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2011年8月31日 (水)

北海道の省略時解釈値は洋風料理

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省略時解釈というのは情報処理でよく使われる方法です。僕たちが頻繁に出会うのはソフトウェアツールやそのアップデートなどをダウンロードした時です。「ご利用契約に同意なさいますか」という質問が現れて、答えの画面は「○ はい ● いいえ」。通常は「いいえ」の方が最初から選択されています。ユーザーがそのままポンとやると答えは「いいえ」。この場合の「いいえ」を省略時解釈値といいます。これは、ユーザーの意思をユーザに不都合にならない形で確認するための、商取引やそれに準ずる場合の応用事例です。

最近はこの言葉の応用範囲が拡がってきて、ある問いに対して「答えは当然こっちでしょう」というのも省略時解釈とみなされているようです。省略時解釈値は英語だとディフォールト・バリュー (Default Value) ですが、だから最近は「デフォは云々」という表現を一般の話題についての文章でも見かけます。つまり、たいていの方が選択するであろう解答は省略時解釈値ということになってきた模様です。

この数年、この傾向はどこから生まれたのかと考えていたことがあって、それは、北海道では、同じ材料から複数の料理や複数の加工食品の作成が可能な場合、どうも非常に高い確率で洋風料理や洋風加工食品が選択されるのだが、その背景はなにかということです。ちょっとした食べ物関連の催しものなどでは料理の出店がずらっと並びますが、ざっと見まわした時の各出店のメニューはどうも圧倒的に洋風か準洋風です。

日本の食文化を米(コメ)文化と小麦文化に分けると、各都道府県は、どちらに属するのか判断に迷う地域もあるけれども、たいていの地域は米(コメ)文化圏、しかし北海道は例外的に小麦文化圏と僕の目には映ります。つまり、上述の省略時解釈値という言葉を援用すると、各都道府県の住民が「米(コメ)文化か小麦文化か」と問われた場合の省略時解釈値は、北海道は小麦、その他のほとんどの地域では(たとえば新潟県)、米(コメ)ということです。その省略時解釈時の値が料理や加工食品に影響を与えます。

日本の米(コメ)文化圏では、米しか食べない、小麦には興味がないといことではなくて、料理の基本が和風で、だから小麦を使った料理や加工食品も米(コメ)文化圏風の顕われとなります。逆に小麦文化圏では、大量に米(コメ)を生産していたとしても、料理の基本が洋風で、したがって小麦を使った料理や加工食品に小麦文化圏風の特徴が顕われます。

具体的にいうと、小麦から「うどん、そうめん、お好み焼き、麩(ふ)」を生み出すのが米(コメ)文化圏で、これが小麦文化圏では「ラーメン、パン、ピザ、ケーキ」ということになります。他の家庭料理や食材でいえば「味噌汁、おでん種」に対して、「シチュー、ソーセージ」。「日本酒」と「ワイン」という対比や「煎餅(せんべい)」と「クッキー」という比較を付け加えることもできます。北海道には「ラーメンサラダ」というのがありちょっと高級な居酒屋でも定番メニューですが、「冷やし中華」を洋風にアレンジするとこうなります。「スープカレー」という北海道特有のカレー料理も「カレー風味の洋風煮込み」ということなのでしょう。

酪農が盛んであるということもありますが、明治時代以降の小麦生産が北海道の洋風料理・洋風加工食品好きの文化の基盤を作ったのだと僕は考えています。牽強付会の言い方をすれば、だから、和風料理や和風加工食品という分野では、残念ながら米(コメ)文化圏の後塵を拝しているのでしょう。「ゆめぴりか」はこれを変えられるのか。

ひとつは米(コメ)文化の深化という点での影響力、もうひとつは小麦食文化から生まれた商品の市場射程距離を長くするという意味での影響力です。

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