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2010年12月16日 (木)

「和漢朗詠集」の農産物

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ここで農産物とは、広い意味で使うので、米、麦、粟(あわ)、稗(ひえ)、豆、味噌や醤油などの加工食品、果物、それから茶や酒も含みます。

必要があって、「和漢朗詠集」(わかんろうえいしゅう)の一部に目を通すことになりました。「和漢朗詠集」は11世紀の初めころ、枕草子や源氏物語が書かれたその十数年くらいあとに編集された、詩文と和歌のアンソロジーで、唐人(中国人)による詩文(つまり漢詩)と日本人による漢詩文、そして和歌で構成されています。

春・夏・秋・冬の四季の移り変わりを軸に、季節の様子や季節に応じた心象風景、季節のイベントにまつわる感慨などが細かいテーマ、たとえば、立春、早春、梅、紅梅、柳、花、落花、晩夏、露、霧、霜、雪、風、雲、竹、草、妓女(ぎじょ:伎楽を奏する女性)、遊女、恋などごとに整理され、たいていは、唐人の詩文のいいところ(作者は白居易など)と日本人による漢詩文のいいところ(作者は菅原道真など)、そして日本人による和歌(作者は紀貫之など)がセットになっています。

「和漢『朗詠』集」なので朗詠、つまり声高くうたうのに適した詩歌が集まっているのでしょう。控えめに言えば、声を出して読むのに適した漢詩の一部や和歌ということになります。「和漢朗詠集」では、漢字の詩文とひらかな(変体仮名)の和歌が3対1くらいの割合で現れるので、寺子屋などでも読み書きの教科書としても用いられたようです。

この中に農産物や食べ物に関する詩や歌がどれくらいあるのか気になったので駆け足でパッパッと調べてみました。明らかなテーマとして農産物が登場するのは「酒」だけです。酒好きな白居易の詩が多いのでこれは納得です。米(コメ)に関しては水田風景や早苗(さなえ)や農夫は出てきますが、食べ物としてのコメそのものを歌ったものは見つかりません。これは、編集の趣旨からして当然ですが、酒を詠った詩文には茶や果物も一緒に登場するので、「和漢朗詠集」の食べ物・飲み物は酒と茶と果物ということになります。

和漢朗詠集 (講談社学術文庫 (325))

和漢朗詠集 (講談社学術文庫 (325))

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