タマネギの季節
ある農産物の特産地では、その農産物の食べ方が一般的に上手です。だから、その素材を使った家庭用の料理メニューになるほどというものがあり、一度くらいはマネしてみたくなります。
北海道は全国の収穫量の半分以上(収穫量シェアは57.5%、平成21年)を生産するタマネギの産地で、佐賀と兵庫(淡路島)が北海道に続きます。ただし、収穫量では1番と2番・3番の間には結構な差がついています(佐賀のシェアが13.0%、兵庫が8.5%)。市場に出回る時期が佐賀がいちばん早く、ゆっくりと育てるのが好きな淡路がそれに続き、北海道は早生(わせ)のものでも8月中旬から9月で、それ以外はもっと遅いので、時期的にはお互いにある程度いい補完関係にあります。紋切型の物言いだと北海道のタマネギは生産量指向で、兵庫(淡路)のタマネギはブランド指向。
淡路島のタマネギに関するメディア記事を読んでいたら、タマネギはどんな料理にも使えるのだけれど、いままでの淡路の家庭料理の定番は「酢味噌和え(あえ)」や「味噌汁」、しかし新しい定番として「タマネギのごまみそマヨネーズ和え」の人気が高まっているとありました。「マヨネーズ」を加えたところが、最近の味の傾向を反映しています。
タマネギは酢との相性がいい。だから酢味噌和えが人気メニューなのはよくわかります。我が家ではサラダ用のドレッシングは自家製ですが、週末の昼食時にわりによく作るのが「大きなタマネギ1個、米酢100㏄、ナタネ油100㏄、塩は小さじ1杯、黒の粒胡椒を10個」をミキサーでガーとかき混ぜてつくるタマネギドレッシングで、つまり、タマネギと酢の組み合わせです。
淡路島では「酢味噌和え」の今様が「ごまみそマヨネーズ和え」なのでしょう。マヨネーズは自宅で作ってみると、こんなに植物油を使わないとできないのかというくらい植物油を使います。基本材料の量を少しデフォルメすると、卵1個にあとはすべて植物油というのがマヨネーズなので、どちらかというと若い人向きの調味料です。しかし、そこに「ごまみそ」が混じっているので中年以上も引きつけそうです。
タマネギは、ストックしてあるといろいろなものにちゃちゃっと使えて便利な食材です。我が家でも旬の時期には箱の単位で購入しできるだけ涼しげな場所(あるいは、寒い季節には寒すぎない場所)に保管しておきます。
北海道では味噌汁の具にタマネギを使いますが、これは淡路島と同じ。タマネギ産地の知恵なのでしょう。手数のかかるタマネギメニューのひとつにオニオングラタンスープがありますが、これなどはボリュームがあるので、朝にパンと一緒に食べると、ご飯とタマネギの味噌汁とは違って、どちらが主食かわからない。
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