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2012年4月18日 (水)

蕎麦(そば)の原材料欄の不思議

10割蕎麦(そば)(そばの原材料が全部そば粉)でなくても、そば粉の割合が非常に多い乾麺などは製造が難しいだろうと素人ながらに想像するので、その製麺業者が高い製造技術をもってない場合には、つなぎに粘りのある小麦粉などが混じっていてもしかたがないのかなとは思います。あるいは、食感のことを考えて意図的にそば粉の割合を10割未満にしている製麺業者もいらっしゃるのかもしれません。しかし、つなぎに小麦粉などを混ぜるといっても、せいぜい2割まで、それ以上だとつなぎとは言わないし混ぜるとも言わない。

商品名は「そば」。北海道産そば粉使用と大きな活字が目立つ乾麺タイプのそばの袋を裏返してその原材料欄を見ると、「小麦粉、そば粉、食塩」とか「小麦粉、そば粉、食塩、山芋」となっています。札幌に住んでいるので北海道産のそば粉を使い北海道の製麺会社が作った「干しそば」を買いたいと思い、たとえば札幌のデパ地下の商品棚をときどきチェックするのですが、適当なものがいまだに見つからない。

JAS法などの表示規則では、原材料は使用割合の多いものから順番に書くことになっているので、このそばには控えめに考えて50%以上の小麦粉が含まれていることになる。で、こういう原材料状態の商品の名称が蕎麦(そば)というのは、これは、いかがなものか。常識的に考えたら、これは「そば風味の細いうどん」であっても、「そば」ではない。

では、一般的に市販されている「そば」(ここでは干しそば)とはいったいに何ものなのか。「乾めん類品質表示基準」(最終改正平成21年4月9日農林水産省)に目を通してみました。

この基準によれば、「干しそば」とは、「乾めん類のうち、そば粉を使用したものをいう。」そして、「干しそばにあっては、製造業者等がその容器又は包装に表示すべき事項は、・・・中略・・・そば粉の配合割合とする。ただし、そば粉の配合割合が30%以上である場合は、この限りでない。」

つまり、少しわかりやすく表現すると「そばにそば粉が30%以上入っている場合には『そば』と認めるので、そば粉がどれくらい入っているかの詳細は記載する必要はない」ということです。さらに、「手延べ干しそば以外の干しそばにあっては『干しそば』又は『そば』と記載すること。」

だから、そのそばのそば粉含有量の多さをアピールしたい場合は、「10割蕎麦」とか「8割蕎麦」とかいう表示になるはずですが、そうでない種類の干しそばの製麺業者は、通常は原価という経営効率指標を考えるので、30%ぎりぎりのそば粉しか投入しないと思われます。なぜなら、そば粉は高い、輸入小麦粉は安い。

だから、週末のお昼ごはんに自宅で楽しむ「干しそば」は、北海道の製麺業者には申し訳がないのですが、

・「□□そば」(北海道産そば粉100%)
・名称: 干しそば
・原材料名: そば粉
・製造者: ■■食品株式会社  長野市・・・後略・・・

ということになってしまいます。

□□□

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