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2011年5月16日 (月)

学校給食での国産食材使用率

ここでいう国産食材使用率とは、消費カロリーや消費量といった量的な要素を考えずに、たとえば学校給食にじゃがいもや牛肉、鯵(あじ)やワカメといった食材が100種類使われていたとして、そのおのおのが国産食材か輸入食材かを区分し、かりに60種類の食材が国産であれば、その率を60%とするという単純なものです。

学校給食は、(財団法人)□□市学校給食会というところが提供していることも多いようです。つまり給食の外部委託です。□□の部分に適当に都市の名前を入れたら、それに対応するホームページが検索できます。給食会の方針によりますが、家庭配布用の給食メニューを第三者にオープンしにしているところと、関係者にだけ内容を公開しているところの2種類があるようです。(僕の居住地の給食会は残念ながら後者で僕のような部外者には給食メニューはわからない。)

今回のような、福島原子力発電所の事故で農産物や畜産物が放射性物質によって汚染されるといった事態が発生しないとこういう情報は公開されないのかもしれませんが、神奈川県内のある市では、先月から小学校給食用食材の産地が給食会から公表されています。「給食用物資の産地」と題された報告書です。「物資」という表現に驚きましたが、まあそういうものだと理解しておきます。この報告書の目的は、個々の食材の国内産地(各都道府県)を、給食メニューとあわせて、父兄に連絡することだと思われます。

しかし、僕の関心は、ここでは、食材の国内産地がどこなのかということにはなく、いろいろな食材がどれくらい国内調達されているか、品目別に見た場合にはどの程度を輸入品に依存しているのかの方に向かいます。(ただし、農林水産省のカロリーベースの食料自給率の方法とは違い、たとえば国内産の豚肉はその飼料の大半が輸入品であっても国産食材とここでは考えます。)

小学校給食の3大基礎食材は、ごはん(コメ)とパン(小麦粉)と牛乳で、牛乳の嫌いな子供は大変ですが、牛乳は献立表に毎日登場します。ごはん(コメ)は当然のことながらすべて国産、パンの原料としての小麦粉はごく一部は北海道からも調達しているようですがほとんどが米国とカナダから、牛乳は国産。

気になったのが主食としてのごはんの提供頻度です。4月と5月の献立(予定)表を眺めてみると、34回の食事回数のうち、20回(59%)がごはん(麦ごはんや丼物を含む)、13回(38%)がパン(いろいろな種類のパン)、そしておそらく子供の大好きな麺類が1回(3%)。パンの登場回数が多すぎる気がします。

念のために東京都の西の郊外にある小学校の5月の献立表を調べてみたら、ここは外部委託ではなくて自校方式(学校の中で給食を作る方式)ですが、おそらくそのことも関係していているのでしょう、ごはんの回数が結構多くて、5月の献立表だと、19回のお昼のうち、13回(68%)がごはん、4回(21%)がパン、麺(中華麺とスパゲティー)が2回(11%)となっています。

また、最初の小学校の給食に戻ると、その食材は、コメと小麦粉と牛乳を除けば、生鮮食材と冷凍食品、加工食品や乾燥食材などで、たとえば生鮮食材だと「タマネギ」「ジャガイモ」「キャベツ」「アスパラガス」などの野菜や「牛肉」「豚肉」など、冷凍食品だと「ベーコン」「きびなごフライ」「アジの竜田揚げ」、加工品では「缶詰のトマト」「缶詰の筍(たけのこ)」や「油漬けマグロ」、乾燥食材だと「昆布」「ひじき」などが並んでいます。

これを生鮮品か加工品かといった区分でなく、新鮮なものも加工食材も一緒にして、「農産物(キノコなどを含む)」「畜産物(卵を含む)」「海産物(魚介類と海藻類)」「果物」という風な種類で区分してその国産食材使用率を調べてみると、以下のようになります。

Photo

【註】ある品目が、国産食材と輸入食材の両方を使っている場合は、国産0.5、輸入0.5として計算。

(1) 農産物。野菜はおおむね国産品。しかし、「トマトピューレ」や「トマトケチャップ」などのトマト加工品や「タケノコの缶詰」はおそらく値段が安いので、世界各地のトマト生産国や中国からの輸入品。

(2) 畜産物では、牛肉・豚肉・鶏肉は国産。しかし「ベーコン」や「ハンバーグ」といった加工品は酪農の盛んな複数国からの輸入品。親子丼に使う卵の産地がよくわからない。

(3) 意外なのが海産物。海産物とは魚介類と海藻類のことであるが、輸入された加工品が目立つ。「アジ竜田揚げ」「メルルーサのフライ」「タラ(ポーション)フライ」「マグロ水煮」「マグロ油漬け」「アサリ水煮」「ひじき」、サラダ用の「ミックス海藻」などは中国・東南アジア・北米・南米・ロシアからの輸入加工品。(【註】「メルルーサ」とは味がタラに似た、外食産業でフライなどによく使われる安価な白身魚のこと。また、「タラ(ポーション)フライ」とは、タラの四角い切り身のフライのことで、超訳すれば、タラの四角いハンバーグ。)

(4) 果物は半々くらい。「黄桃缶」や「パイナップルの缶詰」は中国やタイからの輸入品。

以上をまとめると、おかずの大きさをそろえるためには、魚のフライや切り身やハンバーグなどは加工品を使わざるを得ないのでしょうが、そうした加工品はたいていが輸入品。しかし、牛肉・豚肉・鶏肉はしっかりと国産品。普通のごはんに麦ごはん、丼物や混ぜごはん、あるいは五目寿司といった按配で面白いのだが、ごはんの登場回数がもっと多くてもよい。全般的には大人の世界の相似形で、平均的な大人の食べ物よりも国内生産の食材が多いという感じはしません。

僕は学校給食は家の食事に比べてひどく不味かったという記憶しかないので、現在の給食がどんな味つけなのかはわからないし、味噌汁の出汁(だし)がどうなっているのかもわかりませんが、一度シンプルな献立のものを食べてみたいという好奇心があります。特に味噌汁。

ちなみにその小学校の5月16日の献立は「麦ごはん、牛乳、煮魚、きんぴら、みそ汁」のシンプルな和風仕立て。「煮魚」の材料と調味料は「いわし、しょうが、しょうゆ、砂糖、酢、酒、水」、「きんぴら」は「ごぼう、にんじん、つきこんにゃく、ごま(白)、ごま油、しょうゆ、砂糖、酒、七味唐辛子、水」、そして「みそ汁」は「油揚げ、キャベツ、わかめ(生)、淡色辛みそ、削り節、水」(表現は原文のまま)。

どんな味わいの「みそ汁」なのか、興味がわきます。子供にとって給食は外食だとすると、きちんとした料理屋などを別にすれば、外食でおいしい味噌汁を出すところはあまりないからです。料理の味付けに化学調味料の類が使われているのどうかは資料に記載がないのでよく分かりません。

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