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2011年7月26日 (火)

冷蔵庫のカタログに見る食の傾向

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商品カタログには、たいたいは、その商品をどううまく使いこなすかについてのわかりやすい説明やきれいな写真が配置されています。先日、あるメーカーの冷蔵庫の総合カタログを眺めていました。何年かおきに、食の傾向の変化を大まかに確認するには便利な資料です。

こういった高価な部類の家電製品は、ユーザーニーズ、この場合は食品や食材の購買・収納担当である主婦のニーズと、その家庭の食のニーズ(その家族がどんな食材やどんなタイプの加工食品を好んで食べ、また飲むか)を反映していると思うので、冷蔵庫のパーティションと各パーティションページでの収納例の写真から平均的な(あるいは、主流の)食生活が読み取れます。

パーティションとは、ここでは、個別に独立した機能別の収納スペースのことで、つまりは、冷蔵室・製氷室・(生肉や揚げたての揚げ物・炊き立てご飯を急速に冷凍させる)凍結ルーム・冷凍室・野菜室などをさしています。

冷蔵室の扉収納スペースに缶ビール・缶ジュースやお茶のペットボトルや牛乳パックが立ち並んでいるのは昔からの風景で、以前との違いは、さまざまな味のサラダドレッシングのボトルが扉の一角を占領していることぐらいかもしれません。ただ、何かが消えています。

少し驚いたのは野菜室の写真。最近は、サラダなどを除けば、葉物野菜や根菜類といった生野菜に包丁や熱や調味料を加えて料理するということが少なくなってきているのでそういう傾向をしっかりと切り取ったような景色を使っているのか、それとも野菜室は野菜のための野菜室なのでタテマエを優先させて野菜がいっぱいの収納写真を使っているのかと思ったら、野菜室の40%近くを、野菜以外が占めていました。現実対応型路線のようです。

このスペースに米櫃(こめびつ)をおくのは米の保存ためには非常にいいので、ここに米びつを配置した写真はそのメーカーのひそかなユーザー教育かもしれません。米びつ以外では冷蔵室では収まりきらないお茶や水のペットボトル、醤油やサラダ油のペットボトルなどが何本も立っています。

醤油や酢のような日常の調味料が、冷蔵室というまん中から上の非常にアクセスしやすい場所からは放逐されてしまったようです。

日本酒好きには愉快ではありませんが、このスペースに日本酒の4合瓶を配置した写真はカタログにはなかったと思います。その視点からすると当然ですが、一升瓶は、今までもそうでしたが今後も、家庭用冷蔵庫の収納対象品目とは全くみなされていないようです。そしてその判断は、正しいと思われます。

もっと驚いたのは、冷凍室の収納例の写真で、別に僕が驚くことはないのかもしれませんが、本棚に新刊本を隙間なく並べたと同じような風情で、冷凍食品が背表紙を上にして縦にぎっしりと並べられています。うーん。写真のとなりの宣伝コピーは「まとめ買いできる余裕のボリューム」。

炊事や調理に関しては省エネを旨とするタイプの主婦や、忙しいので調理のための時間を節約したい主婦が好むのは各種の冷凍加工食品やレトルト食品、具入りの味付けソース(たとえばパスタソース)やカット野菜・加工済み野菜などですが、最近の冷蔵庫の「売りの機能」はそうした傾向に対応しているというよりも、それをしっかりと先取りしているようにも見受けられます。

過剰スペックでうんざりするようなのや、肝心の基本機能がヨーロッパ系の製品に比べてめだって弱い家電製品があったりもしますが、食べ物関係の日本の家電製品は、炊飯器であれパン焼き器であれ冷蔵庫であれ、良く考えられていて、初心者向き操作とベテラン向きの機能の全体的なバランスのとり方がうまいと感じます。そのバランスの良さは、料理の好きな家庭を満足させるレベルのものだと思うので、変なたとえですが、大きな焦点と小さな焦点をもった不思議な形の楕円形みたいな形でユーザーニーズを取り込んでいるみたいです。

◇ ◇ ◇

念のために現場を確認しようと、とあるナショナルブランドのスーパーマーケットの冷凍食品の売り場に行ってきました。週末の遅めの午後です。

新刊本風の冷凍食品がいっぱい平積みされており、棚には平積みよりも値段の高いものが表紙をこちらに向けて並んでいます。ちょっとした壮観です。価格の階段は、98円・148円・198円・228円・248円・298円・348円、値段の階段に沿って代表的な種類をあげると、たこ焼き・お好み焼き・そば・うどん・揚げ物・一般パスタ・中華・高級パスタとなります。ゴーカケンランなのが1種類ありそれは有名牛丼店の味が味わえる牛丼の具で値段は498円。

昼食専門の簡易スパゲティー屋や簡易中華屋なら出来そうな品揃えです。

買い物客がいちばん選んでいるのは、鶏や根菜などを使った各種の揚げ物の冷凍食品。札幌の台所は揚げ物をあきらめるほどには暑くはないのですが、チンで済ませた方が楽なのでしょう。

それから、トマトなどとは違って調理に手間のかかる種類の野菜類は、買い物カゴを拝見する限りではあいかわらず人気薄のようです。

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コメント

私は子供のときから、冷蔵庫カタログの冷蔵品見本をつい熱心に見るクセがあります。すぐパーティーできそうな立派なオードブル、サファイヤかエメラルドのような色の巨大ゼリー。もちろん、演出ですが楽しいのです。

投稿: ねこファン | 2012年1月 5日 (木) 16時30分

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