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2011年11月29日 (火)

柿の木と杉の木

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札幌というか北海道から見た柿の木と杉の木の共通点は、寒いので、ともに北海道では生育できないということです。

正確にいうと、というか僕の見た範囲では、函館やその少し北のあたりが杉の生育北限で、だから、渡島(おしま)半島の比較的津軽海峡に近いあたりまで行かないと杉の林にはお目にかかれません。おなじみの針葉樹は北海道では松だけなので、スギ花粉に悩んでいる人にとっては、北海道はとても住みやすい場所です。

それから、おそらく、柿の木も函館のある渡島(おしま)半島やその少し北の辺りが北限だと思います。柿といっても甘柿ではなく渋柿。ただし、寒さに強い種類があるのか、寒さに適応したのか、例外はあって、あるとき札幌市内を散歩中に、結構古い作りの家の庭に柿の木を見つけました。秋にその近所を再び通りかかった時に、高校生か大学生と思われる年齢の姉妹が、キャーキャーいいながら柄の長い剪定ばさみのようなので柿の実を採っていたので、実の形から渋柿の木だと確認できたわけです。

柿の木が自宅の庭や近所にない地域では、秋になって柿の実を採って食べる習慣というか、そもそも柿の実を食べるという楽しみが定着しないのかもしれません。

ご近所から、お裾分けに柿をいただきました。大きな富有(ふゆう)柿です。柿を食べる習慣がほとんどないから、とのことです。「こんなに硬くて大丈夫だろうか」と、固めの柿の実のおいしさにはご縁がなさそうな様子です。柿とは、渋柿を柔らかくゆるゆるにして食べるものということなのでしょうか。ありがたく頂戴します。

札幌の野菜・果物売り場では、たとえば岐阜県など西日本産の大ぶりな富有柿が並んでおり、我が家では秋の定番果実です。果物の中で最もおいしいもののひとつが柿だと思っています。一般に、興味のないものは視野に入ってきませんが、柿に興味のない人たちには、果物売り場の富有柿は、訴求力のない朱色のかたまりにすぎないのかもしれません。

蛇足ですが、富有柿はどう発音するのか。「ふゆうがき」というのが教科書的ですが、「ふゆがき」とも「ふーゆー」(この場合は「かき」は冗長なので省略)とも呼ばれているようです。北海道の漢字の地名には、もともとのアイヌ語発音を無理に漢字で表現したものが多いですが、「富有」も似たような経緯で生まれたのかもしれません。人々に「ふゆ」とか「ふーゆー」とか呼ばれていた柿が、商い上の必要から、いつしか「富有」という漢字の衣装をまとったに違いないと考えています。ただし、その根拠はまったくありません。

杉の木は、大がかりな植林活動もあって、北海道以外では多すぎるくらい本数の多い針葉樹ですが、杉の木の工芸文化で僕が好きなもののひとつが、天然秋田杉の「曲げわっぱ」、大館(おおだて)の工芸品です。お櫃(おひつ)、寿司飯用の飯切り(いいきり)、各種の弁当箱などを長い間大切に使っています。なかでも配偶者のお気に入りは、「曲げわっぱ」の名人が秋田杉を使って趣味で作った調理用の木べら。趣味で、おそらくその時の気分で作ったので、その時だけの特注品。配偶者によれば、「微妙なカーブがついていてこんなに使いやすい木べらは二度と手に入らないわ。」

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