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2010年11月19日 (金)

無農薬農産物や有機農産物の割合

必要があって、有機農産物の生産割合を調べていました。こういう場合は、紙の上の数字だけを集めてきても退屈だし、あとで応用が利かないので、2つのアプローチを採るようにしています。「おいしい、味が自然で濃い、葉っぱの端まで全部食べられる、安心、結局のところコスト・パフォーアンスがよい」という理由から我が家では有機農産物や無農薬農産物を好んで食べているのである程度そういう農産物に対する「土地勘」があるということもありますが、その2つのアプローチとは以下のようなものです。

ひとつは、国際有機農業運動連盟 (IFOAM: International Federation of Organic Agriculture Movements) 関連の資料や農林水産省の統計(野菜など一部の農産物については、有機栽培品と特別栽培品の生産数量や価格が、国産標準品や輸入品と対比されている)などを参照することで、もうひとつは、野菜などの小売りの現場をいくつか回ってみることです。

後者に関しては、たとえば、デパートでは有機野菜や無農薬野菜・減農薬野菜(特別栽培野菜)コーナーが設置されていることが多いのですが、歩いて行ける範囲のスーパーマーケットには、ナショナルブランドのスーパーであれ地元資本のスーパーであれ、そういう種類の野菜コーナーは見あたらないようです。2つのデパートの有機野菜や減農薬野菜は、そのコーナーの面積ないしはそのコーナーに並べられている野菜の量を目分量で測り、売り場面積全体、ないしは野菜の総量と比較してみると、どちらの簡易指標を使っても1%~2%くらい。2つのスーパーはそういうコーナーがともに見あたらないので0%です。

デパート2店舗とスーパー2店舗の単純平均は 1%~2%、1%~2%、0%、0% を足して4で割ると0.5%~1%となりますが、実際はスーパーの方が店舗の数が多いので、有機農産物や特別栽培農産物の割合は、スーパーやデパートのような流通チャネルでは0.5%を若干超えたあたりだと想定できます。これ以外に有機農産物や無農薬農産物の専門小売店があり、農家の直販チャネルもあるので、それらを考慮すると全部で1%とおおざっぱな想定ができます。

おおざっぱな想定のあとで、客観的な第三者情報 (IFOAM) を参照すると、日本での全農産物に占める有機農産物の生産量は0.18% (2008年) だそうです。これは、有機JAS法認定の有機農産物だけの割合なので、有機農産物に特別栽培農産物およびその他の無農薬農産物を加えた農産物の割合が1%というドンブリ勘定は結構いい線をいっているかもしれません。

実際の有機農産物の国内流通量は、海外からの有機野菜・有機果物・有機食品(たとえば、トマトやトマトソース、オリーブ油、バナナ、コーヒーや紅茶などがよく目につくし、有機大豆なども見かける)が加わるのでもっと多くなります。

ちなみに、韓国では有機農産物の比率が日本の2.5倍の 0.46% (2006年)、米国が3% (2007年)、EUが約4%(2007年、ただしEUは農地面積比率)となっています (IFOAM)。

以前から農産物購入者・農産物消費者を見る準拠枠として参照させてもらっているモデルに「農産物消費者の4類型」(旧福岡都市科学研究所、2003年)があります。(下の図)。左上の箱の「分裂型消費者層」とは少しわかりにくいのですが、「アンケート調査等では『食の安全が一番』『地産地消が大切』と答えるが、実際の消費行動では、スーパーの外国産特売品などに飛びつく人たち」という意味です。観点は少し違いますが食べ物や家庭料理に関する主婦のタテマエとホンネの落差については岩村暢子さんの著作が参考になります。僕の関連ブログ記事だと「食のアンケートとその解釈」&「消費者のタイプと主婦の光景」。)

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【註:オリジナルデータでは4つの層の合計値が100%未満なので、そういう場合の一般的な補正作業として、一番大きな層である「分裂型消費者層」の数字を増やして調整してあります。】

有機農産物や無農薬農産物の現在の購入者は、おそらくは右上の箱の5.4%の中にすっぽりと収まるのでしょうが、少し広げて、食材にこだわりのある消費者セグメントというものを農産物の供給側から想定してみると、そのセグメントの大きさは、安全サイドで考えると、消費者全体の10%くらいということになりそうです。

実際のビジネスではその10%をさらにどういう軸で切り分けて、切り分けたあとの一部と自分の農産物の特徴をどうつなぐかが次のステップになりますが、ここでは触れません。

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