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2011年7月19日 (火)

お米の値段と購入量、ブランド別の価格差

お米のブランド力格差」、「お米のブランド認知とブランド力の持続」や「お米の価格と都道府県別の需要実績(その1)」「お米の価格と都道府県別の需要実績(その2)」の関連記事です。

「米に関するマンスリーレポート」というタイトルの資料が農林水産省のホームページで見られます。米(コメ)の価格(60㎏玄米の相対取引価格や、5㎏ないし10㎏精米の小売価格)の状況や需給・在庫状況をまとめたレポートですが、7月8日付のものが最新のものです。その中で、過去3年半のコメの小売価格の推移と、過去10か月ほどのいくつかのブランド別の店頭価格の差が一覧できます。(ただし、当該資料に登場するブランドは、僕の以前のブログ記事で僕が関心を持ったお米のブランドときちんと重なっているわけではありません。)

(当該資料の中のそれぞれの)グラフによってパッケージ単位や小売価格の捉え方が違うので、絶対値としての価格は気にしない方がいいかもしれません。意味があるのは「コメの価格トレンド」と「いくつかのお米のブランドの相対的な価格位置」です。

なお、引用したグラフは上記マンスリーレポートの該当部分の写真コピー(つまり手抜き作業)なので、見にくい部分はご容赦ください。

最初に食べ物に関する消費者物価指数の推移です(総務省データ)。「平成17年」(グラフには出ていない)のそれぞれの物価を「100」とした場合の、その後の物価の推移をプロットしたものです。対象は「食料」(穀類と魚介類と肉類など)、「穀類全体」(米、麺、パンなど)、それから「穀類全体」を細分した「米」「麺」「パン」の5つです。

米(コメ)だけが、6年半前と比べると、どうも顕著に価格下落傾向を示しています。

Photo

<「食料」「穀類」「米」「麺」「パン」の物価指数の推移>

次の「小売物価統計による推移」とは、これも総務省のデータで、米を「日本各地のコシヒカリ」、「コシヒカリ以外のブランド米」、そして名前のない「ブランドではなく、ブレンド米」の3つのグループに分類して価格推移を3年間ほど概観したもの。

対象は「東京都区部における精米5㎏の消費税込み・小売価格で、特売価格を除いたもの」となっています。つまり、スーパーなどでよくお目にかかるコメの特売での価格変化はここには反映されていません。したがって、消費者の買い求める「店頭価格」よりは高く

コシヒカリの価格が最近は持ち直しているといった短期の違いはありますが、3つのグループの価格の下降傾向に特別な差はなさそうです。

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<東京都区内での消費税込み・「特売を除く小売価格」(精米5㎏)>

最後が全国のスーパーや生協などにおける、コメの実質的な小売価格であるところの「店頭価格」の9か月の推移と「店頭価格」のブランド間格差ですが、ここでは「魚沼産コシヒカリ」のような高級ブランド米は対象外、それから「福島」や「茨城」などのコメ、北海道や山形のニューフェース米もグラフ表示の対象外となっています。(ここでの価格は、紛らわしいのですが、前のとは違って、精米10㎏の消費税抜き・店頭価格で、農水省の調査データ。)

最後のグラフからは、「新潟コシヒカリなどの高級コシヒカリ」、「その他各地の消費者向けブランド米」、「一般消費者にも好まれるけれども業務用需要の多いお米」といったセグメント別の動きが、一部の品目の変な動きも含めて、再確認できるということでしょうか。

Photo_2

<全国の、コメの消費税抜き・「店頭価格」(精米10㎏)>

では、この価格低下で消費量が伸びたかというと、実態はその逆で、家庭におけるお米の購入量(㎏)は減っています。

総務省の家計調査で、2人以上世帯の「精米年間購入量」を見ると、平成20年では、前年比が103.4%と増加しましたが、平成21年は平成20年の96.1%、平成22年は平成21年の97.7%となっています。平成22年と平成20年を比較してみると、平成22年の精米購入量は平成20年のそれの93.9%ということになりました。

おなかがすくのはとても困るので、基礎穀類や穀類加工食品全体の購入量(ないし消費量)は増減する性質のものではありません。つまり、「コメとパンと麺類の購入量合計」はほぼ一定だと考えられます。増減があるとすれば、節約モードで食べ残しを減らす、食べきれない菓子パンのようなものをついでに買ってしまうといったことをやめるということ(あるいはその逆のムダ買い現象)くらいでしょう。(ちなみに、「コメとパンと麺類の購入合計量」は平成21年が平成20年の99.1%、平成22年が平成21年の99.0%と、わずかな減少傾向を示しています。)

少々の誤差を気にしなければ、「コメ」と「パン」と「麺類」は、現在の日本の家庭では

コメの購入量 = パンの購入量 + 麺類の購入量

という関係にあります(総務省・家計調査)。ここでの購入量とは2人以上家計での1年間の購入量(㎏)のことです。

正確にはまだ、【 コメの購入量 > {パンの購入量 + 麺類の購入量}】 ですが、トレンドは【 > 】から【 = 】へと流れています。現在の状況は、コメの購入量を100とすると、パンの購入量は55、麺類の購入量は45です。

平成22年の「パン」の購入量は平成20年の102.4%、平成22年の「麺類」の購入量は平成20年の103.1%、先ほど見たように平成22年の「コメ」の購入量は平成20年の93.9%なので、コメの食べる量が減った分が、パンと麺類(特に麺類)でまかなわれていることになります。

米粉パンは店頭ではまだほとんど見かけませんし、家庭向けの米粒パン製造器もこの春から量産され始めたので、平成23年や平成24年の「コメ・パン・麺類」の家計調査でどういう変化が現れるのかが楽しみです。

さて、コメに戻ると、震災や放射性物質汚染対策としてのこの3月の臨時追加購入を除けば、小売価格が下がっているのにコメの購入量・消費量は増えていません。そういう場合に、個々のスーパーや生協などでは売り上げ増加のために、しばしば、特売という手段に訴えます。つまり、平均店頭価格は下がり、その結果、小売り段階でのコメの売上金額は徐々に減っていくという日本のお米にとっては楽しくない状況が続いているようです。

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