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2010年10月29日 (金)

我が家の国産食材比率から食料自給率を考えると・・(その2)

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我が家の国産食材比率から食料自給率を考えると・・(その1)」で描いたような食事内容だと(カロリーベースか金額ベースかなどの違いはほとんど意味を持たないような状態で)食料自給率が90%~95%でした。正確には僕のどんぶり勘定だと90%~95%でした。これを「『高いお米、安いご飯』メニュー」と名づけます。

さて、ここで「自給率100%のうんざりメニュー」と「自給率40%のお気に召すままメニュー」というものを考えてみます。(ここからの自給率はカロリーベースになります。)

「自給率100%のうんざりメニュー」は農林水産省がホームページなどで公開しているメニューのことで、国内生産品だけで必要カロリーを満たすような食事メニューをつくったら、つまりカロリーベースで食料自給率100%の食事メニューを輸入品に頼らずに現在手持ちの食材(農畜産物と魚介類など)でつくったらどんな料理が食卓に並ぶかというものです。

「自給率40%のお気に召すままメニュー」というのは、現在のわれわれの食事メニューの平均像のことです。家庭で食事をゆっくりと楽しんだり、家族で外食したり、コンビニ弁当をあわただしく会社で食べたりと、国産品やら輸入品やらさまざまな食材や加工食品をわれわれは食べていますが、その国内生産品の割合が、家畜用の輸入飼料などを勘案するので、カロリーベースだと40%という結果になっています。これをここでは「自給率40%のお気に召すままメニュー」と名付けます。つまり、現在の農畜産物や魚介類の国内生産状況や輸入状況と互いに相関している、われわれの日々の平均的な食事内容のことです。

ここでは蛇足ですが、日本の最近の(人と家畜の)穀物自給率は28%で、その内訳は以下のようになっています。下の図はわかりやすくするために、数字を丸めたもの。たとえば、米の消費量は年間820~830万トンですがここでは1000万トン、人間の食べる小麦や大豆も少しは国内生産されており、また家畜の飼料のすべてが輸入されているわけではありませんが、構造をわかりやすくするためにデフォルメしてあります。

Photo

「自給率100%のうんざりメニュー」の内容は、朝ごはんもお昼も晩ごはんも「お米のご飯とイモ類(ジャガイモやサツマイモ)、それに朝はお漬物、昼は果物少々、夜は焼き魚」のくりかえしで、それでは本当にうんざりするので、2日に1回はうどんを食べたりみそ汁を飲んだり、納豆を食べたり、牛乳や卵や肉は、まあ、1週間に1回といったものです。(詳しくは農水省のHPをご覧ください。)

これではボウドウが起こる可能性がある。あるいは機を見るに敏な人たちがいて闇市を立ち上げます。これを一方の極とすると、もう一方の極には「自給率40%のお気に召すままメニュー」があります。その中間というか、自給率の点では「うんざりメニュー」に近い側に、好みのものを食べているという意味では「お気に召すままメニュー」に近い側に「『高いお米、安いご飯』メニュー」があります。

「食料自給率」を高めながら、「お気に召すまま度」を納得のできる範囲で維持するには、「うんざりメニュー」と「お気に召すままメニュー」の中間点が妥協点ということになりそうですが、それはどのあたりでしょうか。

そのためには、生産者側からの動きと消費者側からの動きが必要だと思われます。生産者側からのアプローチとは「お気に召すままメニュー」に必要な食材を家畜飼料も含めて国内生産するということで、消費者側からのアプローチとは現在の食べ物消費パターンを「うんざりメニュー」にするということです。

そういうことはどちらの側も当然「できない」と主張するのは目に見えているし、実際不可能なので、議論の対象は、ではお互いにどこまで移動できるかということになります。

生産者側の行動として考えられるのは、ここでは生産者以外に流通業者の行動も含めて考えると

◇ お米そのものの消費を促す仕組みを促進する(無洗米というのはそのひとつの手段ですが、1合パック、2合パックや3合パックといった合単位の食べきりサイズの流通をマーケティングする)
◇ 米そのものでできる米パン消費をプロモーションする(米パンベーカリーにエコポイントというかコメポイントを付けて消費を活性化)
◇ なるほどと消費者が納得するお米のアプリケーションをどんどん市場に提案する
◇ 米粉の生産量を増やす(米粉パンや米粉パスタ消費と連携)
◇ 小麦の生産量を増やす
◇ 大豆の生産量を増やす
◇ 家畜用の穀物飼料をトウモロコシなどから飼料用のお米に切り替える
◇ ・・・

消費者側の行動として考えられるのは

◇ 小口パックや無洗米を利用して、今までご飯を炊くことが面倒だった人たちが、もっとお米のご飯を食べる
◇ 小麦のパンだけでなく、お米のパンも食べる(米粉パンだけでなく、お米そのものから焼きあがるパンとそのパン焼き器の利用)
◇ お米のパスタや麺も食べる
◇ 中年以上は、肉を減らし、国産の魚や国産野菜の分量を増やす
◇ 懐の許す範囲で、国内産の農産物や国産素材の加工食品を買い支える
◇ ・・・

両側からの行動がなければカロリーベースの食料自給率60%というのは実現不可能な数字ですが、消費行動の変化まで含めて両側の変化を考えると、60%は射程距離の範囲内と考えています。

60%くらいまで食の構造の基礎体力を強めておけば、そのときには構造変化に応じて体質も変化しているので、何かあった場合の消費者側と生産・流通側の対応柔軟性も高くなっていると思います。

(「我が家の食事の国産素材比率から食料自給率を考えると・・」の終わり)

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