12月下旬のキャベツ
北海道の12月は冬なので、一部のハウス栽培の小松菜や白ネギなどの葉物野菜を除けば、スーパー・生協・デパートなどの野菜売り場に出回っている北海道産野菜は、主にジャガイモ、長いもなどのイモ類とタマネギです。キノコ類も棚からはみ出しそうになっていますが、原木栽培のシイタケ以外は、いわば空調の効いた工場での工業製品に近いものなので、ここには含めません。
ジャガイモの収穫は10月ごろ、長いもの収穫は11月ですが、その後低温保存されるので、結構暖かい時期まで提供されています。長イモなどは通年出荷に近い。9月から10月に収穫されたタマネギも同様に翌年の4月から5月までは出荷されます。
越冬隊というのはひと冬が終わるまで雪と氷の中で日々の活動をするので越冬隊、だから冬の途中で出荷されるジャガイモは正確には「越冬ジャガイモ」ではないのですが、春に出荷されるものも冬の途中で販売されるものもともに「越冬ジャガイモ」と、若干ブランドの香りを漂わせた感じで提供されています。
だから、そういう知識を背景にして札幌の12月下旬の野菜売り場に立つと、小松菜やジャガイモ・長いも、タマネギなどがたくさんあるのは当然だということになります。その近くには、南北に長い日本としてはこれも当然ですが、秋冬物が得意な熊本の冬物トマト、比較的温暖な愛知県(渥美半島)のブロッコリーやキャベツ、宮崎のセレベス(里いも)などが並べられており、そして、そのとなりに北海道産のキャベツもけっこうな存在感を発揮して座っています。
商品としての越冬野菜の中でおそらく北海道でいちばん歴史の古いのが、「和寒」(わっさむ、と読みます、旭川の少し北のあたり)のキャベツで、こちらの方はより正確に「雪中キャベツ」と呼ばれています。
晩秋に収穫したキャベツを、冬の間、積み上げた雪の中で保存したもので、積み上げた雪の中は、温度は0℃前後で安定しており、湿度もある。キャベツの保存には実に適切な環境です。味もよくなる。露地もの野菜のない冬や春の間は、それを食べる。冬の途中で漬物がなくなった場合、このキャベツをもりもり食べれば、とりあえずの野菜不足は解消します。
和寒(わっさむ)のキャベツと愛知のキャベツが隣通しに並んでいる場合、大きくて色白なのが和寒産、そうでないのが愛知産です。
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