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2012年1月20日 (金)

子供の頃の味のトレーニング

かつて、子供に漢籍を素読させる習慣がありました。そういう鍛え方をされた人が書いた文章は、今は文庫本や古本、全集などでしか出会えませんが、余人にはまねのできないような格調を漂わせています。

テレビ番組を録画するということは僕にとってはごくまれな行為ですが、学校給食を担当する60歳をいくつか過ぎた管理栄養士のドキュメンタリー番組をその放送時に見る都合がつかなかったので録画しておきました。新聞での番組案内にその女性の「信念は、子供にこびず、本物のおいしさを教えること。子供たちに、将来にわたっても通用するようなおいしさの基本的な感覚を伝えようと努めてきた」とあったからです。

実際に番組を拝見してみると、子供(小学生など)に、できるだけ多くの種類の食材の持つ味を教えること、すでに添加物などの影響で変わりつつある子供の舌を食材・素材ほんらいの味で鍛えること、というその女性の料理と給食に関する方向軸が明確でした。この女性は、必ずしも子供向きでない素材を子供が嫌がらないように調理する術に長けていますし、食材の原価計算や調理の工程管理も得意。また、食材の産地チェックにも抜かりがない。

子供のころに嫌いなもの・苦手なものも大きくなると食べられるようになるという人間の年齢にかかわる生理的な欲求や味覚の変化という要素も当然あります。たとえば、苦くて不味いと思っていたビールが突然すっと喉を通る、セロリの苦みと食感がたまらなくなる、未熟な果実である緑のピーマンの苦みがおいしさに変わる。

しかし、何にでも市販のマヨネーズをかけ、養殖マグロのトロと甘い玉子焼きを回転寿司で食べ続けた子供が、ある日、白身魚と酢の物の微妙を味わえるようになるとは考えにくい。そういう意味で、子供の舌を意識的にさまざまな食材の自然な味で鍛えるというのは、かつての漢文の素読みたいなものかもしれません。

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