台所収納と、米・小麦粉・米粉
冷蔵庫や食材保管スペースをその一部とする広義の台所の収納は配偶者が掌管(しょうかん)しているので、僕は調理道具やお皿、食材の収納場所や収納方法には立ち入らないことにしています。たいていのものごとの設計者は一人の方がうまくいく。だから、鍋やフードプロセサー、お皿、庖丁や料理バサミやトングやお玉などの道具、お米や小麦粉、スパゲティーや乾物、塩や胡椒や鷹の爪、漬物、卵や野菜などの食材がどこに収納されているか、貯蔵されているかは意識して記憶します。
僕の配偶者によれば、日本の主婦は、和風・洋風・中華風をそれぞれにそれなりの種類を作るので、道具や食材がどうしても多くなるのだそうです。別に僕の配偶者によらなくても、そうだと思われます。道具をできるだけ絞り込んでも、ご飯用の炊飯器やお櫃(おひつ)だけでなく、寿司飯用の飯切りなども使う。サイズや深さの違う鍋やフライパンも必需品だし、中華鍋も必要である。
おコメのご飯が好きで、そしてパンも自分で焼くのが好きな家庭では、小麦粉パンだけでなく米粉パンにも興味があるので、そういう家庭ではこの3種類を適度な量だけストックする必要がある。しかし、この3種類を維持するのは、スペースの確保という点でどうも疲れる、というのが台所の収納スペース管理者であるところの配偶者の感想です。
この感想を聞いてなんとなくすっきりとしなかったので、僕なりに状況を確かめることにしました。
我が家では、購入単位はお米(ただし、玄米で購入)は5㎏袋、小麦粉は500g袋ないし1㎏袋、米粉も500g袋ないし1㎏袋。最小単位だけでは急な場合に不都合が生じるので、1袋を安全在庫として回転させています。急な場合とは、突然のお客でお米の消費量が急に増えるとか、自家製パンをすぐにさしあげることを知り合いに急に約束したような状況をさします。好みの小麦粉が不作でなかなか手に入らないので、とりあえず多めに持っておくか、というような場合もここに含まれます。
米、小麦粉、米粉と書きましたが、一般の家庭では米はご飯用の「うるち米」しかストックしていないと思われます。赤飯のような強飯(こわめし)が好きな家庭では「もち米」も在庫しているかもしれませんが。
小麦粉は、種類といった点では贅沢で、「強力粉」「中力粉」「薄力粉」と通常は3種類あり、パンやピザ、うどん、ケーキ・クッキーなどを小麦粉からつくる家庭ではこれらが必需品。パスタが好きな場合は、これにデュラムセモリナ粉が加わります。
米粉は、今のところ、パンなどに向いた、ご飯用ではない米が、米粉として販売されているので種類はひとつ。
米粉パンは、米粉ではなく米粒から作るタイプだけに限定すれば(最近は、器具の騒音がひどいけれども、そういうタイプのパン焼き器があるので)、必要なのはコメと小麦粉で、米粉は不要となります。そうなると、少しはすっきりとするかもしれません。しかし、米粉は米粉のよさがあるので、今はまだ値段が高いのが欠点ですが、米粉を米粒で置き換えるのも無理があります。
家庭の場合、重たいものを頻繁に買いに出るのもつらいし、お取り寄せも少量では配送料が高すぎる。買ったものの配送サービスをわずかな追加料金で提供しているスーパーや生協もありますが、そういう場所に欲しいものがあるとは限らない。で、在庫維持コストと購入コストをどうバランスさせるかという経済発注量の計算みたいな話になりますが、米・小麦粉・米粉の状況は今のままでいいというのが、僕の結論です。
しかし、こういうことで悩むのが嫌いなタイプの人もいて、そういう人が採用できる方法は2種類あります。
ひとつはメニューを絞り込むこと。たとえば、中華風はすべて止めてしまうといった選択肢。そうなると、たとえば、ラーメンや水餃子も食べられない。
もうひとつの方法が、家庭でのややこしい料理は放棄して、たいていを「チン」で済ませるという選択肢。この方法は、すでに幅広く普及している選択肢ではあります。この方法では、ある条件をクリアすれば、穀物や野菜などの食材や、鍋・釜のような調理道具はとても少なくて済みます。必要なのは冷蔵庫だけ。「ある条件をクリアすれば」とは、スーパーなどの特売でいつ食べるかわからないものをやたらと買いこまないということ。冷凍庫が似たような冷凍加工食品であふれているという話はよく聞くし、活字でもよく目にします。
もしどちらかの方法を採れと強制されたら、最初の「メニューを絞り込む」方の選択肢を採用すると思います。もっともその場合は、中華風はすべてやめてしまうといった乱暴な区分ではなくて、いささか面倒ですが、たとえば脂(油ではなくて脂)を使うことが当然だとされている料理と、それからそのためだけに必要な食材と調理器具を、和・洋・中にかかわらずリストアップしてみて、そこから共通部分が出てくれば、それらは在庫削減・器具備品削減の候補にはなります。
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