか』」という記事はおそらく書かないと思います。(さっそく 、「ゆめぴりか」)

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