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2012年1月 9日 (月)

「すだち」と「ゆず」と「だいだい」のポン酢

漢字で書くと、すだちは酢橘、ゆずは柚子、だいだいは橙となりますが、ひらがなやカタカナの方がわかりやすい。ここではカタカナ表記にします。去年の秋から今年にかけて、その三種類で順番にポン酢を作ってみました。

スダチは露地物がたくさん出回る9月に関西系のデパートの野菜売り場で箱の単位で安く購入したもの、ユズは東京の知り合いからの12月のいただき物、ダイダイも四国の知り合いからの12月のいただき物です。ダイダイは大きくて、昔のタイプのリンゴのサイズです。ユズもダイダイも、それぞれ結構な量をいただいたので、搾るのがなかなかにたいへんでした。

税務署勤めではないので器具を使わずに素手で搾るのは無理。だから、スダチやユズを搾るには、沖縄のシークヮーサーのような小ぶりな柑橘類を搾るための搾り器を使い、ダイダイはレモン搾り器を利用します。300mlの搾り汁をひとつの単位として裏ごしし、そこに他の素材や調味料(醤油、煮切り味醂、米酢、かつお節、利尻昆布)を投入してポン酢を作るのですが、結構な量を搾ってもそれほど大量のポン酢ができるわけではありません。ちなみに、市販のスダチやユズの果汁(搾り汁)の値段が、材料鮮度や搾り方にもよりますが、300ml瓶で700円~1200円くらいです。

ポン酢以外のごく標準的な使い方は、スダチは刺身か焼き魚(たとえば、サンマ)、それから、蒸し焼きにしたシイタケに(「原木栽培の生シイタケ」)。ユズはユズ湯かマーマレードに。ダイダイは正月の飾りとマーマレードです。どの柑橘類で作ったポン酢がいちばん好みかというと、ユズもいいのだけれども、やはり、スダチ。

スダチ・ユズ・ダイダイの生産者は、果実を収穫期に出荷するだけでは物足りないし、規格外を利用したいということもあって、加工品の販売へとビジネスを広げることも多い。トマト生産者が生食トマトだけでなく、トマトジュース、トマトピューレやトマトケチャップ、あるいはドライトマトの加工・販売に乗り出すのと同じです。そうした柑橘類はジュースやサイダー、焼酎や日本酒にも使われているようですが、お土産に飛行場の売店で買うものという感じがしないでもない。いただいて嬉しいのは、つまり、これが消費者の一番大きな日常ニーズだと思いますが、生搾りの瓶詰めか丁寧な作りのポン酢です。しかし、繰り返し購入向きの商品だということは、たとえば、「丁寧な作り」のところで特徴を持たないと、競合に埋もれてしまう。

さて、スダチ・ユズ・ダイダイの平成21年の国内年間出荷量(農水省統計)は、

スダチ:  4,518トン
ユズ:   25,438トン
ダイダイ:  904トン。

ダイダイは、お正月の前以外はほとんど見かけませんが、人気のなくなってきた柑橘類のひとつなのでしょう。ユズは、主要生産地は四国と九州に偏っていますが、北は宮城から南は鹿児島まで、北海道と青森・秋田・山形・岩手・新潟をのぞく各地で生産されています。それから、スダチは、徳島のほとんど独占状態。

それぞれの主要生産地とその出荷量シェアは、

スダチ:  徳島(98%)
ユズ:    高知(54%)、徳島(12%)、愛媛(11%)<この3県で77%>
ダイダイ: 和歌山(33%)、静岡(27%)。

だから、少し極端な言い方をすれば、ユズには一般家庭でも、全国のどんな和風の料理屋でもお目にかかれますが、スダチは関西の料亭・料理屋には広く出回っているものの、関東だと少し値の張る料亭や料理屋に限定されているかもしれません。

また、それぞれの加工品向け比率、つまり、搾って瓶詰めにしたのやポン酢などに使われる比率(出荷量比率)は、

スダチ:   56%
ユズ:    82%
ダイダイ: 29%。

スーパーやデパートのポン酢売り場で一番目につくのが、ユズポン酢というわけです。

スダチとユズ、そしてダイダイの写真を下に並べます。サイズは、スダチ <ユズ <ダイダイ、の順でスダチがいちばん小ぶりで皮が硬い。色は写真でわかるように、濃い緑がスダチ、ユズは黄色で、ダイダイはオレンジ色というか、つまり橙(だいだい)色です。

_rev スダチ

_ ユズ (写真はWikipediaからお借りしました)

__2 ダイダイ (写真はWikipediaからお借りしました)

カボスに触れないのはカボスに失礼なので、最後に簡単にまとめると、出荷量は3,380トンでスダチよりもいくぶん少ない。生産が一番多い県は大分で92%、ついで愛媛が8%。加工品向けの比率は37%。大分の特産品です。スダチ・ユズ・ダイダイと比べると地元消費がとても多い柑橘類だと思います。

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