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2011年8月 2日 (火)

「曲がりキュウリ」

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8月になるとトマトの売り上げが減る、とはあるトマト農家から聞いた話ですが、家庭菜園のトマトが本格的な収穫時期になるのが8月なので、8月はその分が売り上げに影響するそうです。

アマチュアが自宅の庭やベランダで作るトマトやその他の野菜やハーブは、出来がいいかどうかは別にして、自分で作ったものはかわいいので、形や味に少々の不満があっても、すべて喜んで食べ、また余った一部はご近所や知り合いに配ることになっているようです。こういう野菜やハーブは、まず、無農薬栽培・無化学肥料栽培なのでもらう方としても安心です。

ところが、その同じアマチュアが、野菜売り場に並んでいる「職業としての農業従事者」のつくった野菜を前にすると態度が変化します。自分の子供はブスでもかわいいが、ブスな他人の子供はやっぱりブスで可愛らしくない、といってしまうと身も蓋(ふた)もないのですが、そういった感覚の変化です。お金を払うのだから、自分の作った野菜の評価基準とプロの栽培した野菜に対する評価基準が異なるのは当然ともいえます。流通市場を通過する今の野菜は、扱いが半分は工業製品なので、野菜にとっては気の毒ながら、見目形(みめかたち)はそれなりに重視されます。

規格外の野菜やわけあり野菜を、味は同じだからという理由で背筋が伸びすぎたような態度で販売している農家や流通事業者にたまに出会います。僕は規格外野菜というのは味と鮮度がよければ好きなのですが、そういう方々から、「正しさ」みたいな雰囲気があまりに強く漂いだしていると一歩引いてしまいます。

逆に控え目すぎる状況も見かけます。少し傷のある梅干しだけを「わけあり梅干し」というネーミングでパッケージングしたのをあるスーパーマーケットで安く売っていました。「わけあり」は、最近は標準用語ですが、それにしてもそう名づけられた梅干しに同情します。

近頃、急速に品ぞろえの進んでいるコンビニの野菜売り場です。カット野菜や小口パックの野菜が多種類並んでいるのはあいかわらずですが、短めにサイズをそろえたゴボウを何本か詰めたのを売っていました。きんぴらゴボウにでもするのでしょうか。そういうことの好きな人がこれを買いにここに来ているということになります。光を避けるために(光が当たると芽が出るので)銀紙パックに包まれたジャガイモも並んでいました。

「お、いいな」と思ったのは棚のゴールデンライン(目線を少し下げたあたり)には「まっすぐなキュウリ」が置かれ、そのすぐ上の棚には「曲がりキュウリ」とかかれた少し曲がったきゅうりが少し安い値段で売られていたことです。「わけありキュウリ」などと書かれるより、「曲がりキュウリ」の方がキュウリにとっても幸せです。「まっすぐキュウリ」は2本入りが98円、「曲がりキュウリ」は3本入り袋が78円(1本は短いのが混じっているので、実際は2.5本)。ここでゴボウを買うような料理の好きな消費者なら、キュウリも必要な場合は、おそらく「曲がりキュウリ」の方をカゴに入れるに違いありません。

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