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2012年3月 2日 (金)

カツオを普通の人の5.4倍食べると・・・

先日の「食と医のコラボレーション」での講演(といただいた資料)の中で、お互いにどういう具合に関連するのかよくわからない2つの事実がありました。この二つを、無理やりつなぎ合わせるとどうなるか。頭の体操です。ただし、そのやり方が強引すぎる場合は、途中に「つなぎ」を入れてその関連を考えてみます。対象となる地域に失礼があると申し訳ないので、ここでは「某県」という地名を使います。

(事実-1)
◇ 某県民の健康
・働き盛りの男性の寿命が短い
・脳血管疾患の患者が多い
・糖尿と脂質の要注意者が増加している
・高齢期に肥満気味になっている

(事実-2)
◇(某県の)カツオの消費量は、全国平均の約5.4倍
・某県のカツオの1世帯当たりの年間購入量は6.929㎏で、全国平均1.282㎏の約5.4倍、昭和51年から連続全国1位。
【註】カツオとは魚の鰹のことです。鰹のたたき、のカツオです。

この2つの事実を無理やりつなぎ合わせると、カツオを食べすぎると早死にするか、生活習慣病といわれているものになりやすいということになりますが、これだといかにも乱暴です。

資料には書かれていないもうひとつの事実(と一般に認識されているもの)は、某県の県民は、ともかく酒が強く、酒(日本酒)を大量に飲む。

この事実を追加すると、某県では、カツオを食べ過ぎ、同時に酒を飲みすぎるので、とくに働き盛りの時期にそうであろうと推測できるので、「働き盛りの男性の寿命が短い」。働き盛りの時期を無事に乗り切っても、その食習慣は変わらないので、「脳血管疾患」や「糖尿」といった嫌な状況が待っている。しかし、これも乱暴な議論です。

モノの本によれば、実際は、モノの本に頼らなくても我々の常識の一部になっている(なりつつある)ことのひとつに、青魚などに多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった(不飽和)脂肪酸の役割があります。これらは、高脂血症・血栓症などの循環器系疾患の予防に有効と認められており、またDHAは我々の脳神経組織や網膜の機能維持に必須なものです。

「日本食品脂溶性成分表」などで、カツオやその他の我々におなじみの魚のDHAとEPAの含有量を調べてみると、以下のようになります。単位は㎎で、食材100gあたりの含有量です。

Dha_epa

つまり、DHAにしろEPAにしろ、カツオにものすごく多いというわけではない。「ぶり」や「あじ」の「5.4倍」以上たべないと同程度のDHAやEPAが摂取できない。EPAに関しては10倍以上。だから、いっぱい食べるのか。

ここからは僕の勝手な想像です。

カツオを平均の5.4倍食べるということは、ヒトの食事量はそれほど変わらないので、他の食材を食べる分が少なくなる。どこにしわ寄せがいっているのかわからないが、全体の食材バランスは悪くなる。それから、大酒を飲む人によくみられる傾向ですが、飲むことに熱心であまり食べない。飲むほどに食べなくなる。そういうことで、「某県民」の現在の健康状態が結果したのかなと、無責任なことを考えています。

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