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2012年1月11日 (水)

米粉(こめこ)パンと米粒(こめつぶ)パン

焼きあがったばかりの大きなフランスパンを、職人さんが、パン屋の店先でスパッと切り分けているのを見ると、いい腕だなと思います。自家製の天然酵母の小麦粉パンの場合にはそれがなかなかうまくいかないのですが、自家製米粉パンの場合には、同じパン切り包丁でスパッと切り分けられる。結構な爽快感です。

短粒種のジャポニカ米である日本のお米は、世界のお米の生産量の約80%をしめる細長いインディカ米などに比べると、とても値段が高い。中国の東北部で作られているジャポニカ米よりも値段は相当に高い。カリフォルニア産の短粒種ジャポニカ米と比べても高価である。しかし、それでも、日本のお米のお茶碗一杯の値段は30円~40円なので、他の食べ物や飲みものと比較すると、ご飯は安い。しかし、その米も、小麦粉よりは高い(下のグラフ〈農水省〉)、というのが、ごく大ざっぱなお米と小麦粉の状況です。

【註】お茶碗一杯のご飯に必要なお米の量は約75g(約0.5合)。5㎏の白米の値段を2,000円~2,500円とすると、お茶碗一杯のご飯の値段は30円~37.5円(ただし、光熱費は含まない)。丼で1合を食べても、60円~75円。(スーパーや生協での売れ筋価格は現在は5㎏が1,900円台なので、ご飯いっぱいの実際の値段はもう少し安くなる。「アメリカのジャポニカ米と日本のお米の店頭価格比較(2011年11月)」)

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米粉パンと米粒パンの話です。米粉パンも米粒パンも米を主原料にして焼いたパンという意味では同じですが、違いのひとつは、製造開始時の形態が米粉か米粒かということだけです。もっとも、米粒も、投入時が米粒であるというだけで、米粒パン製造器のなかで、細かく砕かれるので、結局は同じといえるかもしれません。しかし、結局は同じではないのは、つまり、もうひとつの違いは、その値段です。

米粉パンを作ろうとすると、一般家庭では、米粉を買ってきて、少量の小麦グルテンといっしょに、それをホームベーカリーに投入します。米粒パンの場合は、普段炊いてご飯として食べているお米を使います(この場合もプワッと膨らませるためにたいていは小麦グルテンを添加)。

上で見たように米の値段(ここでは5㎏で2,000円とします)を僕たちは高いとは思っていませんが、米粉パンに使う米粉となると、ちょっと話は違ってきます。米粉パン好きに人気のある米粉の値段が、1.8㎏で1,200円くらいなので、これを単純に5㎏価格に直すと3,333円となります。新潟のブランド・コシヒカリが好きな人にとっては驚くような値段ではありませんが、価格が、2,000円 vs. 3,000円というのは結構な違いです。

米パンには小麦パンにない風味、もちもち感やしっとり感があります。米パンの好きな人たちに米粒を使って米パンを焼くホームベーカリーが人気なのも、そのコストパフォーマンスを考えると、よくわかります。

米は小麦などと違って非常に硬いので粉砕が難しく、大型の粉砕装置も近所にあるわけではない。だから、米粉用の多収米の生産量が増えて米粉の値段は下がらないと、米粉を使った米パンの消費は当面頭打ちになるかもしれません。(関連記事は、「米粉100%のパンと、パン用のブランド米」。)

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