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2011年4月28日 (木)

野菜(摂取)不足と100ミリシーベルト(その2)

我が家のある札幌市は、泊(とまり)原子力発電所の東側60キロメートルから80キロメートルあたりに位置しており、途中に高い山はなく、季節によっては強い西風が吹きます。現在、福島第1原発からそれなりに距離のある(40~80キロメートル離れた)複数の場所の放射線量がどういう状況なのか気になるので、4月25日の測定値をもとにしてその日以降の年間被曝量を計算してみます。「地震と津波と非常用リュック」「非常用ご飯の味」ではありませんが、将来、北海道で同じような事故が起こった場合の、念のための私的なシミュレーションです。

4月25日午後2時の福島県内のそれぞれの地点の「空間線量」(福島県災害対策本部の用語だと「環境放射能測定値」)は以下のようになっています。最近の2週間くらいは徐々にゆるやかに下がっていますが、以下は事故から約1か月半経過した時点の線量です。

◇福島第1原発から北西約63㎞ : 1.65マイクロシーベルト/ 時
◇福島第1原発から西約58㎞   : 1.51マイクロシーベルト/ 時
◇福島第1原発から西南西約81㎞: 0.64マイクロシーベルト/ 時
◇福島第1原発から北西約39㎞ : 4.08マイクロシーベルト/ 時

これに24時間と365日をかけると、その日の線量がその日以降1年間持続した場合の年間線量が計算できます。しかし、被曝総量(累積)は外部被曝量(累積)と内部被曝量(累積)の合計で、内部被曝量は呼吸による被曝と食べ物(農畜産物や魚介類や水)の摂取による被曝の合計なので、リスクをどう考えるかの違いを考慮して、2つの場合を考えます。

(1) 総被曝量 = 外部被曝量 + 内部被曝量 = 空間線量 * 3倍
(2) 総被曝量 = 外部被曝量 + 内部被曝量 = 空間線量 * 2倍

ですから、たとえば、福島第1原発から北西約63㎞の地点の年間総被曝量は

(1)1.65マイクロシーベルト/ 時 * 24時間 * 365日 * 3倍 = 43,362マイクロシーベルト = 43ミリシーベルト
(2)1.65マイクロシーベルト/ 時 * 24時間 * 365日 * 2倍 = 28,908マイクロシーベルト = 29ミリシーベルト

となります。

この計算式を使い、上述の4カ所での1年間の被曝量を、「ICRPの緊急声明による短期限度量上限」である「20ミリシーベルト」(現在の政府の改定基準値)と対比しながら棒グラフにしてみると以下のようになります。

ところで、福島県が県内の20カ所の小学校で4月5日から4月6に日かけて「地上高1m」と「地表面」の空間線量を測定した結果があるのですが、「地上高1m」と「地表面」の空間線量を比較すると、「地表面線量」が「地上高1m線量」よりも平均値で30%高くなっています(1.3倍)。つまり、野菜などの農産物には、「空間線量」の1.3倍の量の放射線量が降り積もっていると考えた方がよさそうです。

その前に、空間線量(環境放射能測定値)の推移(途中が飛び飛びデータですが)は以下のようになっています。

_

以下は、「総被曝量 = 外部被曝量 + 内部被曝量 = 空間線量 * 3倍」の場合。

Photo

以下は、「総被曝量 = 外部被曝量 + 内部被曝量 = 空間線量 * 2倍」の場合。

Photo_2

今後、線量がどれだけ着実に減少していくかが気になりますが、福島第1原子力発電所からの放射性物質の「安定的な」拡散は今後まだ数か月から1年はどうも続きそうなので、この2つのグラフは、あるいはそういう環境で生活することになった場合の一応の目安にはなります。

<「野菜不足と100ミリシーベルト」の終わり>

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