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2012年4月 4日 (水)

食と3種類の知とヘルシーエイジング(3)(3-3)

(3) 食べるもの・食べることと3種類の知
 (3-1)3種類の知の状況
 (3-2)食べるもの・食べることと3種類の知の関連

(3-3)食と農業と3種類の知
 (3-4)食と医学と3種類の知

昔の野菜に比べて現代の野菜は大幅に栄養価が低下しているといわれています。過去からの食品成分表などで、同じ野菜(ニンジンやダイコン、ピーマンやトマトなど)の栄養素や元気指標を時系列順にプロットしたら、それぞれの時代の平均値(らしきもの)の推移はわかる。しかし、古いのは私の手元にないのでインターネットの記事などから正しく記載されていると思われる関連データを集めてくると、断片的ですが、以下のようになります。野菜のミネラル分は土壌(元気な土かどうか)の影響を受け、ビタミンは日光(光合成のための陽の光が十分かどうか)の影響を受けます。

たしかに、ここで取り上げた野菜の「平均的な元気度」はここ数十年で徐々にというか、急激に低下し、21世紀になって落ちるところまで落ちたのか、現在は低い水準で横ばいの様子です。

Photo

お店で買ってきた野菜の元気かどうかは、その野菜が育てられた土壌の元気度、その野菜が日光をたっぷりと浴びて育ったかどうか、完熟した野菜なのか、それとも熟す前の青い段階で収穫され小売店の棚に並ぶ前に倉庫やバックヤードで眠っていたのか、などの条件に依存します。

現在は、ほとんど1年中出荷されているようなタイプの野菜も少なくありませんが、そういう野菜の「旬の時期」(露地栽培の時期)と「旬でない時期」(ハウス栽培の時期)の栄養素や元気度を比較したものがあれば、野菜の元気さの季節変動がわかるし、以前は野菜は旬の時期しか栽培されていなかったので、ある程度は昔の野菜と今の野菜を比較するための代替指標にもなります。

そのあたりを簡潔に説明した記事(「社会実情データ図録 0222」)があったので以下に引用します。ただし、アンダーラインは「高いお米、安いご飯」。

【引用開始】 東京新聞(2010.3.15)は「賢く食べよう旬の野菜」という記事で、野菜類が季節によってどう栄養分が変化するかについての女子栄養大学辻村卓教授(生物有機化学)の研究調査を紹介している。
 辻村教授は1985年から15年間、研究室の学生らと、野菜約40種を首都圏の5カ所の店舗で毎月購入して、カロテン(カロチンと同じ。それ自体有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用を持つほか人間の体内の必要性に応じてビタミンAに変わる)やビタミンCなどのビタミン、またカルシウム、鉄などのミネラルの含有量を調べた。店頭の野菜は時期により露地物であったり、ハウスものであったりした。場合によっては輸入ものも混じっていよう。
「辻村教授は全体的な結果を『土壌成分の影響を受けるミネラルに比べ、光合成の影響を受けるビタミンの変動が大きかった』と説明する。...変動が少なかったのはセロリとピーマンだけだった。辻村教授は『ほとんどの野菜は旬に充実した栄養価をもち、旬以外の時期には数分の一の栄養価しかない場合が多い』と分析。『旬とそれ以外では、見た目は同じでも中味は別の野菜』とその大きな違いを強調した。」(同紙)
 たしかに図を見るとカロテンは、ブロッコリー、トマト、ニンジンで月別変動が大きく、ビタミンCは、ホウレンソウ、ブロッコリー、ジャガイモ、トマトで月別変動が大きい。概して旬の季節に栄養素が豊富なことが一目瞭然である。【引用終り】

また、季節(旬の時期)に応じた野菜や果実の元気度(抗酸化力、ビタミンC、糖度など)は「デザイナーフーズ株式会社」のホームページでも紹介されています。

「測る知」から見た農業、「測る知」を軸に展開する農業とは、基本的には工業と同じです。「測る知」の展開方法に分野別の違いはありません。小規模で家内作業的な農業では効率が悪い。農業は規模を拡大し産業化しなくてはいけない。農業の経営も製造工業と同じような経営手法を用いて専門化しないと立ちいかない。そういう発想は、「測る知」から違和感なく生まれる発想です。「測る知」はそれ以外の準拠枠を知らないともいえます。

さまざまな参加者が、さまざまな環境における農産物生産の拡大と生産の効率化、そして利益の極大化をめざせば、そこにはたとえば、GM作物(遺伝子組み換え作物)や、GM作物と農薬の独占的なセット販売というビジネスモデルが登場してきます。そこに、不思議はありません。植物工場・野菜工場でも、日光はガラス張りの建屋で自然のものをそのまま使うという場合もありますが、主眼は、土壌や日光といった自然の力をどのようにエミュレートし、温度や湿度といったパラメーターをどのように人工的に制御して、単位面積当たりの収量を連続的に増加させるかということに注がれます。

同時に「測る知」の流通面や生産管理面への展開で、日本各地の旬の食材が簡単に手に入るようになったし、「測る知」から見た日本の農業の工程管理面・品質管理面の課題が解決されつつあるようです(たとえば、GAP:Good Agricultural Practice) 。

これらは「測る知」にとってはけっこうな成果ですが、食材と「対話的」な「思考し共感する知」は、GM農産物からも、植物工場の野菜からも、そして各点検項目に沿って効率よく工程管理された農場で生産された元気度の低そうな野菜からも、程度の差はあれ、ざらついた違和感のようなものを感じると思います。

しかし、「(3-2)食べるもの・食べることと3種類の知の関連」でも述べたように「測る知」の使い途はこれにとどまらない。機能性(抗酸化力や免疫力など)の豊富な野菜を栽培し、機能性を測定し、そしてその機能性と「旬」という季節性を結び付けたものを売り場で消費者に明示することで、野菜の機能性に敏感な消費者を引きつけることができる。

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ただし、そういう感性を持った消費者の数は、「測る知」の住人ではなく「思考し共感する知」の住人なので、以下の絵でわかるように多くはありません。少なく見積もれば消費者全体の5%(右上の四角)、多めに見積もっても20%(右上と右下の四角の合計)。これは、そういうものだと受け入れるしかありません。それほど「測る知」の勢いが強く浸透度が高いということです。

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