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2011年8月

2011年8月31日 (水)

北海道の省略時解釈値は洋風料理

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省略時解釈というのは情報処理でよく使われる方法です。僕たちが頻繁に出会うのはソフトウェアツールやそのアップデートなどをダウンロードした時です。「ご利用契約に同意なさいますか」という質問が現れて、答えの画面は「○ はい ● いいえ」。通常は「いいえ」の方が最初から選択されています。ユーザーがそのままポンとやると答えは「いいえ」。この場合の「いいえ」を省略時解釈値といいます。これは、ユーザーの意思をユーザに不都合にならない形で確認するための、商取引やそれに準ずる場合の応用事例です。

最近はこの言葉の応用範囲が拡がってきて、ある問いに対して「答えは当然こっちでしょう」というのも省略時解釈とみなされているようです。省略時解釈値は英語だとディフォールト・バリュー (Default Value) ですが、だから最近は「デフォは云々」という表現を一般の話題についての文章でも見かけます。つまり、たいていの方が選択するであろう解答は省略時解釈値ということになってきた模様です。

この数年、この傾向はどこから生まれたのかと考えていたことがあって、それは、北海道では、同じ材料から複数の料理や複数の加工食品の作成が可能な場合、どうも非常に高い確率で洋風料理や洋風加工食品が選択されるのだが、その背景はなにかということです。ちょっとした食べ物関連の催しものなどでは料理の出店がずらっと並びますが、ざっと見まわした時の各出店のメニューはどうも圧倒的に洋風か準洋風です。

日本の食文化を米(コメ)文化と小麦文化に分けると、各都道府県は、どちらに属するのか判断に迷う地域もあるけれども、たいていの地域は米(コメ)文化圏、しかし北海道は例外的に小麦文化圏と僕の目には映ります。つまり、上述の省略時解釈値という言葉を援用すると、各都道府県の住民が「米(コメ)文化か小麦文化か」と問われた場合の省略時解釈値は、北海道は小麦、その他のほとんどの地域では(たとえば新潟県)、米(コメ)ということです。その省略時解釈時の値が料理や加工食品に影響を与えます。

日本の米(コメ)文化圏では、米しか食べない、小麦には興味がないといことではなくて、料理の基本が和風で、だから小麦を使った料理や加工食品も米(コメ)文化圏風の顕われとなります。逆に小麦文化圏では、大量に米(コメ)を生産していたとしても、料理の基本が洋風で、したがって小麦を使った料理や加工食品に小麦文化圏風の特徴が顕われます。

具体的にいうと、小麦から「うどん、そうめん、お好み焼き、麩(ふ)」を生み出すのが米(コメ)文化圏で、これが小麦文化圏では「ラーメン、パン、ピザ、ケーキ」ということになります。他の家庭料理や食材でいえば「味噌汁、おでん種」に対して、「シチュー、ソーセージ」。「日本酒」と「ワイン」という対比や「煎餅(せんべい)」と「クッキー」という比較を付け加えることもできます。北海道には「ラーメンサラダ」というのがありちょっと高級な居酒屋でも定番メニューですが、「冷やし中華」を洋風にアレンジするとこうなります。「スープカレー」という北海道特有のカレー料理も「カレー風味の洋風煮込み」ということなのでしょう。

酪農が盛んであるということもありますが、明治時代以降の小麦生産が北海道の洋風料理・洋風加工食品好きの文化の基盤を作ったのだと僕は考えています。牽強付会の言い方をすれば、だから、和風料理や和風加工食品という分野では、残念ながら米(コメ)文化圏の後塵を拝しているのでしょう。「ゆめぴりか」はこれを変えられるのか。

ひとつは米(コメ)文化の深化という点での影響力、もうひとつは小麦食文化から生まれた商品の市場射程距離を長くするという意味での影響力です。

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2011年8月30日 (火)

タマネギの季節

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ある農産物の特産地では、その農産物の食べ方が一般的に上手です。だから、その素材を使った家庭用の料理メニューになるほどというものがあり、一度くらいはマネしてみたくなります。

北海道は全国の収穫量の半分以上(収穫量シェアは57.5%、平成21年)を生産するタマネギの産地で、佐賀と兵庫(淡路島)が北海道に続きます。ただし、収穫量では1番と2番・3番の間には結構な差がついています(佐賀のシェアが13.0%、兵庫が8.5%)。市場に出回る時期が佐賀がいちばん早く、ゆっくりと育てるのが好きな淡路がそれに続き、北海道は早生(わせ)のものでも8月中旬から9月で、それ以外はもっと遅いので、時期的にはお互いにある程度いい補完関係にあります。紋切型の物言いだと北海道のタマネギは生産量指向で、兵庫(淡路)のタマネギはブランド指向。

淡路島のタマネギに関するメディア記事を読んでいたら、タマネギはどんな料理にも使えるのだけれど、いままでの淡路の家庭料理の定番は「酢味噌和え(あえ)」や「味噌汁」、しかし新しい定番として「タマネギのごまみそマヨネーズ和え」の人気が高まっているとありました。「マヨネーズ」を加えたところが、最近の味の傾向を反映しています。

タマネギは酢との相性がいい。だから酢味噌和えが人気メニューなのはよくわかります。我が家ではサラダ用のドレッシングは自家製ですが、週末の昼食時にわりによく作るのが「大きなタマネギ1個、米酢100㏄、ナタネ油100㏄、塩は小さじ1杯、黒の粒胡椒を10個」をミキサーでガーとかき混ぜてつくるタマネギドレッシングで、つまり、タマネギと酢の組み合わせです。

淡路島では「酢味噌和え」の今様が「ごまみそマヨネーズ和え」なのでしょう。マヨネーズは自宅で作ってみると、こんなに植物油を使わないとできないのかというくらい植物油を使います。基本材料の量を少しデフォルメすると、卵1個にあとはすべて植物油というのがマヨネーズなので、どちらかというと若い人向きの調味料です。しかし、そこに「ごまみそ」が混じっているので中年以上も引きつけそうです。

タマネギは、ストックしてあるといろいろなものにちゃちゃっと使えて便利な食材です。我が家でも旬の時期には箱の単位で購入しできるだけ涼しげな場所(あるいは、寒い季節には寒すぎない場所)に保管しておきます。

北海道では味噌汁の具にタマネギを使いますが、これは淡路島と同じ。タマネギ産地の知恵なのでしょう。手数のかかるタマネギメニューのひとつにオニオングラタンスープがありますが、これなどはボリュームがあるので、朝にパンと一緒に食べると、ご飯とタマネギの味噌汁とは違って、どちらが主食かわからない。

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2011年8月29日 (月)

味噌の天地返しは楽しい

今年は1月下旬に麦麹味噌、そして2月初めに米麹味噌、さらに「さといらず」という珍しい青大豆をつかった米麹味噌を3月上旬(札幌はまだ寒い)にと、3度に分けて仕込んだので、まとめて天地返しをするのは無理だと思っていました(『続・「今年の味噌は、米麹と麦麹で」 』)。

1月下旬バージョンと2月初めバージョンは、もう大丈夫だろうと6月末に具合を見たらきれいに醗酵が進んでいたので、その場で天地返し。3月上旬バージョンはさすがに、まだ、という様子だったので、2か月ほど待つことにし、先週末に実施しました。すでに天地返しをしてあるものも、甕(かめ)の蓋をあけて念のために様子を見ます。たまり汁の具合もよくて、味噌の香りがそのあたりに漂いだし、つまりは順調に醗酵しています。

44度の麦焼酎は、梅干し作りの時とこういう場合にしか使わないのですが、その強い焼酎で、いったん洗って乾かした重石、甕(かめ)の内側上部や蓋(ふた)の内側をていねいにぬぐって消毒。

天地返しの楽しみは、ごく少量の味見をすること。すでに味噌らしい味になっています。しかし、来年まで1年間は醗酵させ続けた方がおいしいので、麦麹味噌は米麹味噌よりも出来上がりがはやいのですが、米麹も麦麹もあと4か月あまりはいっしょに静かに眠らせておきます。

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2011年8月26日 (金)

魚捌(さば)きが苦手だとゴルフもできない?

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遅めの夕方です。配偶者が晩ごはんの準備にとりかかりはじめたころに、親しくしている近所の奥さんの突然の訪問がありました。応対に出た配偶者に「晩ごはんの準備はこれからですか?」と尋ねる声が聞こえてきます。

「主人がゴルフコンペの賞品にサンマを一箱もらってきて、魚屋さんでよく見かける発泡スチロールにサンマがいっぱい氷詰めされているアレなんですけど、うちも今夜は食事の準備は終わっているし、半分はご近所に配ってまわらないと片付かない。」

配偶者が「どうする?」という表情を浮かべているので、喜んで頂戴することにしました。手には脂の乗った大きなサンマが3匹入ったボールと一夜干しのイカが2枚。その夜のおかずは急遽サンマの塩焼きに変更。

その奥さんによると、「サンマ一箱」分だとお裾分けで対応できるので比較的に簡単だが、賞品が「鮭の丸もの」だと自分で捌(さば)くしかないのでうんざりしながら夜なべ仕事だそうです。奥さんが魚料理が苦手だと、札幌ではゴルフもできない(ご主人の包丁さばきがうまい場合はその限りではありませんが)。

「サンマ一箱」という賞品があるなら、おそらく、「新ジャガ段ボール箱10㎏入り」というのもあると思われます。しかし、こちらの方は一刻を争う生ものではないので、夕方に持って帰る賞品としてはより歓迎されるかもしれません。

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2011年8月25日 (木)

エゾ鹿肉

他の学部には申し訳ないのですが、北海道大学といえば最初に浮かんでくるのがやはり農学部で、その農学部の学生が企画・運営しているらしい「2011 北大マルシェ」という、主催者風にいうと「農水畜産物の生産者と消費者の交流会」に配偶者と出かけました。開催期間は先週末からの2日間。パンフレットには農業に関心のある北海道大学の学生が実行責任者となっており、農学部の学生ばかりではないのかもしれませんが、そろいのTシャツを着ている係の学生の中には女子学生も目立ったのでそうした女子学生の一人に「農学部ですか?」と聞いたら、「そうです」。

会場では、「交流会」らしく、農畜産物生産者が講師を務める食に関する少人数セミナーもあるのですが、散歩がてらに会場に出かける消費者やテント作りのブースで商品の販売に忙しい農家の人たちにとっては「とれたて野菜などの農畜産物と簡単な料理の即売会」です。

生野菜から漬物、牛乳からソーセージ、ホタテの干し貝柱から石窯ピザとにぎやかですが、今回の僕のいちばんのお目当ては、「エゾ鹿肉」です。エゾ鹿肉は肉ですが普通の畜産物ではありません。普通の畜産物とは、それが生であるか加工品であるかは別にして、家畜を素材にしたものです。狩猟によって食材として捕獲された野生の鳥獣のことをジビエ(仏語)とかゲームミート(英語)といいますが、エゾ鹿肉はまさにそれにあたります。

北海道では野生の鹿が増えすぎて、農産物や森林植生(たとえば、木の芽や樹の皮)を食い散らかすのでそれを防止するために狩猟しています(知床方面を旅行してみると、エゾ鹿による森林植生の荒れがよくわかります)。狩猟されたその肉は食材として販売されていますが、需要が少ないため流通規模はまだまだ限られています。

もっとも最近では、野生のエゾ鹿を追い込みのような方法で無傷で捕獲し、それをエゾ鹿肉として商品化するまでの間は、飼料も含め、野生の状態に近い環境で養うといったことも行われているそうです。

僕は、牛肉も赤身で脂肪分の少ない「リーン」なものが好きだったのですが、鹿肉は豚肉や牛肉にくらべると非常にリーンな食材です。脂質(脂肪)は牛肉の10分の1。

会場では、あるブースでエゾ鹿肉の竜田揚げと生姜焼きをお皿に半分ずつ盛りつけたのを売っていたので、2皿注文しました。自然な調味料の味付けだったので、邪魔されずに肉の味を楽しめます。僕にとってはとても好ましい、素直な赤肉の味です。エゾ鹿は、急な増殖による食べ物不足で里の農産物をいくぶんかは食べているかもしれないけれども、森の中で勝手に生きているので、BSEなどとは無縁です。

竜田揚げと生姜焼きは、結構よく考えたプロモーション用メニューだと思いました。家庭でも簡単にできる料理だし、学校給食メニューとしてもすぐに使えます。

全部食べる、全部使う、そして鯨」という記事の中で食材としての「エゾ鹿肉」に言及したのが1年6か月前(2010年2月末)。馬肉はその肉の色から「さくら」といわれていますが、鹿肉はそのリーンな赤さから「もみじ」と呼ばれています。もっと人気が出てきてもおかしくない食材です。

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2011年8月24日 (水)

再び、カラスとトマト

カラスが、黄色いネットでしっかりとおおわれた生ごみの中からめぼしいものを器用に引っ張り出しているのを目にしても、すでに見慣れた光景なので、「カラスは黄色に弱い」「黄色い色を嫌う」という仮説を笑っているようなカラスの知能の高さを再確認するだけですが、赤いミニトマトをくちばしに2個くわえて逃走するのを見かけると、ちょっと驚きです。

樹の生い茂った広い公園などはカラスの高級住宅地ですが、そういう公園に近い札幌市内のとある地域での話です。所用の場所へ向かう途中に戸建て住宅がありました。塀で囲われているので外からは一部分しか見えないのですが、なかに家庭菜園があり、そこでミニトマトが栽培されています。塀の内側なので僕のような道行く人には邪魔されないと考えたのか、カラスが熟れたミニトマトをどうも盗もうとしています。そいつは、賢そうな眼をしており、熟れた赤いミニトマトを2個、くちばしで器用にはさみ取り、どこかへ飛んでいきました。

ゴミ捨て場のコンビニ弁当の残りだけだと栄養が偏(かたよ)るので、無農薬の新鮮なトマトを意識して選んでいるのかもしれません。カラス恐るべし。だとすると、留守を狙って、我が家の赤と黄色のミニトマトをひそかに失敬している輩(やから)がいてもおかしくない。

配偶者が、熟す1~2日前のが2個地面に落ちているのを夕方に見つけました。様子がおかしいので調べてみると、どうも全部で5個がゴーダツの対象になったようです。2個は地面に落としてしまって失敗。3個は食べてしまったか、持ち去ったか。地面に落としたのを拾っていく余裕はカラスにはなかったようです。家庭菜園では普通はヘタ付きの状態でトマトの実を収穫しますが、実だけが無理やりもぎ取られたのを5個発見しました。犯人は犯罪の証拠を残したことになります。今度、現行犯で見つけたら、焼き鳥にしてやる。

カラスがまだ「山の古巣」に住んでいた「烏(からす)なぜ啼(な)くの」の頃は、ほんの90年ほど前のことですが、ヒトとカラスはもっと仲が良かったようです。

1年ほど前にも「烏(カラス)とミニトマト」という記事を書いていたことに気がついたので、「再び、カラスとトマト」という題にしました。

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2011年8月23日 (火)

いささかがっかりの漬物

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あるご縁で、漬物の詰め合わせセットが届きました。クール便というのか冷蔵便というのか、そういう種類の宅配便で、ある地域のある老舗の伝統漬物です。賞味期限は、浅漬けは1週間、深漬けは長いもので2か月。

旅してきた漬物には申し訳ないのですが、こういう場合は、すぐに袋の裏側の「原材料名」欄を見ることにしています。添加物がほとんどないのが1種類だけ、あとのものにはけっこう使われています。予想通りともいえるし、淡い期待があったので期待外れともいえる。

その一例。

品名: 農産物醤油漬
原材料名: 茄子(なす)
        漬け原材料(アミノ酸液、醸造酒、食塩、唐辛子)
        調味料(アミノ酸等)
        香料
        ミョウバン
        酸化防止剤(ビタミンC)
        (原材料の一部に小麦、大豆を含む)
原料原産地名: 国産

うーんという雰囲気の原材料の構成ですが、茄子(なす)は我が家でも糠漬けを楽しんでおり、茄子の漬物は夏の景色なので、晩ごはんの時に食べてみておいしければそれで良しとします。

淡い上品な紫色です。しかし、その一切れを口に含んで噛むと、すぐにそれとわかる人工的な味漬けになっていて、つまり舌に嫌な感じが残ります。減塩の梅干しをいただくことがあり、お礼をいう都合上ひと粒は味わってみるのですが、たいていは甘くてちょっと嫌な感じがあって、食べる意欲が消失してしまいます。それと同じ傾向の味です。茄子以外に、念のために、胡瓜を(きゅうり)などを付け込んだのも食べてみましたが、あとで舌に気分の良くないもの残るという点は同じでした。ほのかな甘さもあるので最近の消費者ニーズに合わせたのか。色は穏やかで美しい。

我が家とは違ってこういう傾向の漬物の味が好みの知り合いがいるので、1種類を除いてのこりはお裾分けです。残した1種類は干し大根の漬物で、これは結構な味わいでした。

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2011年8月22日 (月)

2010年度の食料自給率は38.5%

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2010年度の「カロリーベースの食料自給率」が38.5%に、2009年度から1.2ポイント低下したそうですが、農林水産省は通常は小数点以下のない数字を使うので、新聞などでは四捨五入された39%という数字が大きな活字で印刷されています。1ポイント強の低下の要因は、高温や多雨でテンサイ(甜菜)や小麦の生産が減ったことだそうです。

すべての責任を押しつけられた小麦とテンサイ(甜菜)には同情を禁じえませんが、それは自給率が意に反して減った部分に対する説明ではあっても、増加させる予定の自給率が前年度から増加しなかったその部分に関する理由説明にはなっていません。

「減少」部分に関して少し詳しく見てみると、北海道の多雨や高温、九州の多雨などの影響で小麦の生産量が全国で前年度比では15%の減少、また北海道のテンサイ(甜菜)の生産も不作で、前年度比で15%減少したのですが、これが主な原因のようです。これは北海道の小麦粉を買ってパンなどを自宅で焼いていると実感できることではあります。

以下(『・・・』部分)は「世界の穀物需給(2009~10年)と日本」と題した2010年4月13日 (火)の「高いお米、安いご飯」の記事の一部です。

『◇北海道産小麦は国産小麦生産量の60%を占めていますが、2009年度は北海道産小麦の収穫量が夏の長雨などの天候不順で予定の70%という状態で、とくにパン用のキタノカオリやハルユタカの収穫量は予定の30~40%。出荷は企業限定で、北海道小麦粉の好きな個人がそれらを買おうと思っても品薄で買えない様子。小麦の自給率上昇という点では、ボディーブロー風のじわっとした悪影響がありそうです。』

なお、「カロリーベースの食料自給率」と一緒に発表される「生産額ベースの食料自給率」も1ポイント下がって、69%になったそうです。主な理由は、生乳生産量の減少、コメ単価の12%の低下、野菜の輸入増などです。

しかし、OECD諸国の中で韓国やオランダと最下位近くのポジションを常に競い続けている穀物自給率(重量ベース)は、飼料自給率が高くなったので、27%と1ポイント改善したそうです。日本の穀物自給率は27%前後で推移しており、たとえば2003年度は27%、2007年度は28%。(関連記事は「主要各国の「農業の対GDP寄与率」と「穀物自給率」など」)

生産額ベースの食料自給率は、農畜産物の需給が逼迫し国内生産の農畜産物の値段が上がれば、生産量は同じでも、上昇する性質のものですが、強引な定義づけをすると、「生産額ベースの食料自給率」は高級野菜や果物、牛乳・牛肉などの付加価値農畜産物(の値段)と相関が強いので「食事の満足度」を表し、「カロリーベースの食料自給率」は、肉や油脂(植物油と動物脂)の影響も受けますが、コメ・小麦・砂糖・一般野菜といった基礎農産物との相関が強いので、食事の満足度ではなく「食事の満腹度」、「飢えない度合い」を表していると考えると便利かもしれません。

カロリーベースの食料自給率に関する計画を「食料・農業・農村白書」などを参考にしてふりかえってみると、以下のようになります。

2000年3月の食料・農業・農村基本計画: 2010年度に45%
2005年3月の基本計画: 2010年度に45%を、2015年度に45%に延期
2010年3月の基本計画: 2020年度に50%

これをつなげると、2000年から2010年までの10年間で5%、つまり毎年0.5%ずつくらい増やしたいと考えていたのだが無理そうなので、2015年までの15年間で5%、つまり毎年0.33%ずつ増やす方向に修正。しかし、2020年の目標が50%なので、そのためには2015年からは毎年1%という急勾配で自給率を上昇させることになります。

実際の推移は、この10数年は以下の通り。

1993年度:37%(1960年以来の最低の値、1960年は79%)
1999年度:40%
2000年度:40%
2008年度:41%
2009年度:39.7%(四捨五入で40%)
2010年度:38.5%(四捨五入で39%)

だから、繰り返しになりますが、「計画より低下した部分」に関する説明と、「増加する予定だったが増加しなかった部分」に関する説明の両方がそろっていないと、あまり説得力のある説明とは普通はなりません。

米粉パン・米粒パンや家畜向けの飼料米などで最近はコメの利用範囲も広がっていますが、生産側・供給側からのアプローチだけでは食料自給率の上昇は無理だと僕は考えています。消費者側も動かないと事態は動かない。基本の考え方は変わっていないので、2010年の秋の、「我が家の国産食材比率から食料自給率を考えると・・(その2)」という記事から関連部分を引用します(以下の『・・・』部分)。今年の3月11日以降は、国産の農畜産物といえども選択的に利用する必要がでてきたので、その部分にはアンダーラインをひきました。

『「食料自給率」を高めながら、「お気に召すまま度」を納得のできる範囲で維持するには、「うんざりメニュー」と「お気に召すままメニュー」の中間点が妥協点ということになりそうですが、それはどのあたりでしょうか。

そのためには、生産者側からの動きと消費者側からの動きが必要だと思われます。生産者側からのアプローチとは「お気に召すままメニュー」に必要な食材を家畜飼料も含めて国内生産するということで、消費者側からのアプローチとは現在の食べ物消費パターンを「うんざりメニュー」にするということです。

そういうことはどちらの側も当然「できない」と主張するのは目に見えているし、実際不可能なので、議論の対象は、ではお互いにどこまで移動できるかということになります。

生産者側の行動として考えられるのは、(・・中略・・)。

消費者側の行動として考えられるのは

◇ 小口パックや無洗米を利用して、今までご飯を炊くことが面倒だった人たちが、もっとお米のご飯を食べる
◇ 小麦のパンだけでなく、お米のパンも食べる(米粉パンだけでなく、お米そのものから焼きあがるパンとそのパン焼き器の利用)
◇ お米のパスタや麺も食べる
◇ 中年以上は、肉を減らし、国産の魚や国産野菜の分量を増やす
懐の許す範囲で、国内産の農産物や国産素材の加工食品を買い支える
◇ ・・・

両側からの行動がなければカロリーベースの食料自給率60%というのは実現不可能な数字ですが、消費行動の変化まで含めて両側の変化を考えると、60%は射程距離の範囲内と考えています。(・・後略・・)』

「食事の満足度」(満足度の高い食事)と「食事の満腹度」(満腹度の高い食事)の話にもどります。

精進懐石料理という宿坊で供される食事があります。一般人用なので修行僧用の本物の精進料理の簡素さはありませんが、精進懐石料理も、穀類(コメ・麦・蕎麦や小麦グルテンで作る麩〈ふ〉)、豆類(大豆など)、胡麻(ごま)豆腐の胡麻、季節の根菜類や季節の葉菜類、海藻(昆布など)やキノコといった「満腹度」向きの素材と食材を活用した料理です。

「食事満足度」からはほんらい遠い距離にあるところの、つまり普通は「食事満腹度」向きであるところの素材・食材に手をかけて、「食事満足度」のとても高いものに変換したのが精進懐石料理だといえます。ある種の魔法です。手がかかるので、その意味では現在の消費者ニーズ・家庭のニーズとはかみ合わないのですが、「家庭の味の外部委託」現象(食材会社・食品会社などが作り出してくれるさまざまな味を消費者が家庭の味として購入して満足しているという現象)をうまく援用できれば、消費者側からのアプローチの役に立つかもしれません。

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2011年8月15日 (月)

8月15日の週はブログは夏休みです

8月15日の週は夏休みで、ブログもお休みとさせていただきます。22日から再開予定です。

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2011年8月12日 (金)

箒(ほうき)の衣類ブラシ

僕と箒(ほうき)との個人的なつきあいはネクタイを締めはじめて少したった頃からだから相当に長い。庭や床、畳を掃く目的の箒ではなく、衣類ブラシ・洋服ブラシとしての箒です。

洋服や靴は割に丁寧に手入れをする方なので、外から帰るとブラッシングすることを習慣にしています。気に入った洋服や履物はそうした方がいい状態が長持ちして飽きません。スーツなどには豚毛を使ったカシミヤ&ウール用の洋服ブラシは必需品ですが、衣類には絹のもの、コットン系のコートや麻の上着、セーターなどの柔らかいものもあるので、比較的大きめの箒(ほうき)の衣類ブラシがあるととても便利です。小ぶりなものも一緒にあると重宝します。それなりのものは作りがしっかりしているので、10年単位で使える(実際はそれ以上)。

ある媒体に箒(ほうき)の記事が写真付きで掲載されているのを目にし、サイズ別・用途別の各種の箒が勢揃いしていてなつかしかったのですが、自然素材だけの箒は美しい。持ち手に自然素材以外を使ったのは、ポリ団扇(うちわ)と同じで論外。

箒(ほうき)には、棕櫚(しゅろ)なども使われますが、畳や衣類ということになるとその原料は「ホウキモロコシ」というイネ科・モロコシ属の一年草です。ホウキモロコシを使った箒を製造するところは主に東日本。その数はとても少ないのですが、古い地名だと相模(さがみ)地方や南部地方で、現在でもホウキモロコシを無農薬栽培し、それから箒を制作・製造しているところがあります。

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 <衣類ブラシ向きの箒(ほうき)>

上の写真は「市民蔵常右衛門(しみんぐらつねえもん)」様からお借りしました。

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2011年8月11日 (木)

我が家のカラーピーマンは桜のつもり?

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目的のバジルの苗を買った時に、ふと目についたので、ついでに1苗だけと衝動買いしたカラーピーマン(黄色)についてです。大きめの鉢植えに植え替えてあります。手がかからないと聞いていたので20個くらいは実がなるだろうくらいの気分でいたのですが、背は伸び白い花は次々と咲くのだけれど、しばらくすると、彼は桜の気分なのか、花ははらりと(実際には、ぽたっと静かに)地面に落ちるばかりで悔しいことに実が1個しかつかない。その1個はまだ緑色ですが、緑色ピーマンとしてはそろそろ食べられるくらいの大きさにはなっています。しかし花ばかりで実はあとが続かない。

ピーマンはナス科トウガラシ属の植物で、ナス科植物は連作を嫌います。ナス科の野菜を育てた土をこのついで買いのピーマン用にいくぶん使いまわしたのですが、そのあたりがどうも気になって、だから土は早い段階で調整しました。陽の光も気温も、トマトやバジルや紫蘇(しそ)が気持ちよく育っているので、ピーマンにとっては最適ではないかもしれないが問題はないはず。水遣りも十分。いろいろと原因をしらべても全く手がかりがありません。

こういう時は、1個は実がなったので良しとし、あとは観葉植物、あるいは白い小さい花をめでるための地味な色合いの植物とカラーピーマンの位置づけをかえて、秋までそれとゆっくりとお付き合いするというのは一つの方法です。元気なので枯れたりする心配は全くありません。

このカラーピーマンはひょっとして桜のつもりなのかもしれません。真夏の白い桜。豪華な桜吹雪というわけにはいきませんが、長い期間にわたってぽてぽてといった感じの散り際の美しさを、僕たちに見せてくれるつもりなのでしょうか。

その1個しかない緑の実がカラーピーマンらしく黄色に熟すころに、なにか大きな変化でも起きないかと期待していますが、さてどうなることやら。

北海道でもピーマン栽培は盛んで、出荷時期は6月から11月。我が家はピーマン好きなので、近隣で栽培されたのをいろいろな料理に使っています。トウガラシの栽培変種なので、英語だと、形の通りで、ベル・ペパー(釣鐘型のトウガラシ)。

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2011年8月10日 (水)

観光農園・農産物直売所と北海道の性質

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農業の6次産業化とは、「1次化+2次化+3次化」で6次化なのか「1次化*2次化*3次化」で6次化なのか、そんなことはどちらでもいいのですが、農業の中に、農産物の栽培・生産という1次産業の要素のほかに、製品の製造や加工といった2次産業の要素、商品や流通やサービスの提供といった3次産業の要素を持ち込んで、農家や農業経営体の所得と利益を増やそうという試みです。そのわかりやすい例として、観光農園や農産物・農産物加工品の直売所経営などがあります。

少し広く考えたら、観光農園にはイチゴ狩りのような果物の摘み取り体験からレストランや民宿経営などが含まれ、農産物直売所も生の農産物だけでなく自分の農産物を自身で(ないしはパートナーと一緒に)加工した商品も含めての販売ということになります。

「食料・農業・農村白書白書」(平成23年版)には農林業センサス(2010)をもとにした「観光農園に取り組む農業経営体の数」と「農産物直売所の設置数」が都道府県別にまとめられています。そうした経営体や直売所設置数が多い都道府県がそういう取り組みに熱意を持っていると考えると、その両方の取り組みに非常に熱心な都道府県と、そうでない都道府県が抽出できます。

両方に熱心なのは、千葉県、山梨県、群馬県、そして北海道。

その逆の地域は、香川県、徳島県、高知県。

観光農園にしろ直売所にしろ、週末や休日にそうした場所にたとえば車でアクセス可能な結構な数の消費者が近隣にいることが前提となるので、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)に近い千葉・山梨・群馬に多くの観光農園や農産物直売所があるのはわかりやすい。

大阪や兵庫から瀬戸内海を橋で渡って、鳴門や高松のような瀬戸内に近い場所の農園や農家へのアクセスは可能ですが、東京から山梨や群馬に行くのに比べると不便だし、大阪、京都や兵庫の購買力は首都圏よりも小さくなります。そういうこともあって、香川や徳島、そして離れたところにある高知には観光農園や直売所が少ないのでしょう。つまり、そういうタイプの6次化には熱心ではない。

以前『「おなかいっぱい食べられる県」と「農家がお金持ちの県」』という記事を書きましたが、そこでは「カロリーベースの食料自給率」が高い都道府県別は、穀物やイモ類や一般野菜などの基礎農産物が豊富な地域で、「生産額ベースの食料自給率」が高い都道府県は果物や高級野菜のような付加価値農産物の生産が盛んなところ、したがって「生産額ベースの食料自給率」を「カロリーベースの食料自給率」で割った値が高い都道府県は、相対的に「農家がお金持ち」の地域だと、強引な解釈をしてみました。

その記事では、(とくにカロリーベースの)自給率が平均以下の地域は対象外として、残った都道府県を懐具合の順に15位まで並べてみましたが、今回はすべてを対象にします。東京・神奈川・大阪のような農産物をほとんど作っていない地域はノイズになりますが、そこは気にしない。

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ここから読みとれることは、農家がお金持ちの都道府県で近県に大量の消費者が住んでいるところでは、直売所や観光農園の運営にとても熱心な様子です。また、農家がお金持ちではあってもそういう幸運に恵まれていない地域では、観光農園や直売所といったタイプの6次化にはあまり興味がなくて、付加価値農産物の生産と流通(卸売市場や小売り直販、通販)というオーソドックスな経路をさらに太くしようとしています。つまり、どちらもビジネスの戦略軸がわかりやすい。

さて、すこし不思議なのは、僕の牽強付会な指標では農家が必ずしもお金持ちとはいえない地域である北海道が、「観光農園」と「農産物の直売所」に、その数では、非常に熱心なことです。広大な地域なのでその数の意味を割り引く必要がありますが、札幌の人口は200万人弱(北海道全体の人口は550万人)。厚い消費者の層ではありません。地産地消の利便性の向上がその目的なら納得ですが、首都圏や四国圏と比べると当該ビジネスの戦略軸がぼんやりとしているように僕の目には映ります。

別の言葉で使えば、北海道は、農業や経済をつかさどる省庁の考えたおすすめメニューに、今もとても丁寧に対応しています。農業や経済をつかさどる省庁のおすすめメニューが何であれ、役に立つのは取りいれるがそうでないのは穏やかに無視をする、傍観を決め込むという暖かい地域で見られる馬耳東風をいくぶんかは採用していいのかもしれません。

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2011年8月 9日 (火)

ドライトマト雑感

必要があり、デパートや輸入食材専門店、あるいは通販で手に入るドライトマトを比較したことがあります。イタリアやトルコのドライトマト、アメリカのドライトマト、そして日本のドライトマト。

大ざっぱにいって、生食用でない調理用のトマトを大量に天日干しなどして乾燥させたものが、イタリアやトルコやアメリカなどの地中海性気候地域のドライトマト。すっぴんで乾燥させただけのもの(ノーソルト、ノンオイル)ありますが、海塩をまぶして乾燥させたり、保存のためにオリーブオイルに漬け込んだものもけっこう多い。

日本では、ドライトマトの生産は限られているのですが、欧米やトルコとは違って、その原材料は普段われわれがサラダなどで食べている生食トマトです。主に大きさが規格外のもの、熟しすぎたものなどがドライトマトの材料に使われています。

料理に使うのに一番いいのは、やはり自家製のセミドライ。自分で作ったトマトでも八百屋で買ってきたトマトでもいいのですが、自宅でセミドライにする場合はミニトマト(とくに卵型ミニトマト)の方が簡単です。強い陽の光を利用できる季節は、迷うことなく天日干し。

我が家は、オリーブオイル漬けや塩味のドライトマトは好みではないので、購入する場合はもっぱら国産のすっぴんドライトマト。お気に入りは大玉トマトを8等分ないし10等分して乾燥させた熊本のものか、卵型ミニトマトを薄くスライスして乾燥させた愛媛のもの。パスタ料理や野菜スープには熊本のものが相性がよく、葡萄(ぶどう)パンのようにトマトパンを焼くには愛媛のものが最適です。

農業のプロは、黄色の卵型ミニトマトは割れやすいということで敬遠することが多いようですが、アマチュアが自分でそだてる分にはそういうことはほとんどなくて、味は黄色の方が酸味が薄いというか甘めです。オリーブオイルとニンニクに唐辛子、そして赤と黄色のセミドライ・トマトが入ったピリ辛スパゲティーは、もともとの自然な甘さと色合いを乾燥による旨みが味を深めて、なかなかにけっこうなものです。

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2011年8月 8日 (月)

ミニトマトに添え木

トマトが成長してくると、トマトは自分では立てないので、添え木(支柱)で支えたり、高いところからつるし上げたりといった支援が必要になります。一般の家庭菜園やベランダ菜園では、上からつるすなどという大げさな設備は持っていないし必要ないので、たいていは地面に立てた添え木(支柱)でトマトを支えることになりますが、トマトは成長速度が速いので、支柱の先端を越えて上に上にと伸びていきます。

今日は、支柱ではないタイプの添え木の話です。

赤くあるいは黄色く熟した果実は下の方から順番に人間の胃袋に入っていくので、地面に近い空間には何もない茎が残ります。で、その茎の部分を下に適度にずるっとおろして、トマトと支柱の高さのバランスをとるわけです。これが茎おろし。上手がやると、ずるっとおろす部分が、まるくきれいにたわみます。

我が家も赤と黄色のミニトマトを複数本ずつ育てており、ある程度の量の果実が食卓に登場し、つまりはトマトのいちばん背の高い部分が空中で行き場を失っている状態になってきたので、土曜日に茎おろしを実施しました。配偶者との共同作業です。

作業は順調に進み、さて最後の一本です。調子に乗り過ぎるとよくないのは、日常生活で我々がよく経験することですが、ちょっと茎に無理な力がかかったのか、茎が軽く折れたような状態になりました。人間でいえば骨にヒビでも入ったような状態。人間ならこういう緊急事態には添え木なので、短く切った割り箸を4本用意し、それで折れかけているあたりをとり囲み、「ねじりっこ」(園芸用品売り場などでよく売っている、針金の入ったプラスチックの平べったい緑のヒモ状のもの)と麻紐(あさひも)で止めてやりました。幸運を祈ります。

日曜日の早朝。ごそごそと起きだして、その添え木トマトを観察します。とりあえず、大丈夫のようです。ホッ。

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2011年8月 5日 (金)

農産物汚染についての、不親切な新聞記事

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同じテーマのインターネット新聞記事を3つ並べてみます。すべて、「静岡県の早場米にどれくらい放射性ヨウ素と放射性セシウムが含まれているかを県が検査した結果」に関するニュースです。

記事検索で最初の方に並んでいた3つをそのまま引用しました(『・・・』が引用部分)。3つのうち2つは不親切な記事、別の表現だと不合格の記事、1つは放射性物質汚染に関心のある読者にはわかりやすい記事ではあるのですが、厳しい採点だとやはり不合格の記事です。

合格と不合格の差はまず記事に「計測データ」がきちんと含まれているかどうか、それから最新の「暫定基準値」(ここでは暫定基準値の数値の妥当性は問わない)や他の食材の基準値がそれといっしょに提示されているかどうか、です。

有機栽培の農畜産物や減農薬・低農薬の農産物、添加物のない加工食品などを取り扱っている会員制の宅配業者の中には、顧客と農産物生産者の双方の利益のために、取り扱っている農産物のうち東日本産の放射性物質汚染度を自社責任で測定し(第3者委託検査)、カタログやWeb上で公開しているところもあります。(これについてのブログ記事は「検査結果を情報公開しますので、主体的な判断はお客様にお願いします。」)

さて、3つの記事を順番に眺めてみます。

◆(記事1):不親切。不親切の理由は、「検出されなかった」という記述があるだけで、検査データが提示されていない。(アンダーラインは、「高いお米、安いご飯」が追加)

『コメ汚染検査:静岡県の早場米、セシウムなど検出されず (毎日jp)』

 『静岡県は3日、県内で最も早く収穫された玄米の放射性物質検査の結果を発表した。放射性ヨウ素、放射性セシウムのいずれも検出されなかった。福島第1原発事故後に自治体が実施した米の放射能検査結果が明らかになったのは初めて。

 県農山村共生課によると、検査を行ったのは菊川市の早場米。10月にも中部電力浜岡原発が立地する御前崎市など県内3カ所の米を同様に検査する。【小玉沙織】

毎日新聞 2011年8月3日 20時19分』

◆(記事2):不親切。不親切の理由は、周辺情報は豊富だが、肝心の部分は「検出されなかったと発表した」という記述に止まっており、検査データが提示されていない。(アンダーラインは、「高いお米、安いご飯」が追加、また、農家のお名前もここでは関係ないので伏字(□)にしてあります。)

『菊川の早場米「安全」 県が放射性物質検査、検出なし (CHUNICHI Web)』
『2011年8月4日』

 『福島第一原発事故を受け、独自に早場米の放射性物質検査をしていた静岡県は3日、菊川市の農家から採取した玄米について、放射性ヨウ素、放射性セシウムとも検出されなかったと発表した

 県は、今月上旬から収穫予定の早場米「なつしずか」を対象に、菊川市内の農家3戸から玄米2キログラムずつを7月25日にサンプルとして採取。藤枝市の民間検査機関で、すべてを混ぜ合わせた上で、再び2キログラム抽出して検査した。

 県は国の通知を受け、消費者に安全性をアピールするため、農畜産物や水産物計36品目の放射性物質検査の実施を決め、既にワサビやナシなどを検査し安全性を確認している。コメの検査結果が出るのは今回が初めてで、今後は10月に県東部と、中部電力浜岡原発がある御前崎市などで検査を実施する予定。

 サンプル米を生産した菊川市の農家□□□□さん(64)は、安全確認の知らせを受け「万歳するほどうれしかった。地域全体の米が出荷できなくなる恐れがあり、心配していた。これで安心して食べてもらえる」と話した。』

◆(記事3):けっこう親切な記事ですが、総合判断は不親切。検査結果を「放射性セシウム、同ヨウ素とも検出限界値の1キロ当たり2ベクレルを下回った」としており、この記述で、汚染度(これを汚染度と呼ぶとして)が1キログラム当たり2ベクレル未満のどこかであることが関心のある読者には理解できます。つまり、この記事からは、上述の2つの記事と違って、「検出限界値が2ベクレルの測定器では放射性セシウムと放射性ヨウ素が検出されなかった」ことを県が発表していたらしいこともわかります。あるいは、この記者が個別に質問をして測定器の検出限界値を聞き出したのか。

ただし、2ベクレルがどのくらい安全・安心な水準であるかどうかは消費者はこれだけではわからない。ないものねだりになるかもしれないのですが、農林水産省がコメに関して検討中の暫定基準値(200ベクレルで線引きを検討中らしい・・)や他の食材の暫定基準値でも併記してあれば、値の妥当性は別にして、その意味はわかりやすい。(アンダーラインは、「高いお米、安いご飯」が追加)

『静岡産米「なつしずか」、放射性物質検出されず (Yomiuri Online)』

 『静岡県は3日、近く収穫が始まる県産米の極早生品種「なつしずか」の玄米を検査した結果、放射性物質は検出されなかったと発表した。

 農林水産省は「コメの放射性物質の検査結果が出るのは全国初ではないか」としている。

 同県が7月25日に菊川市の農家3戸で採取し、混合した2キロを民間機関で検査したところ、放射性セシウム、同ヨウ素とも検出限界値の1キロ当たり2ベクレルを下回った

 同県は食品の安全性をアピールするため、農畜産物36品目の検査を順次進めており、コメは計4産地の検査を10月までに行う予定。

 全国有数の早場米産地の千葉県も4日から、コメの放射性物質の調査を始める。作付けのない浦安市を除く全53市町村326地点で調べる方針だ。

(2011年8月4日00時36分  読売新聞)』

気になる内容のニュースは、時間があれば、複数のメディアの発表記事を見るようにしています。

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2011年8月 4日 (木)

家庭の味の外部委託

わざわざ難しい言い方をすることはないし、屋上屋を架すたぐいの内容かもしれませんが、家庭の味・おふくろの味の外部委託についてです。

外部委託とは、家庭で主婦が料理の味や調味料や料理酒の組み合わせを自分で工夫したり、母親に教えてもらった味を少しアレンジしながら受け継いだりすることではなくて、食材会社・食品会社などが作り出してくれるさまざまな味を家庭の味として購入することで満足するという意味です。満足するというよりも、そちらにほとんど依存してしまった状態だといった方が正確かもしれません。購入場所は、いろいろありますが、主にスーパーマーケット。一部はコンビニやデパートの地下食品売り場。

とくにスーパーマーケットで感じたことですが、味噌や醤油や味醂(みりん)といった基礎調味料のコーナーが閑散としています。もっともこのコーナーが混雑していたら、何か信じられない特売でもやっているのかということになります。醤油のペットボトルを野菜室に収納してある収納例写真が冷蔵庫の宣伝カタログにありましたが、その写真からは、醤油などの基礎調味料を必ずしも取り出しが最も便利な場所にしまう必要はないという消費者の「ニーズ」が読み取れます。

醤油メーカーや味噌製造会社が醤油が売れなくなった、味噌が売れなくなったと叫んでいるとは寡聞にして存じあげないので、どこか別の場所で売れているに違いない。閑散としている醤油・味噌コーナーの裏側に(にぎわいから言えば表側に)「各種の味のもとコーナー」とでも名づくべき華やかな商品棚がありました。

結構な以前からカレー・ルーという「味のもと」はありましたが、「味のもと」なるものは現在は実に多方面に増殖しているようです。ペペロンチーノやミートソースのような「出来合いパスタソース」や麻婆豆腐や酢豚、回鍋肉(ホイコーロウ)のような中華料理用の「味のもと」があるのはわかるし、その延長線上で、もっと多種になっているであろうことは想像できますが、これが和風の和え物(あえもの)や野菜炒めにまで浸透しているとは想定外でした。「辛し和えのもと」「ごま和えのもと」「ピーナッツ和えのもと」、そして「野菜炒め・鶏がら醤油味」「野菜炒め・味噌バター味」「野菜炒め・ゆず胡椒味」などと多彩です。原材料名欄を拝見すると、ここにしっかりと醤油や味噌などが入っていました。

以前ハワイ出身のあるプロスポーツ選手が引退後、おふくろの味と考えていたミートソース・スパゲティーをまた食べたいとその母上にお願いしたら、そのおふくろの味スパゲティーはもう作れない、なぜならそのミートソース・メーカーがつぶれてしまったので、という話をインタビュー番組で見たことがあります。日本でもお母さんの味は、すでにスーパーマーケットにあるのかもしれません。そうなると、その「味のもと」を作っている食品メーカーが存続している限りは、お母さんの味は次の世代に継承していけるという変な話にもなります。

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2011年8月 3日 (水)

烏(からす)と梅の土用干し

普段は天気予報が当たらなくても、軽く舌打ちすることはあってもそれ以上は気にしません。梅の天日干しの時期だけは例外です。

いちおう土用干しということなので、土用の期間(約18日間)のどのあたりに梅を干すかについて札幌の気候の特徴をふまえた複数の希望日というのは想定してあり、それと週間天気予報を見くらべて、週末を軸に実施日を決めるのですが、天気予報というのは何の断りもなく突然変更されるので、その点は実に腹立たしい。しかしそんなことを言ってもはじまらないので、その日に梅を干すかどうかはその日の早朝の空の様子、雲の動き、近所の山の透明度で決めます。いろいろとその後の都合があるので、遅い午前中に判断を持ち越すことはできません。配偶者と共同で作業をします。

干すのは2~3日。2日にするか3日にするかは、生梅のもともとの熟成度と、その日の陽の光の強さや温度・湿度を頭の中で適当に混ぜ合わせて決定します。固めがお好みなら1日、柔らかいのが好きなら3日間といわれますが、赤紫蘇を取り除いたあと赤梅酢の中から取り出すときにその時の梅の柔らかさ・堅さはわかります。

今年は、梅の種類は同じですが、2つの別の産地から大きさと熟成度の違うのを手に入れたので、2日間コースの分と3日間コースの分に分かれました。

竹の大きな平ザルに梅をいっぱいに並べてそのまま庭に土用干し、というのはなつかしい光景ですが、そういう無防備だと最近は黒いヤクザが悪さをする危険性があるのでその方法は難しい。

梅干しは塩辛いので烏(からす)の好物ではないと思いますが、見知らぬものでも危険性がないと判断を下したものに対してはいたずらをするのが好きなので、それを避けるために、梅干しを複数の小ぶりのザルにならべ、そのザルは野菜天日干し用の複数段の折りたたみ式のネットに入れて吊るします。あやつは、カゴから梅をいくつかくわえ出して、そばの手すりに順番に並べるくらいのことはやりかねません。

ということもあり、烏が多い場所での梅干し作りには、ザルや天日干し用ネットやその他の用具が必要で、それらを選択するときに他の用途への使い回しを考えておかないとあとで場所ふさぎになってしまうので、若干のシミュレーションが必要です。

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2011年8月 2日 (火)

「曲がりキュウリ」

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8月になるとトマトの売り上げが減る、とはあるトマト農家から聞いた話ですが、家庭菜園のトマトが本格的な収穫時期になるのが8月なので、8月はその分が売り上げに影響するそうです。

アマチュアが自宅の庭やベランダで作るトマトやその他の野菜やハーブは、出来がいいかどうかは別にして、自分で作ったものはかわいいので、形や味に少々の不満があっても、すべて喜んで食べ、また余った一部はご近所や知り合いに配ることになっているようです。こういう野菜やハーブは、まず、無農薬栽培・無化学肥料栽培なのでもらう方としても安心です。

ところが、その同じアマチュアが、野菜売り場に並んでいる「職業としての農業従事者」のつくった野菜を前にすると態度が変化します。自分の子供はブスでもかわいいが、ブスな他人の子供はやっぱりブスで可愛らしくない、といってしまうと身も蓋(ふた)もないのですが、そういった感覚の変化です。お金を払うのだから、自分の作った野菜の評価基準とプロの栽培した野菜に対する評価基準が異なるのは当然ともいえます。流通市場を通過する今の野菜は、扱いが半分は工業製品なので、野菜にとっては気の毒ながら、見目形(みめかたち)はそれなりに重視されます。

規格外の野菜やわけあり野菜を、味は同じだからという理由で背筋が伸びすぎたような態度で販売している農家や流通事業者にたまに出会います。僕は規格外野菜というのは味と鮮度がよければ好きなのですが、そういう方々から、「正しさ」みたいな雰囲気があまりに強く漂いだしていると一歩引いてしまいます。

逆に控え目すぎる状況も見かけます。少し傷のある梅干しだけを「わけあり梅干し」というネーミングでパッケージングしたのをあるスーパーマーケットで安く売っていました。「わけあり」は、最近は標準用語ですが、それにしてもそう名づけられた梅干しに同情します。

近頃、急速に品ぞろえの進んでいるコンビニの野菜売り場です。カット野菜や小口パックの野菜が多種類並んでいるのはあいかわらずですが、短めにサイズをそろえたゴボウを何本か詰めたのを売っていました。きんぴらゴボウにでもするのでしょうか。そういうことの好きな人がこれを買いにここに来ているということになります。光を避けるために(光が当たると芽が出るので)銀紙パックに包まれたジャガイモも並んでいました。

「お、いいな」と思ったのは棚のゴールデンライン(目線を少し下げたあたり)には「まっすぐなキュウリ」が置かれ、そのすぐ上の棚には「曲がりキュウリ」とかかれた少し曲がったきゅうりが少し安い値段で売られていたことです。「わけありキュウリ」などと書かれるより、「曲がりキュウリ」の方がキュウリにとっても幸せです。「まっすぐキュウリ」は2本入りが98円、「曲がりキュウリ」は3本入り袋が78円(1本は短いのが混じっているので、実際は2.5本)。ここでゴボウを買うような料理の好きな消費者なら、キュウリも必要な場合は、おそらく「曲がりキュウリ」の方をカゴに入れるに違いありません。

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2011年8月 1日 (月)

家庭用の庖丁と砥石

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小学生の頃、ゴム動力の模型飛行機を作るのが好きで、できあがり段階や飛行実験段階でいろいろ微調整を加えると、実際によく飛んだものです。模型飛行機セットに付属のプロペラは当時は竹を削ったもの。夏休みの夕方の小学校の校庭などが、そのためのけっこう便利な場所でした。あまりにまっすぐ飛ぶと回収不可能な場所に落ちてしまう可能性もあるので、ゆるやかに大きく旋回するような仕上がりを一番好みました。

今でもそういう用語で呼ばれているのかどうかは確かではありませんが、竹ひごやニューム管という言葉を思い出します。焦げないように竹ひごを唾で軽く湿して、ロウソクの炎で主翼の先端の丸みを、スピットファイア(第2次世界大戦中のイギリスの戦闘機)の主翼の丸みを思い出しながら整えたり、竹ひごの端をナイフでごくわずかに削ってニューム管に隙間なく収まるように調整したりしたものです。

その時に使ったのが、一般用語だと「折り畳み式の工作用ナイフ」、商品名だと「肥後守(ひごのかみ)」。刃は両刃で一応は鋼製なので、砥石(といし)で見よう見まねで研いだりしたものです。刃の収納部でもある柄は真鍮製でした。(現在販売されている「肥後守」はこちら

さて、我が家で使っている調理用の庖丁類は、三徳包丁が3本と出刃包丁が1本で、比較的錆びにくい材質のもの。庖丁の主たる利用者は配偶者で、僕は庖丁の副次的な利用者、および庖丁を研ぐ係。研ぐ頻度はよく使うものは2週間位に1回。出刃はレベルの高い鋼のものは猫に小判なので、実力にあったものを使っています。三徳包丁は、1本は薄い高価な奴で刺身用、あとのしっかりした2本は野菜やその他の食材の何でも用。やわらかくて小さい青魚などは、庖丁ではなく料理バサミを使った方が便利な場合も多い。

数年前から、粗研ぎ用と仕上げ用の砥石を張り合わせて両面仕様にしたのがストッパー付きの容器におさまった形で売られているので、これさえあれば、我が家では三徳包丁も出刃庖丁も大丈夫。普通は仕上げ用しか使わない。もし研ぎ間違えたら、恥ずかしそうな表情で専門の刃物屋に駆け込めばよろしい。

ただし、デパートの刃物売り場などで有料でやっている包丁研ぎサービスは当たり外れがあるようです。その日の担当が上手な職人であれば見事な切れ味になって感嘆しますが、この程度の家庭用包丁に技術と情熱はかけられないという考えのオニーサンに運悪くあたってしまうと、ぼんくらな切れ味の包丁を受け取ることになります。両方の経験があって、今は、自分で研いでいます。

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