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2010年12月15日 (水)

アバウトな水の量

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独身時代、暇つぶしに料理番組にチャンネルを合わせることがありましたが、そこで料理人とアナウンサーの間で交わされる呪文がなかなか理解できませんでした。その呪文とは「酢を大さじ一杯」「醤油は小さじ一杯」といったものですが、大さじとはいったい何なのか、小さじとは何を意味するのか。見当がつかない。

その後どれくらいの時間が経過したのか、あるとき、デパートの家庭用品売り場かスーパーマーケットの調理用具売り場かは覚えていませんが、計量スプーンのセットが目につきました。しばらくその前で考え、これがあの呪文の正体かと驚き、かつ妙に納得したものです。

配偶者も調味料の量などはアバウトでアナログなので、我が家に大さじ・小さじの計量スプーンはありません。

好奇心から、あるいは趣味と実益を兼ねて、この3か月で、3つの銘柄のお米を食べてみました。新潟の「コシヒカリ」、北海道の「ゆめぴりか」、山形の「つや姫」ですが、それぞれに新米です。採れたてのお米は少なめの水で炊きますが、「コシヒカリ」の少なめを多少少なめとすると、「ゆめぴりか」はそれよりも少なめ、「つや姫」はそれよりもわずかに多めが具合がいいみたいです。

程度を表す言葉に「気持ち」という便利な表現があり、「わずかに」や「いくぶん」の意味で「気持ち長めに」とか「気持ち短めに」といった感じで使いますが、この気持ちという表現を使うと「ゆめぴりか」は「コシヒカリ」よりも「気持ち気持ち少なめ」、「つや姫」は「コシヒカリ」よりも「気持ち多め」の水の量、ということになります。

3銘柄のお米といっても正確には5種類のお米です。新潟の「コシヒカリ」は有機栽培の玄米、北海道の「ゆめぴりか」は2つの地域の「ゆめぴりか」でともに白米、山形の2つの「つや姫」もひとつは特別栽培の玄米ですが、もうひとつは別の地域で採れた特別栽培の白米です。

晩ごはんには、玄米は多層構造の圧力鍋、白米や3分搗きは多層構造の鍋を使いますが、朝ごはん用には起きてから炊くという時間がないので3分搗きや白米を、タイマー設定した炊飯器で炊きます。こういう環境では、アナログでアバウトな測り方表現の方が適しています。

「味醂(みりん)少々」とか「塩一つまみ」とか「醤油を隠し味程度に」とかいう表現を僕は好ましいものと思うので、料理番組で使う「大さじ一杯」とか「小さじ一杯」とかを全部廃止して、「多めに」「少なめに」とか「気分次第で適当に」とか、これは料理番組でも実際によく使う「ひたひたにして」とかのアナログ表現・アバウト表現だけに変えたらどうかなと思うこともありますが、そんなことをしたらおそらく抗議の電話やメールがいっぱい飛び込んでくる状況が予測できます。

このアバウトでアナログなやり方は、一般化すると、親方の仕事のエッセンスをひそかに盗むことのできる若い職人や、年齢には関係なく試行錯誤を繰り返しながら自分の方法を身につけることが好きな人には向いていると思いますが、短時間でわかり易い結果を求める人には、ちゃらんぽらんな方法と映るので、人気が出るとは思えません。

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