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2011年11月 9日 (水)

(続) 迷ったら、食べ物は、安全サイド(その1)

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副題は「複数の食品と単一の食品、短い時間幅と長い時間幅」です。

入手に手間取った「高田 純」氏(札幌医科大学教授・理学博士)の「福島 嘘と真実 東日本放射線衛生調査からの報告」を読みました。福島県の放射線汚染状況の客観的な観測結果・測定結果や世界の他の地域の核災害との比較、著者の考え方がとても参考になり感謝していますが、読んでいてわかりにくいところ、というか、記述の方法に関してどうしてそうしたのかいくぶん気になるところもあります。ないものねだりを含んだ感想になるかもしれませんが、ご容赦願います。

この90ページの本が想定している読者は、表紙に「放射線防護学入門シリーズ」とあるのと、中に収録されている複数の講演会の記録などから判断すると、放射線について素人の日常生活者か、放射線防護学には不案内だが別の専門分野を持つ医師だと思われます。

放射線量にかかわる事象についての時間幅の不統一がわかりにくさの原因のひとつのようです。ある事柄が続くその時間幅の記述があいまいか、あるいは複数の異なった時間幅が連続して(入り乱れて)同一段落内に登場し、その結果、放射線量と時間幅の関連がよく見えなくなることがあります。もうひとつが、時間幅と関係するのですが、議論の対象となる対象汚染食材の数です。ヒトは毎日、控えめに言って10品目以上の食材(コメやパン、数種類の野菜、魚介類、肉類、牛乳、お茶、や水など)を食べますが、食べ物への関心が相対的に低いのでしょうか、この本のなかでは単一品目の放射線量とその危険度や安全度だけが論じられる傾向が強いようです。

最初からないものねだりになっても失礼なので、わかりにくい部分から始めるよりも、参考になった、わかりやすい結論的な部分の引用から始めたいと思います。引用部分は『・・・』です。

『福島を除く東日本の公衆の個人線量は屋内滞在による遮蔽効果もあって、年間外部被曝線量は1ミリシーベルト以下、レベルE(0.02~1ミリシーベルト)である。福島市は2011年度の年間線量はレベルD(2~10ミリシーベルト)。瞬時被曝ではないので、小児、胎児への健康影響は心配するほどではない。次年度以降も徐々に年間線量は低下していく。』(11ページ)

ここでは時間の幅が「1年間」で統一されていてわかりやすい。

『福島県民の内部被曝については、地元産の農産物および飲料水を採り、空気を吸い、体内に放射性セシウムを取り込んだと仮定した場合の線量は、外部被曝のおよそ3分の1と考えられる。この比率は、ロシアの放射性セシウムの汚染地で自給自足する農民から評価した値である。福島市民に当てはめると、2011年度の年間内部被曝線量はおよそ1ミリシーベルトである。実際3か月後の6月後半に、南相馬市、いわき市、郡山市で計33人の放射性セシウムの全身量を検査したところ、全員が推定年間線量として1ミリシーベルト未満であった。したがって内外被曝の総年間線量はレベルD(2~10ミリシーベルト)と推定される。』(11ページ)

ここでも時間幅の単位が1年間でわかりやすい。同様に、そのすぐあとの一節も、時間幅の単位が1年間で理解しやすい。

『放射性セシウムの環境中の半減期は、30年よりは短い。それは、初期に存在するセシウム134の半減期が2年と短いばかりか、風雨などによる地域からの掃き出しがあるからである。2年目はすでに放射性ヨウ素が消滅しているので、その線量はない。さらに、外部被曝に加え、内部被曝も減衰する。こうして、福島県民の年間線量は2年目に大幅に減衰する。レベルF(0.01ミリシーベルト以下)、E(0.02~1ミリシーベルト)、D(2~10ミリシーベルト)と安心の方向に推移する。』(11ページ)

<(その2)に続く>

福島 嘘と真実─東日本放射線衛生調査からの報告 (高田純の放射線防護学入門シリーズ)

著者:高田 純

福島 嘘と真実─東日本放射線衛生調査からの報告 (高田純の放射線防護学入門シリーズ)

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