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2011年4月12日 (火)

石炭・石油・天然ガスの可採年数がこの10年でどう変わったか

風評というものは、事実でないことが事実であるかのような衣装をまとって風のように僕たちを取り囲むことなので、注意していないとその風に流されてしまいます。

風評による影響は食べるものに関してはしばしば話題になりますが、それが風評であるのかどうかを判断するのは食べ物の場合には意見の違いはあるにせよ比較的簡単だと思います。しかし、風評というものをもっと大きなくくりでとらえてみると、けっこう時間がたったあとで、それらがどうも風評だった、つまり事実でないことが事実であるかのような衣装をまとってそのあたりを闊歩していた、と気づくこともあります。

「世界の温暖化は悪いことで、その悪いものであるところの温暖化の最大の原因はヒトが経済活動によって排出するCO2で、だからCO2排出量を規制し、CO2を出さない原子力発電のようなクリーンな発電方式に我々は向かわなくてはいけない」という考え方と活動がずっとありましたが、今回の福島原子力発電所の事故をきっかけに、はたしてこれは事実なのか、それとも壮大な風評なのかをちょっと立ち止まって見直してみようというのが現在の僕たちの状況だと思います。

だから、それに関連して、「化石燃料がまもなく枯渇するので、それに対処するためにもこれからは原子力」と言われる場合の化石燃料の枯渇の実態も同時に確かめてみたいという気にもなります。

迷ったら基本データ(世界の気温とCO2)・補遺」で確かめようとしたように、現在は、日本の歴史でいえば、縄文前期から縄文後期にかけての4500年間にはかなわないにしても、弥生時代の700年間、奈良・平安の500年間と同じ程度に温暖化しているらしい。IPCCの1990年のレポートなどにも登場する用語を借用すると、その温暖な時期は、それぞれ順番に Holocene warming、Roman warming、Medieval warming と呼ばれています。ついでに言えば、温暖化やCO2の増加は、CO2で光合成をして成長する野菜や穀物のような農産物にとってはいいことです。

「世界の気温と大気中のCO2量との関係」や「世界の気温と、自然現象(たとえば、海水中のCO2が大気へ放出されて世界のCO2が増加する)によるCO2の増加ではなく、人間の産業活動(製造や消費)から排出されているCO2の増加量との関係」などを自分なりに確かめようとしたら、「風評」から一度遠ざかって、事実を眺めるにかぎります。そのとき、その「風評」を好きらしいグループや団体が依拠・利用しているデータや統計数字から「風評」とは違った光景が現れると、これは風評を見直してみるという目的にとっては省エネであり、かつ効果的です。

原子力発電の段階的な縮小や廃止を考えると、原子力以外の効率的な代替エネルギーが実用化されるまではまだ時間がかかりそうなので、石炭や石油や天然ガスなどの化石燃料の可採年数(あと何年採掘できるか、あるいはあと何年分残っているか)が気になります。

化石燃料の「可採年数」とは、「確認可採埋蔵量」を「その年の生産量」で割った値(年数)のことですが、その年数は埋蔵量の推定精度や資源の価格や採掘技術などの変化によって変動します。可採年数は一応は客観的に予測されているのでしょうが、たとえば原子力発電を推進することの好きな団体は、自分の仕事を有利に展開するために化石燃料の可採年数を低く見積もるかもしれませんし、資源供給国や資源供給団体は価格を高いところで維持するために、埋蔵量を控えめに発表するかもしれません。

これは、やり方としては不思議でもなんでもなくて、家電でも食べ物でも供給過多になると値崩れし、需給がタイトだと(逼迫していると)値段は高い水準で推移するので、供給側は市場への供給量をコントロールできる範囲で調整しようとしますが、まあそれに似た、その延長線上の発想です。

世界の気温と人間の経済活動によるCO2の排出量とのこの10年間の関係(ほとんど無関係という関係)は以下の通りですが(棒グラフ)、同じように、石炭・石油・天然ガスの可採年数がこの10年間でどのように予測されてきたのかその推移を振り返ってみるのも悪くありません(折れ線グラフ; データソースは各年のBP統計で、資源エネルギー庁の資料にも引用されている)。

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Web

石炭の可採年数は減少傾向にありますが、石油や天然ガスは、すくなくともこの10年間は、毎年使い続けてもどこからか湧いてくるのか、残りは減っていないということのようです。

ちなみに、石油の用途は多岐にわたりますが、現在の日本での石油の主な用途は以下の通りです(「今日の石油産業 2010」)。

_2010_2 

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