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2011年6月22日 (水)

野菜の施設栽培、あるいは植物工場(その2)

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植物工場の野菜や果物は、日本でよくみられるのは、レタス・ミツバ・ホウレンソウのような葉物野菜とトマト、それからイチゴなどでそれ以外の種類への拡がりは見かけません。

オランダの本格的な施設園芸・植物工場の対象は花卉(かき、たとえばチューリップ)と野菜で、施設面積は花卉が56%、野菜や果物が44%(2010年の想定値)。生産額だと、花卉は69%、野菜や果実は31%(2007年実績)。

では、野菜の中ではどういうものが施設栽培・植物工場の主流なのか。生産量でいえば、トマト(36%)、パプリカ(26%)、キュウリ(15%)、ナス(10%)といった順番で、ここ15年くらいの推移をみると、トマト、パプリカ、キュウリ(それからナスやイチゴ)に施設面積や生産量が集約されてきています。

ここでは話をオランダに限定しますが、栽培施設や植物工場で生産された野菜はオランダ全体の農畜産物の生産額や輸出額のどの程度を占めているのか。少し簡略化して、トップ20の農畜産物品目の生産額や輸出額を100%としたときに、それらはどの程度の割合なのか。FAOSTAT (2008) を参照して話を進めます。

オランダの農畜産物生産の中心は、畜産物です。つまり、牛乳、豚肉、鶏肉、牛肉、鶏卵などで、生産額で見た場合、いわゆる野菜類で上位にくるのはジャガイモ(3位)のみ。トップ10に入るのは7位のマッシュルーム、8位のビート、9位のタマネギと、そして10位のトマト。パプリカは11位です。

先ほど施設園芸・植物工場の主要品目であったトマト・パプリカ・キュウリ・イチゴを合わせた生産額を農畜産物全体(ただし、トップ20)の生産額と比べると、4.3%。ネギ類を加えても4.7%。

農畜産物のネットの輸出国(農畜産物の輸出額が農畜産物の輸入額よりも大きいという意味)であるオランダの農畜産物の輸出状況を見ると、チーズや煙草、加工食品や牛肉・鶏肉、ビールなどが上位を占め、トマトは9位、パプリカは16位。トマトとパプリカを合わせた輸出貢献度は8.5%(ただし、トップ20品目の輸出金額に対して)です。煙草とビールは、どうも、普通の農畜産物とはいえないのでそれらを除いてみても、トマトとパプリカの輸出貢献度は10%です。

つまり、花卉(かき)を別にすれば、園芸施設・植物工場経由の野菜の貢献度は「風の便り」ほどは大きくはありません。

(【註】オランダの煙草やビールを含んだ広義の農産物の輸出額は790億ドル、広義の農産物の輸入額は495億ドルで、ネットの輸出額は295億ドル。ちなみに同じデータソースによると、2008年の日本の輸出額は27億ドル、輸入額は567億ドル、ネットの農産物輸入額が539億ドルで主要国の中では一番多い。)

◇◇

(その3)に続く

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