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2011年1月

2011年1月31日 (月)

北海道の温泉で、寿司と刺身

「トラベルズー・ジャパン」という旅行情報サイト会社が中国人を対象に行った興味深いアンケート調査の結果(約1200人の有効回答)が、先週の日本経済新聞・北海道版の北海道経済面に出ていました。同じ記事が他の地域の版に掲載されているのかどうかはわかりません。

北海道の人たちを喜ばせるような調査結果ですが、僕は別の意味でとても面白い結果だと思いました。別の意味とは、「お米の輸出」ということです。

その調査(複数回答)によれば、

◇中国人が行きたい日本の観光地ベストスリーは、
 (1)北海道(71%) (2)富士山(37%) (3)東京(35%)

◇どんな体験をしたいかは
 (1)温泉(81%) (2)ディズニーリゾート(31%) (3)歌舞伎/相撲など(31%)

◇食事の希望は
 (1)寿司・刺身(68%) (2)懐石料理(%の記載なし) (3)焼き肉(%の記載なし)

だそうで、以上をまとめると、日本に観光旅行できるような懐具合の中国人が、日本に観光旅行で来た場合の典型的な滞在目的は「北海道の温泉に泊まって、寿司と刺身を食べること」になります。

北海道の温泉は、おそらく、阿寒湖周辺の温泉か、登別温泉。いい温泉は他にいっぱいありますが、海外団体客をスムーズに受け入れるような場所だと、阿寒と登別。

さて、ここからが本題ですが、寿司も刺身も寿司飯と普通のご飯の違いはありますが、日本産のジャポニカ米が活躍する場面です。北海道には寿司に向いたお米も、いわゆる普通のご飯に向いたお米もそろっています。

そこで、真っ白つやつやで粘り気のある日本のジャポニカ米のおいしさを舌に染み込ませて北京語圏や広東語圏のお客様が本国にお帰りになれば、中国産のいくぶんパサパサしたジャポニカ米では気分が出ないので、日本のお米を再び食べたくなるかもしれません。これは中長期では中国に対する日本からのお米の輸出につながります。英語圏の学者が作った用語を拝借すれば、これは「ソフト・パワー」のひとつです。

消費者の声に押されてパサパサしたものから粘り気のあるものへと、中国産ジャポニカ米の微妙な品種と食味の変更が議論されるかもしれませんが、これはコメの味に対する国民DNAの修正みたいなものなので時間がかかると思います。それよりも輸入した方が早い。

阿寒や登別の温泉旅館で、「きらら397」や「おぼろづき」や「ゆめぴりか」といった北海道産のお米が「寿司や刺身」によって中国人観光客の胃袋に入れば、生のマグロの入手などに関しては競合の激化ということになりますが、日本のおいしいジャポニカ米の今後のためにはいいことだと思います。

なお、中国ではジャポニカ米は粳米(こうまい)、インディカ米は籼米(せんまい)と呼ばれています。(「中国のジャポニカ米とインディカ米」)

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2011年1月28日 (金)

玉ねぎのスープ

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朝は3分搗きのご飯が多いのですが、おかずは冬だとけんちん汁、じゃこ、納豆、それから白菜の漬物や梅干し、ついでに海苔でもあれば相当に幸せな気分になります。毎日同じものでも飽きません。欠点は、おいしいのでご飯を食べすぎることくらいでしょうか。で、途中にパンの週をはさむようにしています。

買ってきたパンではなく、天然酵母を使いホームベーカリで焼いたパン。北海道産の小麦粉が原料です。1.5斤を焼くので、配偶者と2人で食べ終わるまで3日はかかりますが、ご飯のパートナーが冬はけんちん汁であるように、パンのパートナーは冬は玉ねぎのスープ。北海道の玉ねぎは8月から10月が収穫時期ですが、その後貯蔵されて次の年の春まで出荷されます(「淡路のタマネギ(玉葱)、札幌のタマネギ(玉葱)」)。

とても朝が早いときは、一人で起きだして、スープを温め、パンは厚からず薄からずの幅に2枚を切って、スープの温まり具合を確かめながら、今まで15年ほど使ってきてこれからも決して壊れることがないだろうと思われるような古風で頑丈で単純な造りのトースターで軽めにトーストします。

玉ねぎのスープは配偶者が週に2度くらいの頻度で作り置きしてくれるのですが、中くらいのサイズの玉ねぎ5個を30分間ほど炒めていい色になったところで、それを手羽先あるいは鶏ガラで作った1リットルのスープストックに投入します。だから、スープを飲むというよりは、玉ねぎがいっぱいなのでスープを食べる感じになり、Eat Soupという表現通りです。この玉ねぎのスープも飽きることがない。

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2011年1月27日 (木)

スケトウダラの卵は「たらこ」、マダラの卵は「まだらこ」

スケトウダラという細長いやせ形のタラの卵を塩漬け加工したものが「たらこ」、唐辛子を加えて「明太子」「辛子明太子」などとなり、「明太子」は博多やその近所の名産なので、まずたいていの方はその姿かたちと味を知っています。初めて食べた場所が家庭か居酒屋か、あるいは自分で買ったものか頂き物かなどと細かいことを詮索(せんさく)しなければ、まあ、日本中でおなじみの食べ物です。

しかし、これが太めで大きい図体のマダラになると、その卵(マダラコと呼ばれている)を食材として楽しむ地域は一挙に狭くなります。北海道フードマイスターとしては農産物も海産物もともかくなんでも、とくに魚介類の場合は対面販売の魚屋の親父さんやおばさんから調理の仕方を配偶者と一緒に細かく聞いてそのあと一度は口にするのですが、恥ずかしいことに、マダラの卵だけは先日まで知りませんでした。

それ以前にそんなものは見たことがないと思っていましたが、見落としていただけで、実際は北海道では日常的に食べられており、したがって魚屋でもスーパーの魚コーナーでもタラの季節(冬)には店頭に日常的に並んでいます。そういうことに先日気づきました。

「たらこ」や「明太子」が好物な方でも、これが店頭に並んでいるのを見て、それが初めての遭遇なら、まず食欲は湧きません。たいていは黒くて、あるいは赤に黒が混じった色合いのボテッとした感じのものがそこにあり、正直言って気持ちが悪い、自分には関係のない不思議な人たちの不思議なたべものという以外の印象は持たないと思います。

いつもお世話になっている、2年ほど前にもとても器量の悪い(しかしユーモラスな表情の)「かじか」という海の魚の食べ方を教えてもらった魚屋のおばさんから、この食材の典型的な北海道での食べ方と料理の仕方を丁寧に教えてもらいます。ざっくりとまとめると、まずこんにゃくを甘辛く煮て、そこに黒い薄皮の内側にあるピンクのマダラの卵を投入して水分を飛ばしながら一緒に炒めるというか煮るというか。それだけ。この家庭料理を「こあえ」というそうです。「マダラのこ」に熱を加えながら「あえる」ので「こあえ」ということになったのでしょう(多分)。

我が家は砂糖の甘いのは好みでないので、醤油と日本酒と味醂(みりん)で味付け。

使うこんにゃくは「つきこんにゃく」。日本こんにゃく協会のホームページから説明を借用すると、「つきこんにゃく」とは「板こんにゃくをところてんのように押し出したもの。ほどよいこんにゃくの食感を残しながらも、他の食材と組み合わせしやすい、味が早くなじみやすいなどの利点があり、炒め物に向いています。」ありがたいことに、あるいは商売の原則ですが、その魚屋では白い「つきこんにゃく」を「マダラコ」の隣で売っていました。

とても柔らかい卵です。でも、腕のいい方ならおいしい煮付けが作れるかもしれません。そんな雰囲気の味わいが「マダラコ」にはあります。

「こあえ」はちょっとしたご飯のおかず、あるいは少量を小皿で日本酒の肴に。

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2011年1月26日 (水)

味噌・醤油・味醂(みりん)・酢

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情報処理や情報技術の世界では、基本(基盤)ソフトウェアを真ん中にして、その下にハードウェア、その上に応用(アプリケーション)ソフトウェアを乗せたような絵をよく描きますが、PCでも携帯電話やスマートフォンでも同じ構造です。応用ソフトがゲームになったり、商取引になったりといった違いがあるだけです。

コメや麦や大豆などの素材農産物をかりにハードウェア、味噌・醤油・味醂(みりん)・酢などの調味料を基盤ソフトウェアとすると、応用ソフトウェアは各種の料理ということになります。

この4つは日本の味付けの基盤の役割を演じるので日本中で作られており各地の味の基礎になっていますが、それでも基盤ソフトウェアの得意な地域とそうでない地域に分かれています。

上の分類だと、北海道が生鮮農産物や生鮮海産物といったハードウェアは得意でその上の2つの層では活動が控えめであるのに対して、愛知(尾張と三河の両方を含む)は半島側では野菜栽培も盛んだし名古屋コーチンも有名ですが、僕には、味噌・醤油・味醂・酢という基盤ソフトウェアに強さを発揮していると思われます。しかし、料理という応用ソフトになると、「味噌煮込みうどん・味噌カツ」や「ひつまぶし」や「天むす」といった地元以外ではなかなか口にできないものしか浮かんできません。

お世話になっている愛知の基盤系は、赤だしに使う豆味噌の「八丁味噌」(大豆に、米麹・麦麹ではなく豆麹)、里芋やレンコンを煮るときに白く美しく仕上がる足助(あすけ)という奥三河にある地域の「しろたまり」(大豆でなく小麦で作った白醤油)、日常の必需調味料としては三河仕込みの味醂(味醂はもち米)。

しかし、酢は、尾張(半田)の米酢(米酢はうるち米)も全国的に有名ですが、我が家の好みは京都の日本海側で作られる酢。この酢の洗練には離れがたいものがあります。

日本酒も広義には基盤系だと思いますが、飲む人を陶然とさせる名古屋の日本酒があります。

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2011年1月25日 (火)

食べる節分

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まだ1週間と少しありますが、2月になればすぐに節分。

食べ物はイベントに絡めた方が売りやすいので、節分に恵方巻きなる太巻きをその年の恵方(今年は南南東だそうです)に向かって一気に食べるという風習はいつの頃かに大阪で発明されたらしいのですが、局地的なイベントも、コンビニのような全国展開している情報発信ネットワークがその気になって介在すると、いつの間にかナショナルイベント風のものになっていくようです。近所の普通の鮨屋からも、はがきサイズのチラシ広告が郵便ポストに投げ込まれています。「恵方巻 1本 500円、海鮮播き 1本 1000円、ご予約の方、1割引き」。

配偶者は節分の豆まきが大好きですが、僕はこのあたらしい太巻き風習が気に入っていて、コシヒカリの3分搗きでは仕上がりが良くないので、今年は粘りの強い「ゆめぴりか」をそのためにすこしだけ前もって買ってこようと考えています。

節分とは、季節の分かれ目のことなので、春夏秋冬の日本では年に4回あるのですが、立春の前日だけが有名になっています。もっとも、僕の好みにはその方が合っていて、それは正月と春の節分をペアで考えるからです。

我が家の正月の門松は、根つきの松を花屋で2本買ってきて幹の一部に白い半紙を巻き付け、そこを金銀の水引で飾るだけの簡素な手作りですが、それがサトにおけるヤマのシンボル。そのシンボルを目指してヤマから降りてきたヤマのスピリット(霊的なもの)であるところのオニがしばらく我が家に滞在して、スピリットが希薄になっているサトの我が家をヤマのスピリット(つまりフク)でいっぱいに満たし、またヤマに帰ります。帰る日が春の節分。だから、フクは内、オニは外。遠い昔にどこかで生まれた一般的かどうかわからないその解釈が僕には一番腑に落ちます。

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2011年1月24日 (月)

今年の味噌は、米麹(こめこうじ)と麦麹(むぎこうじ)で

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手前味噌という言葉がありますが、自家製の味噌は醗酵した素材が香り立つ感じで、その味もなかなかのものだと思っています。だから手前味噌という言葉が定着したのでしょう。そのままごく少量を日本酒の肴にしても酒とからみあって陶然とした気分になれるし、とくに食事の最後の段階の味噌汁がとても待ち遠しくなります。

去年の1月下旬に米麹(こめこうじ)で仕込んだものが食べられる状態になったので(「道具に働いてもらう自家製味噌作り」)、一部をホーロー容器に取り分けて冷蔵庫に。残りは、サイズの一回り小さい常滑焼(とこなめやき)の甕(かめ)に2度目の天地返しを兼ねて移し替えたあと、別のところに寝かせてあります。常滑焼は愛知県の産ですが、お世話になっているのは伝統的な丸壺タイプではなく、下の写真の若干モダンな切り立ったタイプ。常滑焼は塩に強いので、味噌以外に、梅干しなどの保存にも使っています。(ちなみに、1回目の天地返しは仕込みから半年後の7月25日でした。「札幌の梅雨、味噌と梅干し」)

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上の写真は、【柳屋Web店】からお借りしました。

まず、最初に、麦麹(むぎこうじ)バージョンを作り、米麹(こめこうじ)バージョンには準備の都合から1週間ほど日を開けてとりかかります。まだ慣れていないので、配偶者と僕との共同作業でないと仕事は前に進みません。配偶者が前もって大豆を水で寝かせておきますが、それでも大豆を煮たり、豆を煮ながらアクを取ったり、そして煮た大豆を細かくつぶすなどの筋肉痛になりかねない力作業をやりながら、週末の1日をほぼこの作業に充てることになります。

普段は決して口にしないアルコール度数44%の強い焼酎が登場するのはこういう場合です。甕(かめ)に詰め込む工程の準備作業として、甕の内側や入口、蓋の内側や端などをその焼酎で丁寧にぬぐいます。

麦麹バージョンと米麹バージョンがそれぞれに個性のある香りと味を醸し出し、また1年後に「手前味噌」になってくれるとありがたい。

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2011年1月21日 (金)

菜の花を食べる

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昨日(1月20日)は1年でいちばん寒いとされる大寒(だいかん)だったので、春を感じさせる菜の花の蕾(つぼみ)を食べました。菜の花の辛し和え。菜の花は春の便りです。しかし、外は歩道が凍って少し融けてまた凍ってという嫌な凍り方なので、夕方など片手に重いカバンを提げて考え事をしながら歩いていると急にすべって結構危ない。

さて、配偶者によれば、今日の晩ごはんは菜の花がいっぱい入ったちらし寿司だそうです。菜の花の緑、金糸卵の黄色、京ニンジンの赤、そこに桜の塩漬けも加わるととても明るい組み合わせのちらし寿司ができあがりそうです。

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2011年1月20日 (木)

続・中国のジャポニカ米とインディカ米

中国のジャポニカ米とインディカ米」という記事で「中国では、ジャポニカ米を粳(こう)米、インディカ米を籼(せん)米と呼んでおり、コメの生産量の8割がインディカ米(籼米)、2割がジャポニカ米(粳米)といわれています」と書きましたが、中国における両者の標準的な価格差を見ることから始めます。

最近は、株価チャートのように、日本でも現在の各種農産物の卸売価格やその推移を農家や一般消費者がみられるようになりましたが、中国にも当然そういうサイトがあります。中国語なのでキーワードだけが頼りですが、雰囲気はわかります。

粳米(こうまい:ジャポニカ米)と籼米(せんまい:インディカ米)の卸売り価格(玄米)が、地域別・品種別にまとめられており、現在の粳米の1㎏あたりの平均価格が4.3~4.4元、籼米のそれは3.5~3.6元なので、ジャポニカ米の値段はインディカ米よりも22%程度高いようです。

日本のコメ卸売り価格(相対取引価格、玄米、60㎏)は、以前よりも安くなり、2010年産のコメで平均価格が13,000円前後なので、比較のために1元=13円という為替レートをつかい、粳米と籼米の平均価格を60㎏に単純換算してみると、粳米が3,300円~3,400円、籼米が2,700円~2,800円ということになります。(つまり、日本のコメの卸売価格は、中国粳米のそれの3.8~3.9倍、中国籼米の4.6~4.8倍。)

最近は少量パッケージも出てきましたが、日本では、スーパーなどでのコメの標準的な販売単位は5㎏袋です。味がよいとされるコメ(白米)の5㎏あたりの平均価格が2,200円前後なので、日本では、小売価格は卸売り価格(玄米)の2倍です。

同様に、北京での粳米の小売価格を、北京在住経験が長くてお米と料理の好きな方のブログなどを参考に調べてみると、地元でおいしいとされているものが、5㎏袋だと750円前後のようです。(中国での標準的な販売単位は日本より少し小さくて4㎏袋なので、その価格を5㎏に換算したもの。)小売価格を卸売価格で割ってみると、2.6~2.7倍(750円を、粳米の平均卸売価格が5㎏で280円前後なので、それで割った値)。

2,200円を750円で割ると、つまり、日本産の良食味米とそれなりにレベルの高い中国産ジャポニカ米の価格差は2.9倍。日本人の味の評価基準からすると、中国産ジャポニカ米の味や精米品質については相当に不満があるようなので、価格以外の側面をもっと考慮して倍数是正をした方がいいと思いますが、ここでは立ち入りません。

わかる範囲で一番値段の高い粳米が四川省産の「喜徳の光」(有機JAS認定米)ですが(以前の関連記事は「お米の自由化を考えるときに、確かめておきたいこと(6)」、1年前よりも30%ほど値段が高くなっており、北京や上海だと送料込の通販価格で(つまり消費者にとっては小売価格で)4㎏が160元(1年前は同量で120元)。上と同様に1元=13円で5㎏に直してみると、2,600円。これは、ほぼ日本の有機米、ないしは有機ではないがある程度人気のあるブランド米の値段に相当します。

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2011年1月19日 (水)

「きたゆきもち」という名のもち米

各地には各地で人気のもち米があると思いますが、北海道の主流は「はくちょうもち」という名のもち米です。もち米は、うるち米(僕たちが普段ご飯として食べるコメ)と違い、米粒に透き通るような感じはなくて不透明に真っ白で、粒の大きさもうるち米よりは小ぶりです。米粒の白さが「もち」という雰囲気を漂わせています。

小正月の小豆粥のために買った小豆が余っているので、使い途を考えないといけない。で、突然、このところとても便利だなあと思っている3合(450g)パックの米を買いに行きました。大福餅を作るためです。「はくちょうもち」を買いかけたのですが、お店の女性に新品種の「きたゆきもち」(もち米なので「もち」という言葉が入る)を勧められました。物知りの上品な女性だったので、立方体の真空パックに入った「きたゆきもち」を迷うことなく購入しました。

餡子(あんこ)には和三盆のみ。白くて心地よい粘り気のあるお餅のできあがり。全部で12個。先日近所から頂いた自家製タクアンのお礼に、12個のうちの4個が箱に入れられてその近所に向かいます。

「はるゆたか」というパン用の北海道小麦の収穫量が減ってしまい、僕たちのような一般消費者には手にはいりにくくなったので、次の候補をさがしている時に「キタノカオリ」に出会いましたが(「『キタノカオリ』という強力小麦粉のパン」)、今回も結構なもち米に出会えました。

生産農家向けの資料によれば、「きたゆきもち」は「はくちょうもち」よりも寒さに強い、背もすらっと高く色白で食味もいいのですが、すらっと腰高な分、少し体力に欠けるそうです。

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2011年1月18日 (火)

ダイコンの簡単べったら漬け

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北海道の大根の旬の時期は7月から11月です。年末でも大根の採れる地域の知り合いから頂いた大根が多すぎて、目先の味を変え保存方法を考えないと食べきれない。で、簡便に、言葉を換えたら手抜き風に、べったら漬け(こうじ漬け)を作ることにしました。

簡便方式なので使うのはチャック付きのしっかりした密封式ビニール袋。皮を剥いた大根を適当な大きさに切り塩漬けにし、その後、米麹(こめこうじ)をまわりにくっつけながらその袋に入れますが、そこに加える砂糖はおだやかな和三盆をごくわずかだけ。念のためさらにビニール袋で包み冷蔵庫で寝かせます。

漬け込んだのは2週間ほど前なのでそろそろ食べごろのはずです。3~4日前から、醗酵が進んできたのかそのビニール袋が炭酸ガスでプーと真ん丸になるくらい膨れます。チャックを少し開けてガスを抜きます。この作業が1日に2回ないし3回。この作業は配偶者が行うので僕はプー状態に接する機会は少ないのですが、このまま放っておくとやばそうと思うくらい真ん丸になります。

2日前に味見をしましたが、まだこなれていません。熟成をあと2~3日待つ予定です。ひょっとして失敗したかなとも思いますが、今週末には結果がわかります。

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2011年1月17日 (月)

お米の自家製ブレンド

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うまいコーヒー店では、そのお店独自のブレンドコーヒーがメニューに載っていて、客に人気を博していることがありますし、ウイスキーではブレンディド・ウイスキーがピュア・モルトとならんでその地位を確立しています。2種類ほどのお米をブレンドした「ブレンド米」を販売している米穀店もごくまれに見かけますが、コーヒーやウイスキーほど一般的ではありません。

好みの豆を好みの割合に混ぜ合わせてブレンドコーヒーをつくる家庭があるように、2~3種類の好みのお米を混ぜ合わせて新しい米の味を楽しむ習慣が広がれば、一部の消費者に限られるとは思いますが、消費者の知性・感性と食欲を刺激するのでお米の需要も若干上向くかもしれません。

米粒でできるパン焼き器を注文してあるのですが、生産が追いつかないのか入荷の連絡がまったくありません。まだしばらくは待ち状態の雰囲気です。米粒パン用に冷蔵庫に保管してある白米の「ゆめぴりか」が古くなると嫌なので(「さっそく、『ゆめぴりか』」)、ご飯として食べることにしました。

ただし今回は雑穀混ぜご飯の経験も踏まえ、以下のような組み合わせを試します。

(その1)

・ゆめぴりか(白米): 60%
・新潟コシヒカリ(3部搗き;玄米を家庭用精米機で3部搗きにしたもの): 35%
・雑穀(アワ・キビ・ヒエ・ムギ・アマランサスのブレンド): 5%

(その2)

・ゆめぴりか(白米): 47~48%
・新潟コシヒカリ(3部搗き;玄米を家庭用精米機で3部搗きにしたもの): 47~48%
・ヒエだけ: 4~5%

「白いゆめぴりか」のモチ米風の粘りと「3部搗きコシヒカリ」の噛んだ時の甘さと「雑穀」の香ばしさが一体となり、「ゆめぴりか」を多くした組み合わせ(その1)では上品な「おこわ」の風味が出ます。「ゆめぴりか」と「コシヒカリ」が等量の組み合わせ(その2)では、「おこわ」風味が奥に下がって、淡白さと上品さと粘りがとてもいいバランスになっています。とくに組み合わせ(その2)がとてもおいしい。病み付きになりそうです。

お米の店頭販売も、最近は、かわいらしい立方体型の3合(450g)パックなども用意されブランド米の少量販売が少しずつ目につくようになってきました。少し割高ですが、勤め帰りの主婦や独身者や2人世帯の方が、デパートの地下などで必要分を買い求めるには便利な商品なので、コメの消費拡大につながっていると思います。(以前の関連記事は「2合と2㎏(その1)」、「2合と2㎏(その2)」、「お米の3合パックと6合パック」)

3合パックは、新しい味・興味ある味を試してみるにも具合のいい量です。そのうち、お米の追加需要を狙った米穀店が、「ブランド米」少量パックだけではなく、お店の独自な感性を出した「ブレンド米」少量パックを売り出すようになるかもしれません。

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2011年1月14日 (金)

七草粥(ななくさがゆ)と小豆粥(あずきがゆ)

1月7日の朝に七草粥(ななくさがゆ)を食べ、15日の小正月(こしょうがつ)には小豆粥(あずきがゆ)食べるというのが今でも残っている慣習です。

七草粥で使う七草の消費量は結構多くて、だから、デパートの野菜売り場などでも6日の夕方にはパック詰めされた七草が大量に積み重ねられています。今年の出荷量は調べていませんが、昨年大ざっぱに調べた範囲では七草は全国で265万パックが出荷されたようです(「七草粥(かゆ)」)。産地は三浦半島から西の暖かい地域。今年も去年のような出荷量だとすると、20軒に1軒くらいは七草粥を食べている勘定です。

小豆粥をつくるときに使う粥をかきまわすための木の棒や、あるいは粥を煮るために燃やした燃えさしの薪(たきぎ)が粥杖(かゆづえ)で、平安時代以来、これで女性のお尻を打てば男の子が生まれるということになっているようです。ただし、現在の料理関係の本や料理記事では、粥杖とは粥を炊くときにかき回す木の棒という説明ばかりで、薪は出てきません。

この正月に、とあるきっかけで、「とはずかたり」という鎌倉時代の女性の手になるちょっとかわった創作エッセイ風日記物語に少し目を通してみました。巻二の最初のあたりに「十五日に男たちが女房達をひっぱたいた」という一節があり、このお尻たたき騒動はその後、いくぶん喜劇的な展開になるのですが、その書物の「お尻たたき」に関する脚注では「炊事に用いた薪(たきぎ)で女の腰を打ち、男児誕生を祈る」となっています。蛇足ですが、広辞苑では、薪とは「<焚き木の意>かまど・炉などに焚く木。たきもの。まき。」と説明されています。

今、同じようなことをしようとすれば、「薪」の入手は一般家庭では難しいので、たたきやすいように長めの「料理箸」ということになるのかもしれません。だとすると、料理関係の本や記事の記述は今でも利用価値が高いということになります。

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2011年1月13日 (木)

こうばしい雑穀混ぜご飯

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ヒエ100%の「ヒエご飯」もたまにはいいかもしれませんが(「すこしだとまあまあおいしい『ヒエ(稗)ご飯』(その1)」と「(その2)」)、それを常食にすることにはまったく気乗りしません。

玄米も3部搗き(つき)も白米もそれぞれに良さがあるのですが、配偶者といろいろ遊んでみた結果、3分搗きに雑穀を少々混ぜた「雑穀ご飯」が僕たちにはいちばんおいしく感じられます。「香ばしいご飯」と形容したらその感じが伝わるでしょうか。おいしい白米ご飯は香の物でもあれば、また、おいしいフランスパンはそれだけでどんどんと食が進みますが、3分搗き雑穀ご飯で食の進む感じは、できのよいフランスパンを相手にしたときによく似ているかもしれません。

雑穀といってもアワ(モチ系)、キビ(モチ系)、ヒエ、ムギ(押麦、丸麦)、アマランサス(昔の日本にはなかった中南米産の穀物)などをコメに対して5%くらい入れる程度がバランスがいいみたいです。

コメと雑穀の割合がどちらがどれだけ多いかの詳細にこだわらなければ、主食穀物の歴史の中で「コメと雑穀を混ぜ合わせたもの」を主食とする人たちは日本にはおおぜいいました(「ヒエ(稗)ご飯(その2)」)。アワもヒエもキビもムギもコメと混ぜ合わせて食べていたわけで、さまざまなおかずを量的には今ほど十分に食べられなかったかもしれないという点を除けば、かつての日本人はある意味では結構な主食を毎日食べていたことになります。

値段の高い国産付加価値農産物というと、イチゴやメロンのような果物やフルーツトマトのような野菜、一部の地域のおいしいコメを思い浮かべますが、ヒエ・アワ・キビ・ハトムギ・アマランサスのような雑穀も現在は確かな付加価値農産物です。無農薬栽培のヒエやアワやキビの値段(小売価格)は1㎏で約2,300円、アマランサスだと1㎏が3,000円を超える値段です。食味の良いとされる(無農薬栽培ではない)白米5㎏が2,200~2,300円で買えることを考えるといかに付加価値が高いかわかります。

ヒエ・アワ・キビ・ハトムギ・タカキビ・アマランサスを合わせた全国の生産量は、平成17年産で1,272トン。日本での雑穀流通量の90%以上が輸入品です。コメの年間生産量の820~830万トンには及びもつきませんが、雑穀というニッチマーケットを形成しています。

そのニッチマーケットの主要プレーヤーが岩手県で、ヒエの生産量シェアは91%、上記6種類の雑穀を合わせた場合の生産量は741トンで生産量シェアは58%です(農産業振興奨励会 平成18年3月)。穀物という地味な農作物でのこういう付加価値の出し方もあります。

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2011年1月12日 (水)

少しだとまあまあおいしい「ヒエ(稗)ご飯」(その2)

現在の日本では、コメ(水稲)の10a(10アール)あたりの平均収穫量は530㎏ですが(農林水産省)、これに対してヒエの10aあたりの収穫量は67㎏です。米は単位収量を増やすために過去から膨大な努力が投入されてきましたが、ヒエにたいしてはある時期から穀物の主役ではなくなったので米ほどの生産性向上技術の投入はなかっただろうと推測できますが、そういう事情があるにせよ、コメとヒエの間には8倍もの収量差があります。

【註】ヒエの67㎏について。現在、日本で一番ヒエの収穫量の多いのが岩手県だが(平成17年の岩手県のヒエ収穫量は366トンで全国収穫量402トンの91%)。その岩手県のある無農薬ヒエ生産農家グループの収量が10aあたり67㎏。30町歩(はぼ30ha = 300 * 10a)のヒエ農地に対して20トン(20,000㎏)の収量なので、10aあたり67㎏。無農薬栽培だとそうでない方法と比べて収量は減るが(コメの場合だと12%~13%程度の減少)ここではそのままの値を使用する(農産業振興奨励会資料、および「大好きいわて産」【雑穀編】2006年)。

しかし、現在のヒエの単位面積当たりの収穫量が、弥生時代や奈良時代と少ししか変わっていないとすると(たとえば2~3割増加しただけだと仮定すると、逆算して当時の収穫量は52㎏~56㎏)、当時のコメの単位面積当たりの収穫量がわかれば、主要穀物としてのヒエが、別の主要穀物であるところのコメに置き換えられたという事態の中身がもうすこし明瞭に見えてくるかもしれません。

1町歩がほぼ1haであるように、1反はほぼ10aに相当します。1反あたりの、つまり10aあたりの当時のコメの収穫量は、弥生時代から奈良時代にかけては、40㎏から110㎏くらいだったようです。資料によれば、奈良時代の収穫量は、「上田」(生産性の高い田畑)で106㎏、「中田」(中程度の生産性)で85㎏、「下田」(低い生産性の田畑)で64㎏、「下下田」(生産性が一番低いところ)では32㎏で、平均が60㎏だそうです。(日本技術士会東北支部農業部会「新たな備忘録への道」<古代の尺貫法>)

10aあたりコメ60㎏というのは現在の平均値である530㎏の11%(9分の1)ということですが、つまりは当時のヒエの10aあたり52~56㎏という単位収穫量と大差ないことになります。(ただし、52~56㎏という値は前述のように現在の単位収穫量を2~3割減らしたもので、仮定の数字です。)

だから、今から1500年から1300年前では両者の単位当たり収穫量にそれほどの差がないとすると、コメがヒエを主役のひとりから脇役に押しやった当初の主な理由は、単位収穫量ではなく、マクロ面ではコメを主食穀物および租税媒体としてどんどん生産させたいという公的な力と、ミクロ面では食べ物としてのコメの食味力(どうもコメがヒエやアワよりもうまいらしいという体験と口コミ)だったのかもしれません。

その後、品種や農業技術の進歩でコメの単位当たりの収穫量が大幅に増大し、主食穀物としてのコメの地位がより安定したわけですが、コメが主食穀物であると認識されているということが、つまり瑞穂の国であるということが、必ずしも日本人の全員が米を毎日必要なだけ食べていたということではなさそうです。

おおざっぱな言い方をすると、コメと雑穀の割合がどちらがどれだけ多いかを別とすれば、主食穀物の歴史の流れの中で「コメと雑穀を混ぜ合わせたもの」を主食とする人たちはおおぜいいたし、1960年代の初めまでアワやヒエを栽培し続けていた山間部の農村も少なからずあったようです(佐々木高明氏の著作)。

さて、ヒエとは本当にまずい穀物なのか、僕はコメが好きですがコメと比べるとどうなのか、実際に岩手県産のヒエだけ(ヒエ100%)を炊いて(これをここでは「ヒエご飯」と呼んでいます)自分の舌で確かめてみることにしました。

1300年前ないし1500年前のコメの味もヒエの味もわかりませんが、味の相対性は現在まで維持されていると考えることにします。つまり、今のヒエが今のコメと同じくらいおいしければ、当時も同じくらいおいしかった、今のヒエが今のコメの半分くらいのおいしさだったら当時もそうだった、とみなすということです。もっとも、この想定はおそらくヒエにとってフェアではありません。コメに関する品種改良や食味改良の努力の量は、ヒエに対するそれをはるかに凌駕するだろうからです。古代米のひとつである赤米を手にとっても実にほっそりとしており現在のコメ粒のふっくら感がありません。しかし、ここではこの想定のままにしておきます。

その前に値段についてです。「8世紀くらいまではコメとアワ(粟)とヒエの主要穀物としての交換価値を含む価値は拮抗していたようだ」と最初に書きましたが、現在はその均衡が大きく崩れています。買い求めた「無農薬・白干しヒエ」(つまりコメだと無農薬の白米)は、最高級の有機栽培・魚沼産コシヒカリもびっくりするくらいの価格です。500gが1,260円、1㎏が2,310円なので、5㎏だと(5㎏袋はないので、1㎏袋を5個ということになりますが)なんと11,550円です。それなりに食味の良い白米が5㎏で2,200円前後なので、21世紀の初頭ではヒエはコメの5倍の交換価値を持っています。今回のような好奇心からの実験を別にすれば、コメ10ないしコメ20に対して雑穀1くらいの割合で雑穀米を食べるのが家計の面でも妥当な混合比率のようです。

週末の晩ごはんの主食として食べてみました。

まず、炊く前のヒエ(白干しヒエ)の姿かたちですが、色は黄土色、ヒエ一粒の大きさはコメ粒を10分の1くらいに細かく砕いたくらいなのでとても小さい。茶色がかった黄色の丸いゴマ粒がいっぱいある状態を想像してもらうと割に近い感じになるかもしれません。コメにはうるち米(普段ご飯としてたべているコメ)ともち米(餅用)がありますが、ヒエはうるち性の穀物です。

軽く洗って水に1時間くらい浸した後、水の量はコメよりも多めにして、鍋で14~15分ほど炊くとできあがり。我が家では晩ごはん時には、玄米も3分搗きも白米も鍋で炊いているので(ただし、玄米の場合は圧力鍋)、ヒエも鍋で炊きました。

食べたヒエご飯の量は、お茶碗に軽めの2杯。

最初に、おかずなどを食べる前にヒエご飯だけを味わってみたかったので、あつあつ炊き立てをそれだけで茶碗に軽めによそったのを食べます。ふわふわモチモチしていて同時にパサパサしています。つまり全体としては香りとふわふわモチモチ感と甘みがあるのですが、個々はパサパサしているといった不思議な感じで、のどを通るときの感触がよくありません。一粒一粒の小ささはお互いにくっつきあうので気になりません。

そのあと、魚や野菜などのおかずをいくつか食べ、最後がまた茶碗に軽めによそったヒエご飯に味噌汁と香の物。ここで、この20~30分の間に不思議なことが起こりました。2回目のヒエご飯は、少し時間がたったので温かいとはいえあつあつではありません。少し固まり、また硬くなって、パサパサも強まっています。漬物や味噌汁がないと食べづらい。ここでおにぎりを持ち出すのは唐突ですが、ヒエはおにぎりには向いていないようです。

コメと比べた場合のヒエの食味点数をつけることはやめますが、ヒエの常食者がある程度おいしくなった段階のコメを食べてしまうと、もう元には戻れないかもしれません。ヒエは他の雑穀とともに少量をコメに混ぜ合わせて食べるのがいちばんよさそうです。

ところで、712年に編纂された古事記も正史のひとつだとすると、その内容を記憶していたのが「稗田」阿礼(ひえだ の あれ)で、「稲田」阿礼や「米田」阿礼でなかったのはちょっと面白い。

「少しだとまあまあおいしい『ヒエ(稗)ご飯』」の終わり

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2011年1月11日 (火)

少しだとまあまあおいしい「ヒエ(稗)ご飯」(その1)

コメに少量のヒエを混ぜるのではなく、コメだけを炊くように、ヒエだけを炊いたもの(ヒエ100%)を「ヒエご飯」とここでは呼ぶことにします。

稲作農耕が紀元前3~4世紀の弥生時代に北九州へ伝来する以前に、北海道や青森や岩手などの東日本ではヒエ(稗)が、主食穀物として栽培されており、また、8世紀くらいまではコメとアワ(粟)とヒエの主要穀物としての交換価値を含む価値は拮抗していたようです。しかし、その後、13世紀の鎌倉時代に二毛作が始まり、14世紀室町時代にコメの生産額が飛躍的に向上し、そういうコメ生産技術インフラの拡大整備とともに、日本は実質的にコメの国になっていったのでしょう。

ヒエは最近時々食べていて、といってもヒエをそれだけで食べているわけではなく、白米(精米)を食べたくなったときには、我が家の味の好みに合わせるために雑穀ブレンドを1割足らず混ぜることもあるのですが、その雑穀のひとつとしてわずかに入っているヒエを食べているという意味です。

雑穀とは、広辞苑では「米・麦以外の穀類」と簡単に説明されていますが、日本雑穀協会は「現代の日本人の主食は白米であり、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ、ハトムギ、オオムギなどイネ科作物の他、イネ科以外のソバ、アマランサス、キノア、ゴマに加え、ダイズやアズキなどのマメ類、また、普段食される機会の少ない玄米や発芽玄米も広く雑穀」と雑穀を広く解釈しています。しかし、こうなると普段、玄米や3分搗き(つき)を食べている我が家のような家庭にはその考え方が広すぎてかえって混乱してしまいそうです。

玄米や3分搗き(つき)の好きな僕がこんなことをいうのは広い定義に従えば自家撞着ですが、イネ科の雑穀は、コメに比べるとまずいという思い込みと記憶があります。この思い込みと記憶がどう作られたかというと、思い込みに関しては、コメ以前の主食穀物としてはアワやヒエなどしかなかったので、おいしくないのだけれどそれらを食べた、という小学生・中学生向けの教科書の影響(そういう風な記述があったと思います)、記憶に関しては、子供の頃短期間ですがときどき食卓に登場した麦ご飯(コメに麦を一部混ぜて炊いたもの、なお麦ご飯の麦とは大麦)の麦は我慢して食べるくらいまずかったというその当時の舌の記憶です。

麦については雑穀ご飯(白米に雑穀を混ぜて一緒に炊いたもの)で今でも簡単に確かめられます。炊いた麦は(押し麦の場合は最初から)コメにくらべて平たくて大きいし、真ん中に茶色い筋が入っているので、それを雑穀ご飯の中から集めるのは簡単で10個ほども集めて噛んでみると、おいしくなかったという子供の頃の記憶の正しさを確認できます。より正確に表現すると、噛んでもふかふかしていて味がないという意味でのまずさです。

ヒエには、マグネシウムをはじめ、亜鉛、カリウム、銅、ビタミンB1/B2、カルシウム、鉄分などが含まれ、白米に比べて、タンパク質、カルシウム、鉄分、それから食物繊維も多い。

では、そういうヒエがなぜ、8世紀くらいから主食穀物としての地位を徐々にコメに浸食されていったのか。

通常は、一般的な言い方をすれば、以下のような条件が複合した場合に、そのような状況(主要穀物間での淘汰ないし置き換えという事態)が起こります。

・コメの方がヒエよりも、おいしいし、粒が大きくて食べやすい
・コメの方がヒエよりも、単位面積あたりの収穫量が目に見えて多い
・「コメを作ってコメを食べよう、コメを租税として納めよう」という方向で社会インフラ整備を進めるコメ推進グループ(別の言葉でいえば「正史」を書くグループ、あるいは「瑞穂の国」推進グループ)の政治力・経済力が、ヒエ(やアワなど)を愛好するグループよりも圧倒的に強い

(その2)に続く

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2011年1月 7日 (金)

いい香りの梅干し

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年が開けたので、寝かせてあった梅干しを食べ始めることにしました。我が家の梅干しは、塩の量が18%という昔ながらの作り方で、アマチュアには15~16%以上の方が作りやすいということもありますが、主な理由は減塩風の妙に甘ったるい梅干しが嫌いだということです。梅干しは良質の塩を使って塩辛く、です。

ひとつ取り出してお皿の上に置いてみると、梅の香りが漂います。箸ですこし切り取り、口に運ぶと、梅の香りがさらに強くなり、そして舌の上では、塩辛さと梅の甘さが同時にひろがります。この香りと自然の甘さは、おそらく、完熟した梅(樹上で完全に熟し、空中のネットの上に自然落下した梅の実)をつかったからだと思います。

紀州(和歌山)では6月の下旬から、完熟梅の収穫が始まりますが、今年も自家製梅干しを作る予定。札幌では、土用干しの時期をみつくろうのが難しい。しかし、自家製はおいしい。

去年の自家製梅干しに関する関連記事は「完熟した梅は桃の香り」「完熟した梅は桃の香り(その2)」「梅の土用干し」などです。

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2011年1月 6日 (木)

お正月用の簡単なデザート2つ

以前の記事で書いたように(「紅白の寒天ゼリー」)、お正月用に料理用金箔を浮かべた紅白の寒天ゼリーを作りました。ワイン醸造用の葡萄をそのまま搾っただけの赤と白の葡萄ジュース(このジュースは知り合いからの頂き物)と棒寒天(角寒天)を混ぜ合わせただけの簡単なものですが、葡萄ジュースの濃厚な甘さがほとんど消えて大人向きの控えめな味の紅白寒天ゼリーになります。このジュースは欧州オーストリア産で、寒天は伊豆の材料をと長野で加工したものなので、我が家のお正月料理の一部が少し西欧化してしまいましたが、外国化の程度は、市販の和洋中三段重ねなどと比べるとあってなきがごとしです。

それから、柚子(ゆず)の皮のはちみつ漬け。お正月の間はほんの少しだけ食べて(そのままだと、僕には甘すぎるので)、残りはお正月のあとにゆっくりと柚子皮パイに仕立てあげます。そうすると甘さも許容範囲に落ち着くことになります。柚子のパイは皮が主人公なので、無農薬の柚子(これも頂き物)を使います。

6年くらい前に、好奇心から和洋中の三段重ねを買い求めたことがありますが、洋と中の脂や肉は予想通り冷たい料理には向いているとは言い難いので、雑煮以外は火を使わないという慣習を守ろうとすると、元日は我慢できるとしても、2日目以降は、食べるのをやめるか火を通しなおすしか対応の方法がありません。近所にできあいの和洋中を好む方がいらっしゃるので、洋と中についてはどうしているのかと尋ねたら、「当然、チンするのよ。」

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2011年1月 5日 (水)

おせちは、好きなものだけを好みの味付けで

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お正月料理はやはり自宅で作るのがおいしい、で、配偶者が5年ほどからまた作り始めました。ただし、僕の意見も取り入れてもらい、好きなものだけを好みの味で作ります。

お正月料理は、日持ちさせるために、甘い濃い味付けのものも多いのですが、我が家では、おせちに甘い濃い味は禁止。また、僕の食欲の向かわない種類のものは作らないということにしてあります。たとえば、昆布と濃く甘く煮た魚を組み合わせた昆布巻きは作りません。

祝い肴のごまめ(田作り)・数の子・たたきごぼう・黒豆や、酢の物の紅白なますや酢蓮(すばす)は好物で、在庫がなくなるまでずっと楽しめて飽きるということがありません。ごまめ(田作り)は甘いねっとりとした味付けではなく、さらっとした仕上がりのピリカラ味です。この方がお酒との相性がいい。

魚は、鯛の酢締め。丸ものを買って魚屋で刺身用に5枚におろしてもらい、後は自宅で好みの塩と好みの酢で締めていきます。こうすると、お正月の間、おいしい鯛が味わえます。丸ものは高そうな気がしますが、サクなどをバラ買いするよりもコストパフォーマンスははるかに良い。

それから、鯛のアラは、出汁(だし)に使う部分と、カマのような焼いて食べた方がおいしそうな部分に分け、後者をいくつか集めて焼き魚にすると年末の晩ごはんのけっこう贅沢なおかずになります。

北海道は百合根(ゆりね)の産地(生産量の99%が北海道)なので、1年前は百合根のきんとんを作ってみたのですが、甘すぎてうんざりしたので、今年のメニューからははずしました。

煮しめはクワイとサト芋だけ。普段は好きな野菜であるにもかかわらず、おさえた味付けにしてあっても、毎回だとどうしても箸の向かう回数が減ってくるシイタケやレンコン、ニンジン、ゴボウは今年は煮しめから除外。

どうも、酒の肴風だけに絞られたという気もします。

雑煮には小ぶりな玄米の丸餅を入れます。おなかの具合によって1個ないし2個。雑煮は、すまし汁を基本にしますが、退屈しないように味噌仕立ても途中にはさみ、両方を楽しみます。今までは味噌仕立てには白みそを使っていましたが、このお正月は、去年の1月下旬に仕込んで7月下旬天地返しをした味噌が食べられる状態になってきたので、自家製の米味噌(大豆と米こうじ)を使いましたが、かすかに甘い味が伝わってくる味噌で、まあ、納得の雑煮になりました(「手づくり味噌」、「道具に働いてもらう自家製味噌作り」)。

例年のことながら、玄米丸餅の味がけっこう後を引きます。

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