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2011年10月27日 (木)

迷ったら、食べ物は、安全サイド

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一般消費者というか、日常に生活していて朝ごはんや晩ごはんを食べる人は、何しろ毎日食べないと飢えるので、専門家の意見がどうであれ(どう極端に分かれていようと)どういう食材をどういう風に食べるか、あるいは家族に食べてもらうかは自分で判断するしかない。我が家ではそうしています。気に入った専門家の意見に素直に(ないしは盲目的に)従うというのも選択肢のひとつだとは思いますが、それは僕の流儀ではない。

ものごとの判断に迷う時に、安全サイドの選択肢をとる人とリスクの高い方を好む人の二通りのタイプがいますが、食べ物などに関しては、僕は(あるいは我が家では)安全サイドを選択するようにしています。

農薬や化学肥料や食品添加物、それから、たとえば大豆などの遺伝子組み換え農産物(そういう農産物は、たいていは農薬とタネがセット販売されている)やBSEの検査をきちんとしているのかどうか定かでない国の牛肉などといったものは、食材に関して僕たちが接する日常のパラメーターですが、一応は、そういうものは現在の日本ではそれなりに管理されているので、農薬や化学肥料の多い野菜やお米を食べたからといって病気になるわけではない(ただし、ときどき輸入品などに例外があって大騒ぎになる)。食品添加物がいっぱいの弁当やラーメンや加工食品を頻繁に食べているからといってとくに健康が損なわれるわけではありません。いい味、繊細な味がすぐにわからなくなり、より強い舌への刺激を求めてそういう人工的な味に囲い込まれるという欠点は確かにありますが、まあ、それだけのことともいえます。

我が家では、できるだけ(しかし、無理はしない)、有機栽培や特別栽培(低農薬・低化学肥料)の農産物を選択し、食品添加物の入った加工食材やお店の食べ物は遠慮するようにしています。なので、普段から食材の選択に関して自分なりの選択軸・選択基準を持っている人や家庭は、放射線量(被曝量)とガンなどの発症リスクの関係に対しての専門家のさまざまの主張に対しても、食材に関しては、それなりに対応が取れているのだろうと思います。

被曝した放射線量とガンなどの発症リスクの関係に関する専門家の考え方は、被曝量が多くて議論の余地なしという場合を別にすれば、孔子・孟子・老子・荘子といった春秋戦国時代の諸子百家というよりも、戦後の中国の百花斉放(ひゃっかせいほう)・百家争鳴(ひゃっかそうめい)に近い状態なので、非専門家は非専門家としての判断が必要となっています。

ある集団が、事故などが原因で、一定量以上の放射線量をある時間幅で被曝(内部被曝と外部被曝)したときに、ガンの発症リスクがある割合で確実に増加すると考えられていますが、その一定量以上という時の一定量も20ミリシーベルトとする専門家、100ミリシーベルトという研究者、200ミリシーベルトと考えている専門家、250ミリシーベルトとする人や1,000ミリまで大丈夫という学者もいて、これだけでけっこう百家争鳴状態なのですが、単位期間あたり100ミリシーベルト未満の低線量被曝といわれるもののリスクの形がどんなものかについても意見が分かれているようです。

高い線量に関しては、下の2色のラグビーボールみたいな手書きの図だと、放射性物質から放射線をいっぱい被曝するとヤバイというのは合意されていても、右上の黒丸の位置が専門家によってそれなりに幅があるということです。

100ミリシーベルト未満の低い線量被曝に関しては、再び以下の2色のラグビーボールでいうと、日常生活でいちばんわかりやすいのが赤の直線でリスクと(被曝)放射線量が比例しているもの。(【註】これがLinear Non-Threshold : LNT仮説<閾値のない直線仮説>と呼ばれているもので、閾値という難しそうな漢字は「いきち」、あるいは「しきいち」と読み、そこを超えるとヤバイといった時のそのヤバさが始まる値のこと。だから「閾値なし」とは、そこから突然状況がかわるという「そこ」はなくて状況はスムーズに変化していくという意味です)。

Photo

低い線量の場合は健康の心配はない、蓄積被曝量とガンの発症リスクは単純には比例しないという専門家もいて、そうなると、ラグビーボールの緑色の下に膨らんだ部分か、その下のずーと横に伸びて突然カーブが立ち上がる感じになります。専門家の中には「閾値なし直線仮説」(つまり赤い直線)などは笑止千万とおっしゃる方もいらっしゃるようです。

要は、詳細はよくわからない。

しかし、よくわからないでは困るので、判断に迷った場合は、安全サイドを選択することにしています。その選択基準は、食べるものに関してはできるだけ安心・安全なもの、そしておいしいもので、関連パラメーターが農薬でも食品添加物でも遺伝子組み換え作物でも放射性物質汚染が懸念される農産物・畜産物・水産物でも同じこと。塩もここに含めた方がいいかもしれません。

農薬を大量に使った農産物の大規模機械化生産よりは、小規模・中規模の有機栽培や低農薬&低化学肥料栽培を食べる、種と農薬をセット販売することでビジネスと生産量を拡大している輸入遺伝子組み換え作物よりは、国産の「非」遺伝子組み換え農産物を選ぶ、純度の高すぎる塩化ナトリウムだけの精製塩よりはミネラル分をいっぱい含んだ伝統的な作りの自然海塩を使う、食品添加物のいっぱい入った加工食品を買い、またそういう種類の食べ物を外のお店で食べるよりは自宅で安心な食材で料理する、それから放射性物質汚染に関しては国の暫定基準以下などというおおまかな表示ではなく、地域あるいは生産者・漁獲者が汚染濃度をきちんと測定し明示してある食材を買う、といった具合です。だから、「迷ったら、安全サイド」といってもそれなりに手間隙(てまひま)はかかります。

◇ ◇ ◇

客観的にわかりやすく放射線リスクとその対処法を解説した本のひとつが「放射線から子どもの命を守る」(高田 純 札幌医科大学教授)だと思いますが、その本から、(胎児や乳児や子供ではなく)大人やそれに近い年齢層に当てはまる記述を一部を引用します。

「これまでの研究で、200ミリシーベルト以上の放射線を一度に被曝すると、後年、白血病や甲状腺がん、乳がん、肺がん、胃がん、結腸がん、卵巣がん、多発性骨髄腫を発症する確率が高くなることがわかっています。このうち白血病は、最短で2~3年の潜伏期間の後に発症し、発症率は6~7年後に最大になります。また、被曝線量が高い人ほど早く発症する傾向にあり、被曝した年齢が若い人ほど発症のリスクが高くなることがわかっています。」

「放射線の影響としてがんを発症する確率は、線量に比例していると考えられています。少なくともこれまでの研究で、200ミリシーベルト以上の線量では、比例関係が確認されています。しかし、それ以下の線量については、まだ検証されていません。」

「結論からいうと、100ミリシーベルト未満の被曝で生じる影響については、まだ明確なデータがないため、専門家や研究者の間でも見解が分かれています。」

「一度に被曝」という場合の「一度」の時間幅の長さがこの文章だけではよくはわかりませんが、ある幅をもった時間の流れだと少しあいまいに、つまり安全サイドに僕は解釈しています。

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