ユリ根、あるいは、続・北海道の省略時解釈値は洋風料理
ユリ根は12月から2月が旬なので、お正月を挟んだ時期には、札幌の野菜売り場ではユリ根を毎日見かけます。お正月料理にもよく使われる食材なので、日本の各地での使い方は、お雑煮、茶碗蒸し、天ぷら、甘煮などだと思います。
北海道は百合根(ゆりね)の産地で、徳島のスダチではありませんが(「『すだち』と『ゆず』と『だいだい』のポン酢」)、北海道の生産量は年間1,700トン、これは全国の生産量の99%。なので、北海道の独占的な特産品です。主要生産地は、札幌と函館の間のいくつかの地域と、富良野・美瑛。
産地だからといって、安いわけではありません。ユリ根は生産に時間と手間がかかる。収穫量は少なく、輪作を嫌う。しかし、札幌では非常に手に入りやすいので、以前、ユリ根のきんとんをお正月料理のひとつとして配偶者に作ってもらったことがあります。少量の味醂と薄口しょうゆを加えただけですが、それでも僕には甘すぎた。それで、翌年からは我が家のお正月料理からははずしました。日本酒の肴に不向きというのがその主な理由ですが。
そんなユリ根を使った洋風スイーツが、さるユリ根産地のさるお菓子屋さんで開発されたそうです。行く方向を決めかねる場合は、和風ではなく洋風が北海道の「省略時解釈値」なので、このお菓子屋さんも、ユリ根という新しい素材を「省略時解釈」して洋風スイーツに仕立て上げたのかなと早合点しそうになったのですが、少し調べてみると、そのお菓子屋さんは、ユリ根の餡(あん)を使った和菓子の最中(もなか)を得意とする菓子屋さんで、パンなども製造・販売している。ユリ根に関する思いと今後のビジネス展開の思いが重なって、菓子の商品ラインを思い切って洋菓子に膨らませたのでしょう。
こういう感性のお菓子屋さんが北海道にあると知り、「北海道の省略時解釈値は洋風料理」の部分訂正をすることになればいいかもしれない、と思っています。
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