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2011年8月 4日 (木)

家庭の味の外部委託

わざわざ難しい言い方をすることはないし、屋上屋を架すたぐいの内容かもしれませんが、家庭の味・おふくろの味の外部委託についてです。

外部委託とは、家庭で主婦が料理の味や調味料や料理酒の組み合わせを自分で工夫したり、母親に教えてもらった味を少しアレンジしながら受け継いだりすることではなくて、食材会社・食品会社などが作り出してくれるさまざまな味を家庭の味として購入することで満足するという意味です。満足するというよりも、そちらにほとんど依存してしまった状態だといった方が正確かもしれません。購入場所は、いろいろありますが、主にスーパーマーケット。一部はコンビニやデパートの地下食品売り場。

とくにスーパーマーケットで感じたことですが、味噌や醤油や味醂(みりん)といった基礎調味料のコーナーが閑散としています。もっともこのコーナーが混雑していたら、何か信じられない特売でもやっているのかということになります。醤油のペットボトルを野菜室に収納してある収納例写真が冷蔵庫の宣伝カタログにありましたが、その写真からは、醤油などの基礎調味料を必ずしも取り出しが最も便利な場所にしまう必要はないという消費者の「ニーズ」が読み取れます。

醤油メーカーや味噌製造会社が醤油が売れなくなった、味噌が売れなくなったと叫んでいるとは寡聞にして存じあげないので、どこか別の場所で売れているに違いない。閑散としている醤油・味噌コーナーの裏側に(にぎわいから言えば表側に)「各種の味のもとコーナー」とでも名づくべき華やかな商品棚がありました。

結構な以前からカレー・ルーという「味のもと」はありましたが、「味のもと」なるものは現在は実に多方面に増殖しているようです。ペペロンチーノやミートソースのような「出来合いパスタソース」や麻婆豆腐や酢豚、回鍋肉(ホイコーロウ)のような中華料理用の「味のもと」があるのはわかるし、その延長線上で、もっと多種になっているであろうことは想像できますが、これが和風の和え物(あえもの)や野菜炒めにまで浸透しているとは想定外でした。「辛し和えのもと」「ごま和えのもと」「ピーナッツ和えのもと」、そして「野菜炒め・鶏がら醤油味」「野菜炒め・味噌バター味」「野菜炒め・ゆず胡椒味」などと多彩です。原材料名欄を拝見すると、ここにしっかりと醤油や味噌などが入っていました。

以前ハワイ出身のあるプロスポーツ選手が引退後、おふくろの味と考えていたミートソース・スパゲティーをまた食べたいとその母上にお願いしたら、そのおふくろの味スパゲティーはもう作れない、なぜならそのミートソース・メーカーがつぶれてしまったので、という話をインタビュー番組で見たことがあります。日本でもお母さんの味は、すでにスーパーマーケットにあるのかもしれません。そうなると、その「味のもと」を作っている食品メーカーが存続している限りは、お母さんの味は次の世代に継承していけるという変な話にもなります。

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