「ドライトマト」と「干しえのき」

野菜やシイタケに限らず、干した食材をよく使います。天日干しすることにより旨味が増すからです。保存も効く。
日本で生産されるトマトのほとんどはそのまま食べておいしい生食トマトです。サラダなどによく使われるし、ミニトマトなどは子供のお弁当の華になる。熱を加える調理を前提としたイタリヤやトルコやカリフォルニアの加工用トマトとは、栽培の方向が少し違う。だから、日本でのトマトビジネスの本業は、生のトマトの生産と販売。付加価値を出そうとすると、たいていは、生の良さを生かした方向のトマトジュースに進むようです。そして、トマトジュースの延長線上に、次の段階の付加価値商品としてトマトピューレやトマトケチャップが出てくる。地中海性気候のトマト産地のようにドライトマトを作るのが目的でトマトを生産しトマトを干すという発想は稀薄です。しかし、例外はあります。
規格外トマトや熟しすぎたトマトを捨てるのはもったいない。それらを捨てずに付加価値商品を作り出そうということでドライトマトを製造しているトマト産地が日本にもあります。大玉トマトを10等分程度にカットしてドライトマトにしているのが熊本、ミニトマトをとても薄くスライスして乾燥させているのが愛媛。ともに生食トマトが原料でそれをそのまま上品に乾燥させたものなので、外国産の地中海性気候のドライトマトとは外見もパッケージ形態も食味も違います。欧米の女性と日本の女性が違うくらいに違う。
商品地図にしてみると、以下のような具合です。
実際の商品の写真は、左が大玉トマトのドライ(熊本)、右がミニトマトのドライ(愛媛)。パスタ料理やスープにはそのまま両方使えるし、ドライトマト・パンにも両方使える。ただし、大玉トマトの方はパンの時には小さくカット。
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最近、ある野菜売り場で配偶者の荷物持ちをしている時に見つけたのが、「干しえのき」。キノコの「えのき」を乾燥させたもので、北海道産です。干しシイタケはおなじみですが、干しえのきは初めてでした。直感がおいしいに違いないと言ったので、配偶者に声をかけ、購入しました。
干しシイタケと違って戻さなくてよい。そのままで結構いい出汁が出る。トッピングのように少し載せるだけでうどんの具材のひとつになるし、味噌汁の具にもなる。賞味期限は常温保存で10か月。日持ちがするので便利です。
北海道の占冠(しむかっぷ)村の産。占冠(しむかっぷ)村は南富良野の南に位置する山村で、フキ・わらび・うどなどの数多くの山菜が自生しており、キノコ栽培も盛ん。
最近の料理する主婦の好む流れのひとつが「手間がかからない」「簡単で便利でおいしい」。この「干しえのき」は最初の商品認知のプロセスをうまくこなせば、その流れに乗れる可能性が高いと思います。下がその写真。
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