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2011年9月12日 (月)

日光の野生の鹿(シカ)肉

先日、北海道の野生のエゾ鹿肉のリーンな、つまり脂肪分のとても少ない赤身肉のおいしさや新しい日常食材としての魅力に関する記事を書いたこともあって(「エゾ鹿肉」)、他の地域でもその地域の珍しい食材として食されているであろう鹿肉に関する記事は気になります。

以下のような記事に出会いました。そのまま引用します(引用部分は『・・・』)。

『規制値超え放射性セシウム、日光のシカ肉からも』
(読売新聞 9月7日(水)13時8分配信)

『栃木県は7日、日光市で捕獲された野生のシカの肉から、国の暫定規制値(1キロ・グラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。

県によると、8月25日~9月3日に捕獲された3頭の肉から、1キロ・グラム当たり590~2037ベクレルが検出された。県猟友会日光支部が捕獲し、民間機関に独自に検査を依頼していた。

狩猟で捕獲されたシカの肉が市場に流通することはない。県自然環境課は「汚染された草を食べたのが原因ではないか」としたうえで、猟友会の会員らに捕獲したシカの肉を食べないよう呼びかけている。

野生動物では、福島県や宮城県でイノシシの肉から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されている。』

家畜である牛と違って、野生のシカは、どこかで放射能汚染された「稲わら」を食べることはないので、日光市は福島第一原子力発電所から直線距離で140㎞から150㎞くらいは離れていますが、そこまで風で飛んできた放射性物質に汚染された草や樹皮などを食べて内部被曝をこうむったということになります。とすると、シカ以外の山の食材も同様に汚染されている。

同じ話題について別のメディアの記事を見ても内容はほぼ同じ。シカ肉の消費に関しては、栃木県では野生のシカの肉が一般流通することはなくて、ハンターが食用にしたり、自身が経営する旅館で食材として泊り客に供するとのことです。これを目当ての宿泊客もいると思いますが、しばらくは我慢してもらって、そういう点では汚染されたシカ肉やその近辺の山菜への対応は楽です。

北海道では、たとえば知床にはエゾ鹿肉のビジネス(捕獲・加工・販売)をしている会社があり、札幌にはエゾ鹿肉を食べさせるレストランや料理店があるので、限定されているとはいえ、野生の鹿肉の流通の度合いが北海道では他の地域よりも進んでいると言えます。「エゾシカ協会」のホームページを拝見すると、北海道には、月に1度以上はエゾ鹿肉料理を提供している飲食店が50店、エゾ鹿肉を取り扱う精肉販売店が18店舗そろっているようです。

代替エネルギーではありませんが、シカ肉は牛肉などの代替肉(ただし、国や地域や人によっては代替品というよりは、それを凌駕する高級食材)となります。北海道の東部と東北部ではとくに農産物被害や森の植生被害が大きく、それがエゾ鹿肉を捕獲して食べようという動きの背景になっています。野生なので人為的な家畜育成環境で発生しがちな病害とは無縁。しかし、福島の事故のようなことが北海道の日本海側や南に海峡を隔てた地域で発生すると、エゾ鹿の多く暮らす森の除染などの優先順位はとても低いか対象外だろうからシカも大変だな、などと考えてしまいます。

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