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2011年11月 1日 (火)

名古屋のデパ地下食品売り場: 「米(コメ)と魚介類」編

所用で名古屋。そういう時はたいていは、隙間の時間を使って繁華街にある複数のデパートの地下食材・食品売り場を歩きます。

まずお米。

立ち寄ったお米の売り場は3店。それぞれ専門の米穀販売業者の出店です。だから、名古屋の消費者の好みとその業者の意思とが入り混じったような品揃えになっているはずです。デパート内の小さな売り場なので、ブランド米の小口パック販売が中心。目立つのは1㎏と2㎏のパック。500gくらいの小さな贈答用パックの詰め合わせも並んでいます。5㎏袋もありますが数は少ない。

さてそのブランド米ですが、どうだといった感じの押し出しでいい場所を占めているのが魚沼産や新潟(魚沼ではないが新潟という意味)産の「コシヒカリ」。隣の棚に、「あきたこまち」や味の良いとされている近隣地域の「コシヒカリ」。それからお店によっては、「魚沼産コシヒカリ」のすぐ隣に飛騨地方の「龍の瞳」(コシヒカリの大粒な突然変異種)が座っています。つまり品揃えは、すでに評判の固まっている銘柄米が多く、北海道の「ゆめぴりか」や山形の「つや姫」といった新参者は見あたりませんでした。名古屋では、お米に関しては、ブランド(品種と生産地域)の確立したもの、ないし地元に近いという意味での近隣の良食味米が選好されるという仮説がたてられそうです。

次に魚介類。

以前から、名古屋の主婦がなぜボードーを起こさないのか不思議だったのですが、売り場の魚介類の状況はその感想を持った時からずっと変わっていないようです。地元の魚介類が全くといっていいほど並んでいない。なぜ、そのことに関する不平不満が爆発しないのか。知多半島の南部(南知多)は三河湾と伊勢湾の真ん中でいい漁港もありおいしい魚介類も豊富なはずなのですが、それが売り場に並んでいないということは、そこで水揚げされたものが名古屋の一般消費者の台所には入らないということです。

知多半島の旅館に泊まって季節のおいしい白身魚やフグ、エビやカニを堪能するという話はよく聞くので、地元の魚介類は地元の海鮮旅館ではたっぷりと供されているらしい。名古屋の寿司屋や料亭・料理屋、レストランなどにも供給されているのも間違いないでしょう。今回、名古屋市内でお昼ごはんに食べたパスタはイカと渡りカニを使ったもので結構な味だったのですが、このイカと渡りカニは南知多産に違いない。

高級品は、まず間違いなく高い値段を求めて東京(築地市場)に向かっていると考えられるので(フグは別の場所に別の目的で運ばれていくそうだが)、つまりは、地元の魚介類は、地元の台所には縁のないところで流通しているようです。地産地消だけれども、地産「業務型」地消であって、地産「家庭型」地消ではない。だから、デパートの地下の魚売り場に並んでいる魚介類に愛知県産のものや知多産は見かけません。近所の魚だと目につくのは伊勢湾をはさんだ三重県の白身魚くらいで、あとは北海道の鮭から九州の鯛までとほとんどが余所(よそ)のものです。

それから、魚の丸ものが見あたらない。売っているのは切り身とパックの刺身ばかりです。主婦が家庭で魚をさばくということが嫌いらしい。魚売り場でも、その場で丸ものをさばくといった付加価値サービスは好きではないらしい。

名古屋の家庭の魚介類ニーズに関しては、だから、僕にはよくわからない。しかし、南知多の海鮮旅館などの人気が高いということは、名古屋の消費者にとって魚介類(とくに地元の魚)とは、自宅の外で楽しむものなのかもしれません。そうすると、魚売り場で主婦のボードーが起こらないのも納得がいきます。

そうすると、「ブランド(品種と生産地域)の確立したもの、ないし地元に近いという意味での近隣の良食味米が選好されるという」お米についての仮説は、魚介類に関しても当てはまるような当てはまらないようなビミョーな具合です。

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